ナタリー PowerPush - MONOBRIGHT
桃野陽介&ヒダカトオル 直接対談で語る「2年間の蜜月」
ウチらが狙うのは三枚目の路線
──「銀魂」の主題歌って、ロックバンドにとってはいい意味でのチャンスなんですよね。いろんなバンドが、そのバンドなりの切り口でアニメを解釈して自分たちの音楽を作っている。
ヒダカ DOESの和の感じも、すごいハマってたしね。周りのバンドを見てもそう思う。それぞれのバンドの持ち味がちゃんと出てる。
桃野 そうなんですよね。で、やっぱり「銀魂」には和とか侍のイメージが最初に受ける印象としてあるので、エッジの効いたロックサウンドは浮かびやすいと思うんですよ。でも、MONOBRIGHTが提示する「銀魂」像は、あえて他のバンドとは違う角度にしようと思って。「銀魂」って、ギャグマンガだし三枚目の要素が強いと思うんですよね。でも、そういう路線を狙ってる人はホントに少なくて。だからウチらが狙うのは三枚目の路線だな、って思いました。
──なるほど。いい意味でDOESにはできない切り口だ、という。
ヒダカ そうです。やっぱりDOESにギャグやられるとちょっと困るしね(笑)。
曲を届けるまでの流れも大事にできた
──ここからはMONOBRIGHTとヒダカさんの2年間を振り返っての話も訊いていければと思います。まず、2年間でMONOBRIGHTというバンドはどう変化したと思います?
桃野 こないだのアルバム「新造ライヴレーションズ」は構想1年、制作2日というアルバムだったんですけれど、その構想の中ですごく成長できた部分がいっぱいあって。そこが一番大きいですね。特に、楽曲への思いやりっていうのがデカかったと思います。
ヒダカ 思いやり?
桃野 元々曲を作るのは大好きだったんですけど、その曲をどう聴いてほしいかまでは考えてなかったんです。自分の思いを音楽に詰めることはできても、それがどう伝わってるかっていうのはあんまり気にしてなかったっていうのがあって。そこに気付けたというのが、曲への思いやりということですね。
──「ACME」のときはどうだったんでしょう?
ヒダカ あのときはね、俺が入った時点で半分ぐらいの曲が上がってたし、客観的に俺が判断してる時間もなかったんだよね。
桃野 そうそう。でも、今回は曲作りとかアレンジの段階からヒダカさんがMONOBRIGHTを客観的に見て関わって。「お客さんはどう見てるのか?」っていうようなことを1曲1曲考えてやったんですよ。
ヒダカ 例えば、Bメロの後にもう一度サビが来るのがいいのか、それともソロや間奏が来たほうが気持ちいいのか、みたいな。俺はいい意味で部外者なので、そういうことをなんでも言えるんですよね。そういう調節をすごい細かくやって。そもそも「新造ライヴレーションズ」って、まず30~40曲作って、その中でライブ映えする曲を優先的に選んで作ったアルバムなので。メンバー自身もこんなに客観的に曲を捉えたのは多分初めてだったよね?
桃野 そうですね。「ACME」まではそういう余裕はなくて。今回は1曲1曲に考える時間をすごく使ったんで、曲に対しての愛情がどんどん湧いてきて。それを届けるまでの流れも大事にできたなというのがありますね。
自分の身体を知ることで、より歌えるようになった
──ニコニコ生放送でアコースティックライブの中継をしたときに「2年前に比べて歌がうまくなった」というコメントがあったんですよ。それが印象的だったんですが。
桃野 歌、うまくなりました?
