ナタリー PowerPush - 中島卓偉

“リアル1stアルバム”からピックアップ 「名刺代わり」の攻撃的シングル

中島卓偉のニューシングル「ゲッザファッカゥッ!!!! / 誰もわかってくれない / BEAT&LOOSE」がリリースされた。本作は10月発売のオリジナルアルバム「BEAT&LOOSE」からピックアップされた、選りすぐりの3曲を収録。卓偉ならではの“ロック”を追求した楽曲を楽しむことができる。

2014年にデビュー15周年を迎える卓偉は、今何を思ってロックと向き合っているのか。このインタビューでは“リアル1stアルバム”と称された「BEAT&LOOSE」を通じて明かされる自身のロック観、“攻め”の楽曲ばかりが選ばれたリカットシングル制作の理由がじっくり語られている。

取材・文 / 西廣智一 インタビュー撮影 / 佐藤類

 
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作っている音に関して言えばむしろ進化型

──卓偉さんというと、自身のロック観というものに対してすごく忠実に生きている人だなという印象があるんですが。

中島卓偉

いやいや、とんでもないです。自分自身ただロックが好きだから、単なるロックファンなだけですよ。

──そういうロックファンとしての思いがぎっしり詰まっているのが、原点回帰と言えるようなアルバム「BEAT&LOOSE」だと思うんですが、15周年を前に一度原点に立ち返ろうという気持ちがあったんですか?

いや、実は原点回帰という考えはまったくなくて。あのアルバムは、それこそ13歳ぐらいのときにロックから衝撃を受けたときの気持ちまでさかのぼって作ったものなんです。そういう意味では原点っちゃあ原点ですけど、作っている音に関して言えばむしろ進化型だと思ってます。

──自分がロックから受けた衝撃をもう1回確認しつつ、デビュー15年目の卓偉さんが鳴らす現在進行形の音ということですか?

そうですね。デビュー以来いろんなタイプの音楽をやってきたんですけど、そういった道のりを経てたどり着いた場所でもあるし、通過点でもある。そういう意識が強いんです。

──にしても、こんなに攻めまくった内容になってるとは正直思いもしませんでした。

バラードも最後の2曲だけで、最初はバラードはなくてもいいぐらいの勢いで作ってたくらいですから(笑)。極端なことを言うと、このアルバムに関しては何が売れていてとか何が流行っていてとか、そういう時代性はどうでもよくってですね。自分がカッコいいと思う音楽を、自分のフィルターを通して徹底して作り上げたものなんですよ。

勉強してきたことを全部吐き出すために作ったアルバム

──「BEAT&LOOSE」リリースに際して、卓偉さんはアルバム用の資料で「15周年記念として制作し、これが自分のリアル1stアルバムだと言える仕上がりになった」と発言しています。では今振り返ってみて、2000年に発表した1stアルバム「NUCLEAR SONIC PUNK」は卓偉さんにとってどういう作品に当たるんでしょう?

中島卓偉

デビューした翌年に出した1stアルバムっていうのはここから始まりますという意味でも、ほかと比べるものがないわけです。そのときの自分が出せるすべてを出し切ろうとがんばったんですけど、今回の“リアル1stアルバム”という表現は……デビューから今までいろいろ勉強してきたことを全部吐き出すために作ったアルバムが「BEAT&LOOSE」だったので、そういう部分が1stアルバムのときと似ていたこともあって“リアル1stアルバム”と表現したんですよ。それが正しい表現なのかはわからないですけど。

──それがたまたま15周年を目前にしたタイミングだったと?

自分はデビュー10周年のときにベストアルバムを出しているから、15周年にはオリジナルアルバムを出したかった。それと2012年はアコースティックアルバムを2枚(「アコギタクイ -記憶再生-」「アコギタクイ -共鳴新動-」)出していたから、次はロックなアルバムを作りたいと強く望んでいたんです。それがたまたま15周年というタイミングだっただけです。

最近ようやく作詞ってものがよくわかってきた

──デビュー15周年を目前にして、最近自身の中で何か変わったことってありますか?

