バンドがいないからやってた宅録とピアノ伴奏
──ちなみに中村さんが池田さんと知り合ったきっかけは?
中村 池ちゃんたちが当時の僕の所属事務所に入ってきたんです。僕もSUPER BUTTER DOG好きだったし、いろいろ話してるうちにバンドやろうかって、100s(ひゃくしき)になったんです。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に出なきゃいけないっていうのもあって。
──当初宅録のみで活動していた中村さんは、デビュー後しばらくライブをやらない時期もありましたね。
中村 デビュー前に一度だけショーケースライブに出たことあるんです。そのときカラオケを使ったんですけど、「犬と猫」の歌い出しの「どう?」のあとに1発目の「ドン!」が出なくて、2発目の「ドンドン!」が来ちゃって。それで「もうカラオケでライブなんかやるか!」と思って(笑)。実際、バンドがいなかったいうのもありますけど。
小谷 宅録で完成しちゃってるから、なかなか自分がいいと思えるミュージシャンに会えるまで時間がかかるよね。うまければいいだけじゃない部分がいっぱいあるから。私がピアノの弾き語りをやってたのは、バンドがいないから仕方なく自分で伴奏をしてただけなので。
中村 俺にとっての宅録がピアノだったってことだね。
小谷 だから、もし私が中村くんみたいにシティボーイだったら……。
中村 別にシティボーイじゃないから! 下町ボーイだから!(笑)
小谷 (笑)。そしたら私も友達とバンド作るなりしたかもしれないんですけど、京都市内から電車で2時間半ぐらいかかる日本海側の田舎街に住んでいたので、まずバンドやってる人がほとんどいなくて。
中村 でも、いい場所だよね。「手紙」のMVの始めに出てくるところでしょ?
小谷 そうそう。
中村 で、幼少期のあなたやんちゃね? 自転車ガーッと運転して(笑)。
小谷 今も基本はすごい明るいというか、そんな怖い人じゃないです(笑)。
中村 にぎやかなの好きだもんね?
小谷 好き好き、大好き。
中村 だからよく100sと一緒に行動するようになったもんね。打ち上げとか。うちにもよく遊びに来てくれて。
小谷 しょっちゅう行ってました。
音楽活動も花火大会もごっちゃの日々
──小谷さんは100sのライブにもコーラスで参加されて。
中村 ツアーの最後に出てきてもらって。ずっと「なんで1つのステージに立ってないんだろう」と思っていたから、1回ぐらいそういう機会がほしいねってメンバーみんな思ってて。実際「メンバーに入ってもらえないかな?」ってよく言ってたんです。紅一点だし、自分の曲をみーちゃんに歌ってもらえるのはうれしかったし。
小谷 「またあした」を歌わせてもらったんですけど、ファンの人の思い入れがあるから私1人で歌うパートがあっていいのかなと思いつつ。でも、お客さんも一緒に喜んでくれて。
中村 盛り上がってたよね。「小谷美紗子!」って言ったら、キャーって(笑)。
小谷 だから、もしかしたら共通のお客さんが多いのかもしれないなって。
──2005年には100sのメンバーである玉田豊夢さん(Dr)、山口寛雄さん(B)と小谷美紗子Trioを結成しました。
小谷 ベースのヒロくんも中村くんちか、池ちゃんちで初めて会って。
中村 どっちも東京の東方面ね。
小谷 私、中村くんちをずっと東京じゃないと思ってて。
中村 小岩(東京都江戸川区)を千葉県だと思ってたもんね(笑)。
小谷 だから中村くんちから帰るとき「都内に帰る」って、いつも言ってたんです。
中村 夏に花火大会があるんです。柴又のほうでの花火大会は池ちゃん担当、江戸川の花火大会が僕担当。充実した日々でしたね。音楽活動も花火大会もみんなごっちゃで。
小谷 青春な感じ。
中村 みんなで朝まで飲んで、そのまま仕事に行って。ニューヨークのティン・パン・アレー感半端なかったもんね。「曲できた!」って言ったら音を合わせたり。
小谷 私と中村くんの共通ポイントがあるとしたら、もちろん音楽も真剣にやってるけどそれ以上に日常が大事で。そこが基になって音楽ができるところ。
中村 そうそう。だから酔ってるとき「兄妹みたいだね」って言ったんだよね。そしたら豊夢くんも「俺もずっとそう思ってた!」って。
小谷 あはははは!(笑)
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今日、キャロル・キング来るよ
- La.mama 35th anniversary
「正しさの価値観に共感する。中村一義×小谷美紗子」 -
2017年8月3日(木)東京都 渋谷La.mama
<出演者>
中村一義(Acoustic set) / 小谷美紗子(弾き語り)
- 中村一義「最高築」
