すごくレベルが高かった

──オーディションで優勝をした今の心境を聞かせていただけますか？

凸Tak凸　ポケカラが始まって初のオーディションだったので、ぜひとも優勝したいという気持ちは正直ありましたね。肩書きとして使えるし、すごくうれしいです。

──ヒダカさんと岡村さんは今回のオーディションを振り返ってみていかがですか？

ヒダカ　さっき凸Tak凸さんもポケカラは歌がうまい人が多いと言っていましたけど、すごくレベルが高かったです。しかも幅広い世代の方が参加していてびっくりしました。凸Tak凸さんくらいの若い方が利用している印象があったんですけど、俺より年上の人が昭和のヒット曲を歌ったりもしていて。

岡村　僕も世代の幅広さを改めて感じました。あと応援するシステムも面白いと思いました。画面上でリスナーが盛り上がってるのがわかるとうれしいですもんね。もっとがんばろうという気持ちにもなるし。

──そんな幅広い年代の歌の上手な人たちが参加した中で、凸Tak凸さんが優勝したポイントは？

ヒダカ　カラオケ慣れしていることと、人に聴かせることって全然違うんですね。悪く言うとカラオケの歌い方ってある意味ナルシスティックな行為なんですけど、凸Tak凸さんのうまさはそことは違って、ちゃんと己の声のプレゼンをしている感じがしました。この声質だからこの音域が気持ちいいとわかってやっている感じ。うすうすプロの方なんじゃないかと疑ってたんですけど、看護学生と聞いてびっくりしました。

岡村　カラオケを否定するわけじゃないし、歌っていて自分が楽しいというのはもちろん大事なんですけど、人に聴かせるとなるとその先を意識しないといけないんですよね。あと、優勝特典でオリジナル曲の贈呈があると考えたときに、凸Tak凸さんのオリジナル曲を聴いてみたいと思えたのも大きな理由ですね。

──そのオリジナル楽曲の方向性を決める面談は今後岡村さんがやられるんですよね。なのでこのインタビューでは、もしヒダカさんが凸Tak凸さんをプロデュースするとしたらどうアドバイスするかお聞かせいただけますか？

ヒダカ　決勝で歌った神サイもそうだし、EveとかYOASOBIとかネット発のエモいロックバンドが今は多いので、そういうのを歌ってほしいですね。ロックバンドのテイストなんだけど、打ち込みの要素も入っていて、しかもそれを英語で歌ってみてほしい。凸Tak凸さんの歌声は英語でも合うと思うんだけど、普段洋楽を歌ったりしますか？

凸Tak凸　あまりないですけど、耳コピでなんとなく歌うくらいはやったことはあります。アデルの「Hello」とか。

ヒダカ　めちゃめちゃ難しい曲ですね。そういうのも聴いてみたいです。

カラオケ的なうまさだと二度と聴いてもらえない

──凸Tak凸さんは、プロデューサー面談やオリジナル楽曲の提供以外に楽しみにしている優勝特典はありますか？

凸Tak凸　全部楽しみなんですけど、ボイトレが気になりますね。ポケカラユーザーの中にもボイストレーナーの方がいらっしゃって、家でできる簡単なトレーニングを教えてもらったり、実際に僕が歌ってみてアドバイスをいただいたりしたことはあるんですけど。

ヒダカ　万単位のフォロワーがいる方はボイトレとか自主的にやってるんですか？

凸Tak凸　皆さん意識が高いのでやっていますね。今からポケカラを始めてフォロワーを付けようと思ったら、ただうまいだけじゃ難しくて、磨きをかけた何かがないとフォロワーが増えていかないんです。すでに万単位でフォロワーがいる方も、自分の持ち味はなんだろうって常に考えていると思います。

ヒダカ　下手なバンドマンよりがんばってますね（笑）。バンドマンって「俺の生き様ごと見てくれ」みたいなところで済ませちゃう人もいるし。

凸Tak凸　ポケカラはルーム機能を使えば話をして自分のキャラクターを伝えることもできますけど、基本的に自分が歌う曲に対してフォロワーが付いてくれるかどうかなので。カラオケ的なうまさだと1回は聴いてもらえても、その次はないという意識はありますね。

ヒダカ　俺も家帰ったらボイトレしよう（笑）。

岡村　凸Tak凸さんは今後こうなりたいっていう目標はあるんですか？

凸Tak凸　けっこう大きい会場でリアルなライブをしたいです。趣味でやってるのにこんなに人を集められるんだぞ、みたいな。

ヒダカ　確かに凸Tak凸さんのようなポケカラのインフルエンサーがライブをやったらZeppくらい埋まりそうな気がするよね。それこそネット発のアーティストで言うと、まふまふさんは東京ドーム公演のチケットを売り切っちゃったし。

凸Tak凸　まふまふさんは本当にすごいと思いますね。

岡村　アプリを通して聴いてくれる人がたくさんいても、やっぱり人前で歌いたい思いはあるんですね。

凸Tak凸　そういう人はけっこう多いと思いますね。ポケカラでフォロワー数が1万人超えている人たちは、自分たちで小さいライブハウスを借りてやったりもしてるので。

ヒダカ　そういう人たちは顔出しするんですか？

凸Tak凸　普段はしていないけど、ライブのときはOKという人が多いですね。

ヒダカ　もし「プロにならないか」というオファーがあったらどうします？

凸Tak凸　え……うれしいですけど、「看護師として5年は働かせてください」って答えると思います。

ヒダカ　看護師をやりながらでもOKという条件だったら？

凸Tak凸　でも両立するのってけっこう難しくないですか？

ヒダカ　どういう形で活動をするかにもよるけど、今は昔より可能性は広がっているんじゃないかな。GReeeeNが切り開いた歴史もあるし。

凸Tak凸　確かにGReeeeNの皆さんは歯科医師をされながら顔出ししないで活動されてますね。そう考えるといけるかもしれないですね。

ヒダカ　我々の知り合いのミュージシャンも、けっして専業のミュージシャンだけではないので。

岡村　サラリーマンをやりながら週末だけミュージシャンとして活動してる人も多いですよね。僕たちがプロデューサーとして参加しているMUSIC PLANETにも仕事をしながら歌手活動をされている方が本当に多いんです。今の時代、ネットがあればいくらでもチャンスは広がりますし。歌が好きな人はぜひもう一歩深く音楽に携わってほしいと思います。

ヒダカ　この記事を読んでいるレコード会社の人は、まずポケカラで凸Tak凸さんをチェックしてみてください（笑）。