NAMBA69|新ドラマーMOROがもたらしたシナジー、より自由でハイブリッドに

1曲たりとも捨て曲なし

──新作「FRIENDS」はどのような作品にしようと思って制作したんですか?

難波 作品としてこういうものを作ろうとか、こういう曲を作ろうというのは、特にあまりなかったような気がしますね。それは「CHANGES」のときよりもなかった。

MORO(Dr)

ko-hey 今回、元ネタは難波さんがほとんどで、そこから2人で作っていった感じです。

難波 ただ、今回のミニアルバムはものすごく重要だと思っていて。「CHANGES」はもちろん作品としては最高だったんですけど、最高だっただけに、今回の作品が絶対的に大注目されるのは間違いなくて。1曲たりとも捨て曲なしでいこう、っていうのは最初から決めてましたね。そこから「YOU'RE MY FRIEND」と「PLAY THE GAME」を選んで。それで「BEST OF THE BEST」はMOROくんと最初にやった曲なので入れたかったんです。僕たちのわがままをPIZZA OF DEATHには理解してもらって、快く協力してもらえました。だから、MOROくんとの1stアルバムという気持ちが強いですね。

──制作はどうでしたか?

MORO 最初、曲作りをスタジオでのセッション形式でやろうという話になったんですよ。その前にko-heyさんから電話で、ギターのリフと「ここはこういう感じ」っていうのだけが来たんです。

ko-hey だいぶ不親切ですね(笑)。

難波 それは意図的だったんです。先にデモを渡さないで、今回はその場でジャムって作ろうよって言ったんです。

MORO 俺的にはそれがすごくうれしくて。それでスタジオに入ってみたら、ガンガン曲が組み立てられていくんですよ。まずサラッと合わせるじゃないですか。そこで「ここのリフはもうちょっとこうしよう」とか、1回通して4個の直しがあったとすると、それを再確認せずにもう1回通すんです。それを何回も繰り返していって。ハンパない速さでどんどん曲が組み上がってく感じが、必死にやった分ものすごく楽しかったんです。けっこう自分からも「こういうビートを差し込んだらどうすか?」とか「こんなアレンジどうかな?」とか提案しました。

ko-hey 気合い入ってましたね。

──「FRIENDS」は1曲目の「LIFE IS GOOD」から5曲目の「IT'S ONLY PUNK ROCK」まで、全体を通しての流れもいいですよね。

ko-hey フルアルバムだと、例えば1曲目から3曲目の流れは好きだけど、次に好きな曲は9曲目だったりすると、飛ばしちゃうじゃないですか。でも今回は意図せずこの5曲になって、最後の曲のあとにまた1曲目に戻っても、永遠に聴いてられるんですね。エンドレスリピートできるっていうところがこの作品の魅力じゃないですかね。

難波 どんな曲でもずっと聴いてられるんですよ。名盤ってそういうことだと思うんです。

MOROくんのドラムが曲を作った

──「PLAY THE GAME」はほかの曲と比べるとオーガニックな感じで、ko-heyさんのコーラスワークが新鮮ですよね。

難波 確かに。

ko-hey サビのコーラスは、難波さんと俺のどちらかが主線とかじゃなくて、両方が主線なんですよ。俺はコーラス録りのときは体のコンディションだけバッチリにしてスタジオに臨んでるんですけど、それはその場で難波さんから「こう歌ってみて」って言われるからで(笑)。コーラス録りの前に主線の上下3度と5度で取れるように練習はしてたんですけど、まったく違うラインが用意されてたりするので。

難波 ko-heyがファルセットで歌ってるのもヤバい。でも、コーラス録りまでは浮かんでないんですよ。自分のを録ってみて、そこから浮かぶんです。

ko-hey まったく違うメロディでガイドが入ってきて、「これで歌えるかどうか聴いてみて」「わかりました!」って(笑)。

NAMBA69

難波 あれができたことによって、今回「MANIAC」シリーズ(2ndミニアルバム「HEROES」の収録曲「MANIAC」をはじめとした、タイトルに“MANIAC”が付くハードコアサウンドが特徴的な楽曲シリーズ)がなくてよかったなと思いましたね。「MANIAC」シリーズが入って来たら、「ko-heyってそっちね」っていうイメージが強くなってしまうから。でもあれを聴かせられたから、次はまた思いっきりできますね。でもなぜ「PLAY THE GAME」がオーガニックに聴けるのかというと、それはMOROくんのドラムのおかげなんです。ドラムがグルーヴィで、跳ねてるからなんですよ。MOROくんのドラムが曲を作ったといっても過言じゃないです。「YOU'RE MY FRIEND」なんて特にそうですよ。