- 2017年5月24日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定プレミアム盤 [CD+ブックレット+缶バッジ]
5940円 / VIZL-1163 -
通常盤 [CD]
3240円 / VICL-64788
- 収録曲
-
- 犬と猫
- 永遠なるもの
- 魂の本
- 笑顔
- 1,2,3
- ロザリオ
- 素晴らしき世界
- キャノンボール
- いつだってそうさ
- Honeycom.ware
- ワンリルキス
- ビクターズ
-bonus track-
- 世界は変わる
- 初回限定プレミアム盤特典
-
- 写真集(撮影 佐内正史)約60ページ
- 全アルバムジャケットスペシャル缶バッジ(10個)
- 中村一義
「ERA最高築 ~エドガワQ 2017~」 - 2017年5月24日発売 / Victor Entertainment
-
[DVD]
5940円 / VIBL-852
- 収録内容
-
第一部
- イーラ
- 1,2,3
- ロザリオ
- メロウ
- スヌーズ・ラグ
- ピーナッツ
- ショートホープ
- 威風堂々(Part1)
- 威風堂々(Part2)
- 虹の戦士
- ジュビリー・ジャム
- ジュビリー
- ゲルニカ
- グレゴリオ
- 君ノ声
- ハレルヤ
- バイ・CDJ
- ロックンロール
- 21秒間の沈黙
- 素晴らしき世界
第二部
- 犬と猫
- ワンリルキス
- スカイライン
- 永遠なるもの
- キャノンボール
-bonus track-
- キャノンボール(Music Video)
- 小谷美紗子「MONSTER」
- 2017年4月15日発売 / Music For Life
-
特別「木の箱」仕様盤 [CD]
5400円 / MFLR-1001 - 2017年5月20日発売 / Music For Life
-
通常盤 [CD]
2700円 / MFLR-1002
- 小谷美紗子20周年記念弾き語りツアー2017「旱に雨」
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- 2017年6月23日(金)東京都 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
- 2017年6月29日(木)京都府 高台寺
- 2017年6月30日(金)京都府 高台寺
- 中村一義(ナカムラカズヨシ)
- 1975年、東京都江戸川区出身のシンガーソングライター。1997年1月にシングル「犬と猫 / ここにいる」でデビューし「金字塔」「太陽」「ERA」というオリジナルアルバム3枚をリリースする。2001年「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2001」に出演した際のバンドメンバーが集結し、2002年にアルバム「100s」を発表。2004年には同メンバーでバンド・100sとしての活動を開始し、3枚のフルアルバムをリリースした。2012年2月に約10年ぶりとなるソロ名義での新作CD「運命 / ウソを暴け!」を、7月にアルバム「対音楽」を発表。同年12月にはデビュー15周年記念ライブ「博愛博 2012」を東京・日本武道館で実施した。2014年には盟友・町田昌弘(100s)とのトーク&弾き語りライブツアー「まちなかオンリー!2014」、自身初となる地元・江戸川区での特別公演「エドガワQ」、約12年振りとなるソロ名義のバンドツアー「RockでなしRockn'Roll」を開催する。2016年3月にはビクターエンタテインメント移籍後初のアルバム「海賊盤」、ライブDVD「金字塔完成記念日~エドガワQ 2015~」を発売。2017年5月にはセルフカバーベストアルバム「最高築」と、2月に東京・江戸川区総合文化センターで行われたライブ「エドガワQ2017~ERA最構築~」の様子を完全収録したDVD「ERA最高築 ~エドガワQ 2017~」を同時リリースした。
- 小谷美紗子(オダニミサコ)
- 1976年京都生まれ。ピアノ弾き語りによる情感あふれる歌声が注目を集め、1996年リリースのデビューシングル「嘆きの雪」がスマッシュヒットを記録。以後コンスタントに作品を発表し、多彩な音楽性を見せつけながらその存在感を確立していく。2003年には彼女をリスペクトするミュージシャンが集まり「odani misako・ta-ta」名義でアルバムを発表するなど、他アーティストからの支持も厚い。近年は玉田豊夢(Dr)、山口寛雄(B)とともにトリオ編成のバンドでライブやレコーディングを実施。2013年12月に通算12枚目となるオリジナルアルバム「us」を発表。2016年4月にはデビュー20周年プロジェクトの第1弾として弾き語りベストアルバム「MONSTER」をリリースした。