ナタリー PowerPush - ナノ

2ndアルバム&初ライブで 究極の「N」を目指す

ナノの2ndアルバム「N」が2月27日に発売される。昨年3月にアルバム「nanoir」でメジャーデビューして以来、2枚のシングルリリースやテレビアニメ、ゲームとのタイアップなどで着実に知名度を高めつつあるナノ。その決定打となるであろう今作「N」には、バンドサウンドを軸にした幅広いタイプのロックチューンが詰め込まれている。

ナタリー3度目の登場となる今回はアルバム制作の話題のみならず、3月16日に東京・新木場STUDIO COASTで開催される1stライブ「Remember your color.」への意気込みも聞いた。

取材・文 / 西廣智一

自分が本当に好きな音楽を完全に表現

アルバム「N」購入者用特典「ちびナノ12星座」缶バッジ 山羊座バージョン

──ナノさんは1stシングル「Now or Never」発売時のインタビューで「ここまで音楽をやってきた中で、今が一番楽しい」と言っていましたが、その思いは今も変わってませんか?

ずっとそんな感じですね。どんどん新しいことをやっていて最初は「大丈夫かな」「ちょっと怖いな」と思うこともあったんですけど、1つひとつのことをこなしていくことに自信が付いてきたと思います。

──「Now or Never」、そして2ndシングル「No pain, No game」はともにアニメのテーマソングでしたが、これらの曲を通じて新たなファン層も拡大できたのでは?

そうですね。1stアルバム「nanoir」のときはネットユーザーからの反響が大きかったんですけど、その2曲に関しては「はじめまして、アニメから来ました」「今回のシングル初めて買ってみたんですけど」という声がTwitterで多くて。そういうコメントを読むたびに、何か言葉にできない感動がありましたね。

──確実にいろんな人に届いてるんだな、と。

はい。この曲で今までナノを知らなかった人の心をグッとつかめたんだなって思うと、単純に今までの自分がどうっていうよりも、今回はこの音で正解だったんだなって。

──そして今回の2ndアルバム「N」ではさらにその支持層を拡大させられるような、バラエティに富んだ楽曲がたくさん収録されています。

実は今回はそういう人たちをグッとつかもうというよりも、自分が本当に好きな音楽をアルバムとして完全に表現できるといいなと思ったんです。そこまで自分自身を全面に出すことって、たぶんアルバムでしかできないと思うし、だから今回はもう、できる限りのことを全部やった感じですね。

バリエーションは広がったけど1本筋が通った

──ボカロ曲の英詞カバーが大半だった「nanoir」から一転して、本作「N」はほぼオリジナル曲で占められています。しかし今回は生音主体で、バンドサウンドやアコースティック楽器、ストリングスを全面的に導入したことで、楽曲のタイプは幅広いのにしっかり統一感がありますね。

そうですね。最初に曲を準備していたときは、アルバムの統一性に関しては正直バラバラになるんじゃないかと思っていたんですね。でも同じバンドメンバーでレコーディングをしたり、自分で作詞をして歌ってみて、レコーディングを終えたときには「バリエーションは広がったけど、1本筋が通ったな」と感じました。

──本作を制作する際に「こういう作品にしたいな」「こういうアルバムを作りたいな」っていうイメージはありました?

今回のアルバムに関しては「N」という名前が決まる前からラフなサウンドというか、アグレッシブなアルバムにしたいなっていうのはありましたね。「Now or Never」や「No pain, No game」を経て、自分の歌い方も少しずつ変わってきたと思うんですけど、それは楽曲からの影響が一番大きいんです。こういうふうに激しく歌えるんだとか、もっとアグレッシブな表現力を持っていたんだってわかったら、できる曲の幅もどんどん増えてきますし、イメージも膨らんでいくので。

──そのアルバムタイトルも「N」というアルファベット1つ。何かを象徴させる記号のようでもあって、イマジネーションを掻き立てられます。

「neophobia」ビデオクリップのワンシーン。

そうですね。たぶんみんな「どういう意味だろう?」と思うだろうし。最初はナノの頭文字って思うかもしれないし、今までのアルバム、シングルすべてのタイトルがNから始まってるし、いろんな要素が「N」というタイトルに詰め込まれてるんです。でも最終的には聴いた人がどう解釈するかで、その意味は変わってくると思います。

──今おっしゃったように、これまでの「nanoir」「Now or Never」「No pain, No game」、そして「N」と、すべてタイトルがNから始まってるんですよね。これは意図的なものだったんですか?

最初は本当に偶然で、純粋に付けてたタイトルがなぜかNから始まっていたんです。で、「No pain, No game」のときに「今までのタイトル、全部Nじゃん!」って気付いて、そこから「これは運命的だね」という話をスタッフさんとしてたら、「じゃあ次のアルバム、タイトルは『N』でいいんじゃない?」というアイデアが上がって。そこからリードトラックにも「neophobia」「Nevereverland」と頭文字がNの曲が選ばれて、もう全部うまく収まったなっていう気がしてます。

──僕もスタッフさんに言われて初めて気付きました。

リスナーさんからも最近そういう反応が多くて、ちょっとニヤッとしますね(笑)。

ニューアルバム「N」 / 2013年2月27日発売 / FlyingDog
初回限定盤 NA ver. [CD+DVD+写真集] 3000円 / VTZL-57
初回限定盤 NO ver. [CD+グッズ] 2600円 /VTZL-58
通常盤 [CD] 2400円 / VTCL-60332
CD収録曲
  1. neophobia
  2. All Eyes On Me
  3. KALEIDOSCOPE
  4. Nevereverland
  5. Silence
  6. A Genesis
  7. Remember, My Friend
  8. Now or Never
  9. BE FREE(WITH MUSIC)
  10. No pain, No game
  11. Black Board
  12. Horizon
  13. Palette
初回限定盤 NA ver. DVD収録内容
  1. Now or Never(PV)
  2. No pain, No game(PV)
  3. Nevereverland(PV)
  4. neophobia(PV)
  5. neophobia メイキング映像
ナノ ファーストソロライブ
「Remember your color.」

2013年3月16日(土)東京都 新木場STUDIO COAST
※ソールドアウト

ナノ

アメリカ・ニューヨーク州出身、7月12日生まれ、血液型B型というプロフィール以外は明かされていない、新進気鋭のバイリンガルシンガー。2010年12月29日に動画投稿サイト「ニコニコ動画」に、人気VOCALOID楽曲「モザイクロール」を自作の英語詞でアレンジし投稿。この動画がわずか3日で、サイト内ジャンルランキング1位を記録した。その後も数多くのVOCALOID楽曲の英語詞アレンジや洋楽カバー曲を投稿し、卓越した歌唱力と堪能な英語力でリスナーを魅了。2011年6月に発売されたbuzzGのアルバム「祭囃子」にゲストボーカルとして参加し、大きな注目を集めた。2012年3月に初のアルバム「nanoir」で待望のメジャーデビューを果たす。また1stシングル「Now or Never」がテレビアニメ「ファイ・ブレイン~神のパズル」第2シリーズのオープニングテーマに起用されたことでも注目を集めた。同年10月にはテレビアニメ「BTOOOM!」のオープニングテーマ「No pain, No game」をシングル化。2013年2月には2ndアルバム「N」を発表し、翌3月に1stライブ「Remember your color.」を敢行する。