ナナヲアカリ「DAMELEON」 PR

ナナヲアカリ「DAMELEON」特集 | 朝日(ネクライトーキー)と語る、最高傑作かもしれないプチアルバム

ナナヲアカリが“プチアルバム”と位置付ける新作「DAMELEON」がリリースされた。

この作品には、“ナナヲアカリの七変化”をテーマにした全7曲が収録されている。ナナヲは今作で蒼山幸子(ex. ねごと)、朝日(ネクライトーキー)、大森靖子、かいりきベア、ナユタン星人、Sori Sawada×LASTorderという音楽性の異なる作家6組を召集。振れ幅の広い楽曲たちを見事に “ナナヲアカリの楽曲”として昇華してみせた。

この特集では、作家陣の中から朝日を迎えて実施したナナヲとのクロストークをお届けする。2人の出会いのエピソードや朝日が手がけた「人類殲滅のテーマ」に関する話題を中心に、個性豊かな楽曲群の制作秘話を語ってもらった。

取材・文 / 須藤輝 撮影 / 草場雄介

中学時代に触れた朝日の音楽

──まず、お二人が知り合ったきっかけから、朝日さんが「人類殲滅のテーマ」を提供するまでの経緯について教えてください。

ナナヲアカリ きっかけは……ナナヲが中学生の頃から一方的に石風呂(朝日のボカロP名義)さんの曲をもう「好きだ好きだ好きだ!」としょっちゅう聴いていて。いろいろあった中学生時代にすごく励まされたし、上京してきて1人で音楽を始めてからもいつかご一緒したいと思ってたんです。

ナナヲアカリ

朝日(ネクライトーキー) 確か初対面は、スペースシャワーTVの番組でしたよね?

ナナヲ そうでしたね。なんか、番組内で新人アーティストを集めて……。

朝日 勝ち残った1人をでかいイベントに出すみたいな。

ナナヲ そうそう。そこから、ネクライトーキーのライブを観に行かせていただいたときに、楽屋で「いつかご一緒できたら……」と言ってたんですよ。で、今回“変化”をテーマに作品を作るにあたって正式にお願いしたところ、書き下ろしてくださることに。

朝日 僕も、ナナヲさんのことは直接お会いする前から知っていて。もともと僕は、ナナヲさんとよくご一緒されているナユタン星人さんの曲がすごく好きなので、そのナユタンさんの活動を追っていく中でナナヲさんの存在も知ったんですね。普通に「歌うまいなあ」と思ったんですけど、ナナヲさんはライブ映像をたくさん上げてるじゃないですか。それを観ると案外、フィジカルな人なんだなと。

ナナヲ しかも朝日さんは、ナナヲにはギターを弾きながら歌う曲がけっこうあるんですけど、意外とギター1本で始まる曲がないっていうことに気付いてくださって。だから「人類殲滅のテーマ」はギター始まりなんですよ。

──前回のインタビューで、ナナヲさんは曲を提供してくださる方とは必ず事前にお会いして、ナナヲさんが一方的に自らの人生を振り返るコーナーを設けるというお話でしたが……(参照:ナナヲアカリ「フライングベスト~知らないの?巷で噂のダメ天使~」インタビュー)。

ナナヲ 今回もそのコーナーはありましたね。メインは、さっき言った石風呂さんの曲を聴いてた中学時代の話だったんですけど、当時のよくない思い出を一方的に吐き出して「いやもう、あれホント腹立ちますよね」みたいな(笑)。

朝日 やっぱり、石風呂の曲を聴いてた人にまともな人はいないんだなあって(笑)。

ナナヲ ええー! あの感じに救われた同世代はたくさんいると思いますよ。「こんにゃろー!」とか「お前ら今に見てろよ」みたいな気持ちを全部曲にしてくださっていたので。

左からナナヲアカリ、朝日(ネクライトーキー)。

引きずりながらも引きずってない

──ナナヲさんのために曲を作る際、石風呂やネクライトーキーでの曲作りと何か違いはありましたか?

朝日 ナナヲさんのためかどうかはわからないですけど、やっぱり僕はナナヲさんの東京・WWW(2018年11月に開催された「ナナヲアカリフライングツアー ~こんにちは!巷で噂のダメ天使~」東京公演)でのワンマンライブの映像が印象に残っていて。それでイメージとしては、まずステージでギターを弾き始めるナナヲさんというのがあって、ナナヲさんが演奏して歌ってるところを想像できる曲にしようと。作詞に関しては、中学時代にいろいろありはしたものの、今はポップスを歌っているというのが難しいなと思ったんですけど、“引きずりながらも引きずってない”みたいなラインで。

ナナヲ ふふふ(笑)。

朝日 まあ、ナナヲさんの気持ちがわかるってことではないんですけど、僕も中学時代に嫌な思い出はあるし。ふと昔のことを思い出して腹が立ったりとか、そういう自分が普段書いている歌詞が、けっこうナナヲさんのイメージにも合うと思ったので。あとナナヲさんとの打ち合わせで阿倍野(大阪・阿倍野区)の話をしたことも思い出して。

ナナヲ 2人とも大阪出身で、地元が近いんですよ。ナナヲは阿倍野区出身なんですけど、歌詞のド頭から「阿倍野橋は今日も イカレた魔法に憑かれてるまま」と阿倍野エッセンスを入れていただいて。ここは通学路をイメージして歌いましたね。

朝日(ネクライトーキー)

朝日 ただ単に“阿倍野橋”という響きが好きで、かつ僕は昔TSUTAYAで「アベノ橋魔法☆商店街」というアニメを借りて観てたなって。だから阿部野はちょっと特殊な場所であるという意味も込めつつ、ヘイトの感じとか、いろいろ混ざってこうなりました。

──朝日さんが今おっしゃった“引きずりながらも引きずってない”は、ナナヲさんのイメージをうまく言い当てているように思います。

ナナヲ うんうん。引きずりながらも引きずってない、あるいは引きずってないつもりが引きずってる。どっちとも言えるのがナナヲアカリだと思っていて。「人類殲滅のテーマ」は、引きずらないようにがんばってるけど「いや絶対引きずっとるやん!」という主人公像が透けて見えるんですよ。特に歌詞の最後の2行を読んで、1人で拍手しましたもん。

──「笑い話になればいい それはもっと後の話だけど」。

ナナヲ 「それな!」みたいな。この曲の終わりにふさわしい2行だなって。

朝日 確かに、全体的にポップな言葉遣いなのに対して、この2行を含めた最後の4行だけはすごくパーソナルな心情を述べてるような。なおかつ、このセクションが一番、ナナヲさんがギター弾きながら歌ってるところを想像できるんじゃないかなって。

ナナヲ この曲はすでに関西でのフェス「KANSAI LOVERS 2019」とタワーレコード渋谷店でやった全曲初披露リリースイベントの2回ライブでやってるんですけど(※本インタビューは10月上旬に実施)、それこそ自分のギターで始まるイントロからビュン!ってすごいノれたし、最後まで歌っていて気持ちいい曲ですね。本当にスカッとします。

朝日 うれしいです。歌ってることはだいぶ物騒ですけどね(笑)。