ナタリー PowerPush - 中島卓偉

“リアル1stアルバム”からピックアップ 「名刺代わり」の攻撃的シングル

むしろ自分はうるさい曲を名刺代わりにしたかった

──そしてアルバム発売から1カ月後に、「ゲッザファッカゥッ!!!!」「誰もわかってくれない」「BEAT&LOOSE」を収録したリカットシングル「ゲッザファッカゥッ!!!! / 誰もわかってくれない / BEAT&LOOSE」もリリースされました。なぜこの3曲をシングルとして改めて発売したんですか?

中島卓偉

世間一般の人たちはメロディがきれいな曲を必要としているのかもしれない。アルバム「BEAT&LOOSE」にもメロディがきれいな曲は入ってましたけど、そういう曲をやってる人はほかにもたくさんいるし、むしろ自分はうるさい曲を名刺代わりにしたかったんです。僕みたいな奴がいてもいいだろうと。せっかく攻めたい気持ちが詰まったアルバムを作ったんだから、だったらシングルでも攻めようよと。

──なるほど。とはいっても、「ゲッザファッカゥッ!!!!」をシングルカットするんだと正直驚きましたよ。

ですよね。でも地方に行くとね、意外と喜ばれるんですよ。ラジオでかかる、かからないというのはもうその番組の判断であって、地方のラジオ局ではインパクトのある曲をかけたいと思ってる人がたくさんいるんだなって、アルバムのキャンペーンで全国を回ってるときに改めて気付かされて。中には「この曲をかけたいんですけど私、このタイトルは言えないので、卓偉さん曲紹介をしてもらえますか?」っていう女性DJの方もいたし(笑)。そういった手応えも、今回のシングルカットにつながってるんですよ。

──さっきも言ってたように、イントロはヘビーかもしれないけど、サビになるとめちゃめちゃキャッチーだし、意外とラジオに合ってると思うんですよ。

どの曲もサビは歌謡曲としても通用するぐらいのキャッチーさだと自信を持ってるし、どれをシングルにしてもいいぐらいのつもりで作ったので。今回はその中でも特にとがっていてうるさい曲を選びたかったんです。

──シングルではどの曲も「Single Ver.」と表記されてますが、アルバムバージョンとはどう違うんですか?

ボーカルのレベルを上げてます。あとベースもちょっとだけ上げて。シングルではより歌詞を意識してほしかったので、わざとレベルを上げました。すべてのボーカリストが同じかわからないですけど、僕は歌のレベルを上げるときにベースの音量が一緒に上がってこないと、歌がスイングしないと思ってるんです。「BEAT&LOOSE」みたいなタイプの曲は、それが顕著に表れたんじゃないかな。

2種類のセットリストは「どっちもハード」

──アルバム「BEAT&LOOSE」のレコーディングが終わってからも、新曲が次々に生まれているそうですね。

中島卓偉

そうなんです。なんだかんだ言って「BEAT&LOOSE」の曲は去年の夏から作っていたものが中心なので、新しい歌詞やメロディがどんどん浮かんできていて。早めにアウトプットして練り上げる作業が必要ですね。

──その制作意欲というのは、15周年を前にしてどんどん湧き出ているものなんですか?

曲を作るのは大好きなので、常に制作欲があるというか。曲を書きたくない、歌詞を書きたくないというテンションにはならないんですよ。

──じゃあ今までメロディや歌詞が出てこなくなったことは?

歌詞はありましたね。それはさっき言ったように、自分の中で制約を作ったために、なかなか言葉が浮かばなかったというか。今だったらこういう歌詞が書きたいというテーマがあれば、すらすら言葉が出てくるし。

──11月9日からは全国ツアー「HERE WE GO! BEAT&LOOSE TOUR 2013」がスタートします。このツアーは「BEAT PUNK Side」と「LOOSE ROCK Side」の2つのメニューが用意されていますが。

はい、アルバム「BEAT&LOOSE」には15曲も収録されていたんで、それを半分に振り分けて、さらにこの15年にわたって中島卓偉を愛してくれたファンの方たちが望む曲たちを「BEAT PUNK」「LOOSE ROCK」というテーマに沿って、散りばめたセットリストにしようと思ってます。

──それぞれのセットリスト、どういった傾向になりそうですか?

どっちかがソフトというんじゃなくて、どっちもハードですね(笑)。過去の楽曲についても、今回のツアーに合ったアレンジに寄せようと考えてますし。まあ楽しみにしていてください。

中島卓偉
ニューアルバム「BEAT&LOOSE」 / 2013年10月2日発売 / 3150円 / UP-FRONT WORKS / zetima / EPCE-5991~2
ニューアルバム「BEAT&LOOSE」
CD収録曲
  1. ゲッザファッカゥッ!!!!
  2. サイトウダイスケ~all good adults go to heaven?~
  3. BEAT&LOOSE
  4. I'VE GOT MY SOUL
  5. さらけだす
  6. 口パク禁止令
  7. 言えよ
  8. 誰もわかってくれない
  9. だけどもう一度 それでももう一度
  10. LOCAL SENSATION
  11. いたわりマシーン
  12. カモン!カモン!
  13. YES, MY WAY
  14. 高円寺
  15. 泣いたままでいい
DVD収録内容

「15周年フライングイベント!まずは振り付けNight!」2013年8月31日(土)at 新宿LOFTライブ映像

ニューシングル「ゲッザファッカゥッ!!!! / 誰もわかってくれない / BEAT&LOOSE」 / 2013年11月6日発売 / UP-FRONT WORKS / zetima
初回限定盤A [CD+DVD] / 1680円 / EPCE-7010~1
初回限定盤B [CD+DVD] / 1680円 / EPCE-7012~3
通常盤 [CD] / 1050円 / EPCE-7014
CD(全仕様共通)
  1. ゲッザファッカゥッ!!!!(Single Ver.)
  2. 誰もわかってくれない(Single Ver.)
  3. BEAT&LOOSE(Single Ver.)
初回限定盤A付属DVD
  1. ゲッザファッカゥッ!!!! (Music Video)
  2. BEAT&LOOSE(Live Ver.)
初回限定盤B付属DVD
  1. 誰もわかってくれない(Music Video)
  2. BEAT&LOOSE(Live Ver.)
中島卓偉(なかじまたくい)

中島卓偉

1978年10月19日生まれ、福岡県出身のロックアーティスト。1999年10月21日、TAKUI名義にてシングル「トライアングル」でデビューを果たす。以後、ライブを主軸に音楽活動を展開。2006年に本名の「中島卓偉」名義に戻し、「3号線」をはじめ数々の楽曲を発表していく。また作家としても、安倍なつみやTHE ポッシボー、小川真奈、真野恵里菜、つんく♂などに楽曲提供。2014年のデビュー15周年を目前に、2013年10月にニューアルバム「BEAT&LOOSE」、11月にシングル「ゲッザファッカゥッ!!!! / 誰もわかってくれない / BEAT&LOOSE」を立て続けにリリースした。