──声量の大きさと、その響きが以前とはかなり違っているなと思いました。
桃野 これは、ヒダカさんから紹介してもらったボイストレーニングをやってた、っていうのはありますね。元々「ACME」のツアーの頃にも、ヒダカさんに「腹から声出せ」って言われていて。で、「出してんのにな」と思ってたんですけど、やっぱり声には出し方というものがあるんですよね。
ヒダカ それで、(佐藤)涼子先生という、最近本も出されたボイトレの先生に教えてもらおうということになって。
桃野 あれは大きかったですね。それで、教えてもらったトレーニングというのが……。
ヒダカ いや、ここから先は本を買っていただかないと(笑)。
桃野 アッハッハ(笑)。要は、いろいろ学んで、自分の身体を知れたっていうことなんですよ。自分の身体を知ることで、より歌えるようになったんだなっていう。
ヒダカ そうだね。あの体験がなかったら「ムーンウォーク」の“ささきいさお唱法”はできなかったと思う。
桃野 そうですね。真似事になっちゃったと思います。
- ニューシングル「ムーンウォーク」/ 2012年11月7日発売 / DefSTAR Records
- 銀さん盤(DVD付き初回限定盤) [CD+DVD] / 1500円 / DFCL-1948~1949 / Amazon.co.jpへ
- 金さん盤(フルヴォリューム盤)[CD] / 1100円 / DFCL-1950 /※写真は初回仕様ジャケット / Amazon.co.jpへ
銀さん盤(DVD付き初回限定盤)CD収録曲
- ムーンウォーク
- 旅立ちと少年3(スタジオREC ver.)
- アンチ・ヴァイオレント・セクシー
- FUNKTOPIA(instrumental)
- ムーンウォーク(less vocal)
銀さん盤(DVD付き初回限定盤)DVD収録内容
- 「ムーンウォーク」ライブ映像(8/14@新代田FEVER)
- 「旅立ちと少年3」ライブ映像(8/14@新代田FEVER)
- 「ハートビート」ビデオクリップ
金さん盤(フルヴォリューム盤)CD収録曲
- ムーンウォーク
- 旅立ちと少年3(スタジオREC ver.)
- LET IT RIDE
- ムーンウォーク(LIVE ver.@新代田FEVER)
- ムーンウォーク(less vocal)
LIVE TOUR 2012
「新造ライヴレーションズ・ツアー」
2012年11月8日(木)
愛知県 池下UP SET
OPEN 18:30 / START 19:00
2012年11月10日(土)
福岡県 福岡DRUM SON
OPEN 17:30 / START 18:00
2012年11月11日(日)
熊本県 熊本DRUM Be-9 V3
OPEN 17:30 / START 18:00
2012年11月13日(火)
香川県 高松DIME
OPEN 18:30 / START 19:00
2012年11月14日(水)
岡山県 岡山IMAGE
OPEN 18:30 / START 19:00
2012年11月16日(金)
大阪府 心斎橋Music Club JANUS
OPEN 18:15 / START 19:00
2012年11月18日(日)
新潟県 新潟CLUB RIVERST
OPEN 17:30 / START 18:00
2012年11月21日(水)
宮城県 仙台enn 2nd
OPEN 18:30 / START 19:00
2012年11月23日(金・祝)
北海道 Sound Lab mole
OPEN 17:30 / START 18:00
2012年11月25日(日)
岩手県 盛岡club change
OPEN 17:30 / START 18:00
2012年11月28日(水)
東京都 新代田FEVER
OPEN 18:30 / START 19:00
2012年11月29日(木)
東京都 新代田FEVER
OPEN 18:30 / START 19:00
MONOBRIGHT(ものぶらいと)
2006年、桃野陽介(Vo, G)、松下省伍(G)、出口博之(B)、瀧谷翼(Dr)の4人で結成し、2007年7月にシングル「未完成ライオット」でメジャーデビュー。2010年2月に「DO10!!攻約宣言!」と題し、10項目に及ぶライブ&リリースプランを公約として発表。同年11月には新メンバーとしてヒダカトオル(Vo, G, Key / ex. BEAT CRUSADERS)が加入した。2011年5月に、5人体制で初のフルアルバム「ACME」をリリース。2012年10月にはライブレコーディングで制作したニューアルバム「新造ライヴレーションズ」をリリースするが、その直後にヒダカの脱退を発表。同年11月、5人体制で最後の音源となるニューシングル「ムーンウォーク」を発売。