ナタリー PowerPush - MAN WITH A MISSION
メインディッシュてんこ盛り!海外進出目前に放つ初のコンピ盤
今秋にアメリカのメジャーレーベルEpic Recordsからの全米デビューが決定しているMAN WITH A MISSIONが、その“前哨戦”的な1枚として英語詞の楽曲のみで構成されたコンピレーションアルバム「Beef Chicken Pork」をリリースした。本作はオオカミたちの大好物である“メインディッシュ”を詰め込んだボリューム満点の1枚となっており、MAN WITH A MISSIONがインディーズ時代から日本クラウン在籍時までに発表した作品群の中からピックアップされたライブの定番曲に加え、本邦初公開となる「distance」「Get Off of My Way」「NEVER FXXKIN' MIND THE RULES」「DON'T LOSE YOURSELF」の英語バージョンの全12曲を収録。本格的な海外進出が決定した2014年の幕開けを飾るにふさわしい、聴き応えのある作品集に仕上がった。
ライブを意識したかのような選曲、曲順は聴き手を高揚させるには十分なもので、冒頭からCD初収録の英語バージョン2曲(「distance」「Get Off of My Way」)でリスナーを驚かせる。そこからNirvanaの代表曲を大胆にアレンジしたカバー曲「Smells Like Teen Spirit」、ライブの定番曲「FLY AGAIN」と、疾走感あふれるストレートなロックチューンやビートの効いたダンサブルな楽曲が続く。終盤にアコースティックギターの音色が心に沁みるミディアムナンバー「colours」でクールダウンしたあとは、「DON'T LOSE YOURSELF (ENG Ver.)」「TAKE ME HOME」でクライマックスを迎える。アッパーかつリズミカルな楽曲中心に構成されていることもあり、1曲目から最終曲まであっという間に感じてしまうかもしれないが、そんな構成からもMAN WITH A MISSIONならではの強いこだわりが感じられる。
ご存知の通り、MAN WITH A MISSIONは英語と日本語を巧みに使い分けた歌詞と、パンクやラウドロックだけにとどまらないさまざまなジャンルをミックスし、独自の音楽スタイルを確立させてきた。そのユニークな外見からデビュー当初は「イロモノ?」と困惑した音楽ファンも多かったかもしれないが、親しみやすいメロディを持つ楽曲の数々と、ラウドでアグレッシブ、だけど一緒にハッピーな気分になれる圧倒的なライブパフォーマンスを武器に、人気と知名度を拡大させてきた。さらに海外公演も積極的に行っており、メジャーデビュー前の2010年秋には早くもアメリカ公演が実現。2013年にはヨーロッパやアメリカでの海外ライブも成功させている。
このように国内外で着実に地盤を固めてきたMAN WITH A MISSIONが、日本のみならず海外でも作品をリリースするのは自然な流れと言える。現在彼らは1年8カ月ぶりのオリジナルアルバム「Tales of Purefly」のリリースを3月12日に控えており、今回の「Beef Chicken Pork」は海外デビューを前にした予習用の1枚というだけではなく、MAN WITH A MISSIONがこの数年間でどのような進化を遂げてきたのかを手軽に振り返るのに最適な作品集にもなっている。もちろんこれはベストアルバムやシングルコレクションといった類いのアルバムではないが、英語詞のみという選曲から海外進出を視野に入れ活動してきたMAN WITH A MISSIONの強い意志を感じ取ることができるはずだ。
2014年はMAN WITH A MISSIONにとって間違いなく飛躍の1年になるはず。秋の全米デビューまではまだ半年以上もあるが、このコンピレーションアルバムを布石に世界中にオオカミ旋風を巻き起こすことになるのは間違いない。
文 / 西廣智一
MAN WITH A MISSION(まんうぃずあみっしょん)
首から上がオオカミで胴体が人間という“5匹”組ロックバンド。2010年より本格始動し、同年11月に1stミニアルバム「WELCOME TO THE NEW WORLD」を発表する。奇抜なビジュアルとともに、パワフルでエネルギッシュなサウンドが支持を集め、徐々にライブハウスシーンで話題に。2011年4月に2029枚限定シングル「NEVER FXXKIN' MIND THE RULES」を発表し、完売させる。そして2011年6月、日本クラウンよりアルバム「MAN WITH A MISSION」でメジャーデビュー。その後数多くの夏フェスに出演し注目を集め、2012年7月にはフランスで行われた「JAPAN EXPO 2012」に出演する。同月に2ndフルアルバム「MASH UP THE WORLD」を発表。10月には映像作品集「狼大全集(1)」をリリースした。2013年5月に全国ツアー「MAN WITH A MISSION TOUR 2013 ~あなたの街に19ヨツアー 完全版~」の一環で初の日本武道館公演を行い、大成功を収める。同年10月にソニー・ミュージックレコーズ移籍第1弾シングル「database feat. TAKUMA(10-FEET)」をリリースしたほか、初の横浜アリーナ単独ライブを敢行。12月にアメリカのメジャーレーベル・Epic Recordsとの契約を発表し、翌年秋に全米デビュー作を発売することをアナウンスした。2014年2月に初のコンピレーションアルバム「Beef Chicken Pork」をリリース。翌3月には通算3枚目のフルアルバム「Tales of Purefly」の発売を控えている。
- コンピレーションアルバム「Beef Chicken Pork」
- 「Beef Chicken Pork」
- 2014年2月12日発売 / 2500円 / 日本クラウン / CRCP-40362
- Amazon.co.jp
収録曲
- distance (ENG Ver.)
- Get Off of My Way (ENG Ver.)
- HASTA LA VISTA
- Smells Like Teen Spirit
- FLY AGAIN
- Mash UP The DJ!
- Take What U Want
- NEVER FXXKIN' MIND THE RULES (ENG Ver.)
- Bubble of Life
- colours
- DON'T LOSE YOURSELF (ENG Ver.)
- TAKE ME HOME
- ニューアルバム「Tales of Purefly」2014年3月12日発売 / Sony Music Records
- 初回限定盤 [CD+ブックレット] 3360円 / SRCL-8484~5
- 通常盤 [CD] 2835円 / SRCL-8486
収録曲
- tales of purefly
- evils fall
- Wake Myself Again
- database feat.TAKUMA (10-FEET)
- vitamin 64
- higher
- Emotions
- whatever you had said was everything
- When My Devil Rises
- Searching life
- your way
- babylon
- Dancing On The Moon