キャラになりきる作業が必要だった

──皆さんにはまずキャラクターについてお聞きしたいと思います。デビューしてから半年が経って、自身が演じているキャラクターへの理解は深まりましたか？

天城サリー　最初、私が演じている藤間桜ちゃんは太陽のように明るくて元気な子だと思っていたんですけど、繊細な部分もあって、明るさの裏に隠れてる大人しさや闇もあるんだろうなと感じてきて。声のトーンや話し方を試行錯誤をしなければいけない時期があって苦しみました。

帆風千春　私の演じる佐藤麗華ちゃんは生徒会長で優等生という設定だったので、真面目でまっすぐな子なんだろうなという印象だったんですけど、かわいらしい部分もあって。けっこうふざけられる部分もあるので、思っていたより自分に近いところがあるのかなと感じています。

──ディファ有明で行われた「割り切れないライブ ～シャンプーの匂いがした～」では、モーションキャプチャを用いてリアルタイムで動きを付けたキャラクターによるMCが披露されましたね。

天城　リアルタイムでお客さんとのやり取りが展開できたので、キャラクターとリアルの私たちによるライブであることをちゃんと見せられたと思います。桜ちゃんとしてステージに立ちたいという気持ちもあったので、うれしかったですね。

──自分自身でMCをやるのとは全然違いますか？

帆風　違いますね。しゃべりだけじゃなく動きもキャラクターに反映されるので立ち姿から意識しなきゃいけなくて、キャラになりきる作業が必要でした。

倉岡水巴　私は声か体の動きのどちらかに集中してしまいがちで、リハーサルで自分が全然かわいい動きをできていないことに気付いたんです。私のキャラクターである河野都ちゃんを都ちゃんらしく、しっかり演じなきゃと強く思って本番に臨みました。

──高辻さんからは涼花さん、武田さんと同じく担当キャラクターがいない状況について、正直な心境を聞かせてください。

高辻麗　キャラクターをいただくこと以外で私の中にあるわだかまりを解消することはできないと思っているので、自分もキャラクターを持ちたいという気持ちはずっと変わらないです。

──そのような心持ちで迎えたディファ有明公演はいかがでしたか？

高辻　私はバーチャルパートでの出番はなかったものの、1つひとつのことに全身全霊を込めて精一杯やりきって、終わったときに今までで一番楽しかったと感じることができました。ファンの方の顔を見て、感謝の気持ちとがんばるぞという気持ちも湧きました。

奇行が目立つようになった

──ディファ有明公演では「シャンプーの匂いがした」のMVも初公開されました。このMVには、学校の中庭などでキャラクターたちが踊る姿が収められています。

倉岡　曲調が明るいのでキャラクターもみんな明るい表情をしていて、愛おしく感じました。ダンスの中に自分たちの癖も見つけられて、自分たちのMVであり、キャラクターのMVでもあるんだなと。

──モーションキャプチャでキャラクターの動きを演じるにあたって、苦労したところはありましたか？

倉岡　都ちゃんをダンスの下手なキャラクターにしたくないので、がんばって踊りを練習しました。私のダンスが下手なので、必然的に都ちゃんの踊りの癖も酷くなっちゃうんですよ（笑）。

──倉岡さんはダンスに対して苦手意識があるのでしょうか。

倉岡　私は22/7に入るまで運動を学校の体育でしかやってこなかったので、ダンスの面でみんなに付いていくのに必死で。スタッフさんやダンスの先生に楽しんでパフォーマンスしてと言われても楽しめてなかったんですけど、最近は徐々に成長できていて、今回の「シャンプーの匂いがした」では踊ることの楽しさに気付きました。

天城　「シャンプーの匂いがした」はけっこう激しいダンスになっているんだよね。「僕は存在していなかった」が前向きな歌詞でありつつバラード調だったのに対して、「シャンプーの匂いがした」は儚い歌詞だけどアップテンポな曲で。

高辻　私はこの曲の低音が心地よくて、聴いていて好きです。

──ちなみに、ほかのメンバーからは性格面で倉岡さんが一番変わったという話が出ました。大人しい印象だったのにムードメーカーだったと。

倉岡　アイドルはかわいくて清楚でいないとダメだと思い込んで、本当の自分を隠していたんです。変にキャラを作りすぎて、笑うこともままならないくらい（笑）。次第にレッスンなどでみんなと一緒に楽しみたいという気持ちが芽生えてきて、素を出すようになりました。

帆風　最初の頃は話しかけても敬語で返してきて、おしとやかな子なんだなという印象だったんですけど、最近は楽屋でオペラみたいに歌い始めたり奇行が目立つようになりました（笑）。

倉岡　でも、私以外も素を出すようになったので、みんな接しやすくなったと思いますよ。

22/7を1つのジャンルとして確立させたい

──倉岡さんはダンスを楽しさに気付けたとのことでしたが、ほかのメンバーは活動の中で何か新しく気付いたことはありました？

帆風　私は去年の10月からラジオ番組のアシスタントをやらせていただいていて。グループの外の方と一緒にお仕事をすることで、自分の視野は狭かったんだなと気付きました。普段SHOWROOMの配信をやっていることもあり、ちょっとはトークができるんじゃないかと思っていたんですけど、全然しゃべれなくて。いろいろ勉強することが多いので、それを22/7でも生かせたらなと思います。

高辻　私は「僕は存在していなかった」で表題曲に参加できなかった悔しさをすごく感じていたんですけど、それは私だけじゃなく応援してくださっているファンの方も同じ気持ちだということに気付いて。ファンの方が私に何を求めて、どうして私を好きでいてくれているのかということを考えて、自分にしかできないことを見つけてやっていけたらと思っています。

──デビューから半年経って、22/7をこういうグループにしていきたいといったビジョンは見えてきましたか？

高辻　22/7は声優とアイドル、2つのジャンルを両立させないといけないグループなんですが、最初はどうやってそのバランスを取っていくんだろうと疑問に思っていた部分があったんです。でも、22/7を1つの新しいジャンルとして確立させてしまえば無敵だなと思って。どんどん新しい道を切り開いて、ファンの方と一緒に今まで見たことのなかった世界を見つけていきたいです。

帆風　ディファ有明のときのような私たちにしかできないライブをどんどん作り続けていきたいし、幅広いジャンルで愛されるグループになれるんじゃないかなと思います。

倉岡　アイドルの面も声優の面も中途半端なことをしていたらどっちのファンの方にも認めてもらえないので、実力をどんどん付けていきたいです。