僕はデビュー前からずっと作詞作曲をしてきたんですけど、これだけ詞を書いてきて最近ようやく作詞ってものがよくわかってきたんですよね。

──えっ、今ですか?

中島卓偉

はい。いや、もちろん作詞というものを理解してやっていたつもりなんですけど、最近になって「どうやらこういうことなのかな?」という答えが見えたというか。単に批判するだけのメッセージは誰にでも書けると思うんですけど、ストーリー性を持たせていかに面白くするか、その書き方がだんだんわかってきた気がするんです。

──まさに卓偉さんの言う通りで、このアルバムの歌詞には強い言葉が並んではいるものの、最終的にはクスッと笑ってしまうような要素も盛り込まれていて、エンタテインメントとして成立してるんですよね。

コミック的なおかしさではなくて、もっとこうクレバーな感じというか。洋楽の訳詞を見ててもそうなんですけど、そういう要素がたとえ1%でもにじみ出てるものが好きなんです。メッセージ性だけで押し進めるのは、それはそれで暑苦しいし、かといって笑いだけで歌詞を成立させるのも違う気がして。そのバランスをだんだんとうまくとれるようになった感じはありますね。

ニューアルバム「BEAT&LOOSE」 / 2013年10月2日発売 / 3150円 / UP-FRONT WORKS / zetima / EPCE-5991~2
ニューアルバム「BEAT&LOOSE」
CD収録曲
  1. ゲッザファッカゥッ!!!!
  2. サイトウダイスケ~all good adults go to heaven?~
  3. BEAT&LOOSE
  4. I'VE GOT MY SOUL
  5. さらけだす
  6. 口パク禁止令
  7. 言えよ
  8. 誰もわかってくれない
  9. だけどもう一度 それでももう一度
  10. LOCAL SENSATION
  11. いたわりマシーン
  12. カモン!カモン!
  13. YES, MY WAY
  14. 高円寺
  15. 泣いたままでいい
DVD収録内容

「15周年フライングイベント!まずは振り付けNight!」2013年8月31日(土)at 新宿LOFTライブ映像

ニューシングル「ゲッザファッカゥッ!!!! / 誰もわかってくれない / BEAT&LOOSE」 / 2013年11月6日発売 / UP-FRONT WORKS / zetima
初回限定盤A [CD+DVD] / 1680円 / EPCE-7010~1
初回限定盤B [CD+DVD] / 1680円 / EPCE-7012~3
通常盤 [CD] / 1050円 / EPCE-7014
CD(全仕様共通)
  1. ゲッザファッカゥッ!!!!(Single Ver.)
  2. 誰もわかってくれない(Single Ver.)
  3. BEAT&LOOSE(Single Ver.)
初回限定盤A付属DVD
  1. ゲッザファッカゥッ!!!! (Music Video)
  2. BEAT&LOOSE(Live Ver.)
初回限定盤B付属DVD
  1. 誰もわかってくれない(Music Video)
  2. BEAT&LOOSE(Live Ver.)
中島卓偉(なかじまたくい)

中島卓偉

1978年10月19日生まれ、福岡県出身のロックアーティスト。1999年10月21日、TAKUI名義にてシングル「トライアングル」でデビューを果たす。以後、ライブを主軸に音楽活動を展開。2006年に本名の「中島卓偉」名義に戻し、「3号線」をはじめ数々の楽曲を発表していく。また作家としても、安倍なつみやTHE ポッシボー、小川真奈、真野恵里菜、つんく♂などに楽曲提供。2014年のデビュー15周年を目前に、2013年10月にニューアルバム「BEAT&LOOSE」、11月にシングル「ゲッザファッカゥッ!!!! / 誰もわかってくれない / BEAT&LOOSE」を立て続けにリリースした。