──「IT'S ONLY PUNK ROCK」も高揚感のあるグルーヴがいいですね。

MORO ドラムの録音がすごかったんですよ。ko-heyさんにもディレクションしてもらいながら録ったんですけど、クリックを置き去りにして録ってるんです。

ko-hey 「クリックを待つんじゃない」「先に行け」っていう話をしていて(笑)。

MORO メトロノームに対して正確に叩くのをジャストって言うんですけど、最初はその感じで叩いてたんです。そしたらko-heyさんから「なんかつまんねえな」「もっとスピード感が欲しい」って言われて。「クリックを気にしなくていい」って言われたんですけど、意味がわからなくて。「もういいや。カマしちゃおう」と思ってやったら、その瞬間に「いい」っていう評価を得られたんです。クリックがちょっと後ろにいて、自分はタイミング的には少し前にいるような感覚で録ったんですよ。でも、頭が合うところはぴったり合うみたいな形になったから、けっこう不思議に聴こえると思います。

今の時代にハマる歌詞

──歌詞では今回どのようなことを伝えようと思いましたか?

難波 「YOU'RE MY FRIEND」は「キミは友達だから。ありがとうな」という歌かと思いきや、実はそうではなくて。今の時代のネットにまつわる問題……人のことを簡単に一瞬で嫌いになってしまったりとか、友達だったはずのヤツがあっという間に友達でなくなってしまったりとか、そういうことが前よりも頻繁に目につくようになって。曲のキーワードが「フェイク」なんですけど、フェイクな友達、フェイクな生き方、フェイクな笑顔とか、そういうのがあふれてる世の中で、君だけが僕のことをわかってくれてるっていう、そういう歌なんですよ。そこから始まって、フェイクをなくすのもなかなか難しいし、このフェイクにまみれた世の中でどう生きるのか?というのが「PLAY THE GAME」なんです。「ゲーム」というのは人生のことで、「自分の人生を本当に自分の生き方で生きてるのか?」っていうことを歌ってるんですよ。そこで「自分の人生を始めろ。目覚めるときじゃないのか」って言ってるんです。この曲はコロナの前に作っていたのにも関わらず、今の時代にバッチリハマる曲になりましたね。コロナの時代になって、僕らもそうだし、みんなもめちゃめちゃ悩んでると思うんですよ。その中で、「俺はもしかしたらこう行くべきなのかな」と後押しできるような作品になったらいいと思いますね。そういう言葉がいっぱい詰まってますので。

難波章浩(Vo, B)

──ラストの「IT'S ONLY PUNK ROCK」もいいですね。パンクロックに救われた歌ですからね。

難波 この曲では「男になるんだ」と歌っていて。今はジェンダーレスの時代なので、そこは悩んだんですけど、「男」っていう部分は女性であってもかまわない。性別のことではなくて、自分のイケてないところを人のせいにしないとか、お前はちゃんと自分に向き合ってるのか?ってことを言いたかったんですね。

──難波さんの歌詞は、個人的なテーマから「生きる」のように普遍的なテーマに変わってきましたね。

難波 そうですね。もっと命のほうに向かっていますね。そこはみんなに届いたらいいな。歌詞も読んでもらいたいです。

──10月3日から全国7カ所を回るツアー「FRIENDS TOUR 2020」が始まります。

MORO 俺はNAMBA69に加入してからまだ1回もライブができてないので、早くみんなに会いたいですね。

K5 俺らはライブへのモチベーションが高いので、スタジオでも「まだまだこういうことができるんだ」っていうのを考えてるし、みんなで泣き笑いができるようなライブをやりたいと思ってます。

ko-hey 今年はみんなと楽しむ場所をいっぱい用意してたのに、まだ1つも開催できていないので、このツアーはギリギリまで考えたいと思ってます。できない状況であればもちろん「開催しない」という選択をするかもしれないけど、その日をみんなで一緒に願えば、もしかしたらいけるかもしれないっていう希望はあるんですよね。俺たちは開催できるようにがんばって、みんなで練習もするし、各地のハコの人たちともやり取りするし、このツアーでみんなと会えるように願ってますので、皆さんも一緒に願っていてほしいです。そして、新譜は死ぬほど聴き込める内容になっているので、楽しみにしていてください。

難波 今は何が正解で何が不正解とかはないので、自分たちを信じてこれからもいくだろうし、FRIENDS TOURは今開催に向かってる、その過程がすごく重要だと思うんです。僕たちのライブに来たいなとか、音源を聴いてめちゃいいなと思った人は、どういう選択をしてもらってもいいんです。もし今回「行けない」となっても、それはその人にとっての正解だし、僕たちは全員に対してOKなんです。完全にみんながいい感じになれる日が来ないわけはないから、そこまでの過程で、体を大事にして、みんなでがんばろうっていう感じですね。

ツアー情報

NAMBA69「FRIENDS TOUR 2020」
  • 2020年10月3日(土)新潟県 NIIGATA LOTS
  • 2020年10月9日(金)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2020年10月18日(日)愛知県 THE BOTTOM LINE
  • 2020年10月23日(金)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2020年10月30日(金)福岡県 BEAT STATION
  • 2020年11月6日(金)大阪府 BIGCAT
  • 2020年11月21日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO

※記事公開時点の情報のため変更になる可能性あり

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