音楽ナタリー PowerPush - ナノ

トリプルタイアップ作を通じて明かす 制作へのこだわりと新たな可能性

ファンからもらうエネルギーって果てしない

──実は本作には収録されなかった新曲もまだまだ控えてますよね。例えばNHK「シャーロック ホームズ」のテーマ曲「Scarlet Story」とか(参照:ナノ新曲「Scarlet Story」、三谷幸喜作品のテーマ曲に)。

そうなんですよ(笑)。常にそうなんですけど、「絶賛制作中」っていうのがもう1年くらい続いてるので(笑)。「いやー、こんなに常に制作を続けることってあるんだ」って思うぐらい、ずっとレコーディングしてますね。

ナノ「INFINITY≠ZERO」PVのワンシーン。

──6月の野音ライブでは「Scarlet Story」も披露しましたけど……。

シングルには入らない、みたいな(笑)。

──そう。ファンの皆さんはビックリしてると思うんです。

たぶん一番ビックリしたのがそこだと思う。「えっ、『Scarlet Story』忘れてるよ、ナノさん」みたいな(笑)。

──そういうことも今までのナノさんの活動を通じて初めてのことだし、どんどん先が楽しみになるというか。2014年後半に向けて、いい燃料がたくさんそろいましたね。

はい……っていうか、いつの間にか2014年前半が終わっていて「え!?」みたいな気持ちもちょっとありますけどね。だって半年前に入院してたこととか、もう忘れてますから(笑)。

──前回のインタビュー(参照:ナノ「Born to be」インタビュー)は、まさにその話題から始まりましたし。

あのときはまだヨレヨレだったんで、自分(笑)。もう10年ぐらい前の話に感じますね(笑)。でも改めて音楽ってすごいなと思うのが……去年の12月に体調を崩して、自分の中ではちゃんと復帰できるかどうか不安だったんですけど、いざ復帰して再び音楽に取り組んだら、音楽からこんなにエネルギーをもらってるんだと実感したことで。作ってる側がこれだけ音楽からパワーをもらってるんだから、聴いてる側はそれ以上のエネルギーを感じてくれてるんじゃないか。そう考えると本当に音楽って素晴らしいなと思うんです。

──そしてリスナーに力を与えつつ、さらに自分にも返ってきてますし。

本当にその通りです。ライブでもそうですけど、ファンからもらうエネルギーって果てしないですね。

──そういう意味じゃ、去年から始めたライブ活動はナノさんにとっても必要不可欠なものになっていると。

そうですね、本当に。

野音ライブは自分の中で1つの区切りになった

──そして9月には1年ぶりの全国ツアー「World of stars.」がスタートします。

先に宣言しちゃいますが、もう絶対に、みんなの期待をいい意味で裏切るつもりです。さっきもチラッと言いましたが、今回は去年のツアーとはまったく違うものを届けたいと思っていて。延長線上じゃなくて、本当に真新しいツアーにしたいと思うんです。

──それはナノさんにとっての次の一歩というか、今後進むべき新たな方向性が垣間みられるようなものなんでしょうか?

そうですね。そういう意味でも6月の野音ライブは自分の中で1つの区切りになったんですよ。

──それはどういうことですか?

去年のツアーではレーザーだったり照明だったり、派手な演出を取り入れてたんですけど、野音は野外だし、しかも陽が落ちる前にライブが始まったので、素の自分を見せられるいい機会だったなと。そういう意味では純粋に音を感じて楽しむという、ライブ本来の目的と向き合うことができたと思うんです。で、そこで1つの目的を達成することができたので、今後はまったく違う自分を出していきたいと決意して。常に同じことを繰り返したくないという気持ちが、あのライブを経て固まりましたね。

──なるほど。

実は野音の前までは、ツアーのことをそこまで考えてなかったんですよ。とりあえず野音でのライブに集中しようって。でも野音が終わったら、次の日から一気にツアーのイメージやコンセプトが自分の中でブワーって広がったんです。そのイメージを冷静に分析して、「あ、これは今までにない新しい感じになるな」って実感しました。

──1年前には考えられないほどにライブモードになってますね。

はい。この1年ちょっとの間に何度かライブを経験したことで、大好きになっちゃったんで。でもやるからには、みんなをどうやって前回よりも楽しませられるかっていうことを目標にして、常に全力で取り組んでいきたいと考えています。なので今度のツアー、本当に期待していてください!

SABLE / ナノ Music Clip

ニューシングル「INFINITY≠ZERO / SABLE」/ 2014年7月23日発売 / FlyingDog
ナノver. [CD] 1512円 / VTCL-35189
M3~ソノ黑キ鋼~ver. [CD] 1512円 / VTCL-35188
ナノver. 収録曲
  1. INFINITY≠ZERO
  2. SABLE
  3. Dusty Mirror
  4. INFINITY≠ZERO Instrumental ver.
  5. SABLE Instrumental ver.
  6. Dusty Mirror Instrumental ver.
M3~ソノ黒キ鋼~ver. 収録曲
  1. SABLE
  2. INFINITY≠ZERO
  3. PARALYZE:D
  4. SABLE Instrumental ver.
  5. INFINITY≠ZERO Instrumental ver.
  6. PARALYZE:D Instrumental ver.
ナノ「World of stars.」
  • 2014年9月18日(木)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2014年9月19日(金)大阪府 Zepp Namba
  • 2014年9月26日(金)東京都 Zepp Tokyo
ナノ

アメリカ・ニューヨーク州出身、7月12日生まれ。卓越した歌唱力と、日本語と英語を使い分けるバイリンガルシンガー。2010年よりYouTubeやニコニコ動画などの動画サイトに、洋楽やVOCALOIDのカバー楽曲の投稿を始め、現在までに国内外問わず多くの音楽、アニメユーザーの支持を集める。 2012年3月にデビューアルバム「nanoir」(ナノワール)をリリース。オリコンデイリーランキングでは発売日に10位を記録し、新人では異例のチャートアクションを起こす。2013年2月には2ndアルバム「N」を発売し、オリコン週間ランキング8位にランクイン。同年5月18、19日には、ドイツ・デュッセルドルフで行われたジャパニーズカルチャーコンベンション「DoKomi」に招待され、ライブ会場キャパ満員の1500人を集客した。2014年7月に映画「幕末高校生」の主題歌「INFINITY≠ZERO」、テレビアニメ「M3~ソノ黒キ鋼」の新エンディングテーマ「SABLE」、PlayStation Vitaのゲームソフト「RE:VICE[D]」の主題歌「PARALYZE:D」を含む両A面シングル「INFINITY≠ZERO / SABLE」をリリース。さらに9月には自身2度目のライブツアー「World of stars.」を東京、大阪、名古屋の各Zepp会場で行う。