ナタリー PowerPush - ももいろクローバーZ
ニューシングル徹底解剖 感動の国立ライブを振り返る
青年館のポーズとふざけた踊り
──国立競技場ライブでは「泣いてもいいんだよ」の初披露まで、デビュー曲「ももいろパンチ」からシングル曲を順にやっていきましたよね。そうやって過去を振り返ったのは、やはり国立競技場でのライブが1つの区切りという気持ちがあったからでしょうか?
玉井 区切りというよりは“夢が叶う瞬間”みたいな。スタンス的にはいつも通りがんばるっていうだけだから何も変わらずで。ただ、会場がずっと目標にしてた場所だったっていう感じです。
佐々木 そんなに特に国立だから!っていう感じではなかったよね。
──2日目の聖火台からの登場シーンは、2011年12月の日本青年館ライブ(ももクロ初のホール単独ライブ「ももいろクリスマス in 日本青年館~脱皮:DAPPI~」)の学ラン風衣装での登場シーンと同じポーズで出てきたんですよね。
有安 うん、そうですね。
──どうしてそのポーズで登場しようと思ったんですか?
百田 あれはレッスン中にそうしようってことになって。
玉井 みんなでポーズを「こうかな? こうかな?」ってやってたら……。
百田 そう。「杏果、下じゃない?」みたいなこと言ってたら「あれ? これ青年館と一緒じゃない? じゃあ全員一緒にしようよ!」って。
──念願だった国立競技場ライブの登場ポーズが、ももクロにとって初のホール単独公演となった日本青年館と同じだったのは感動的でした。しかも日本青年館は聖火台からもすぐそばに見えるわけで。
玉井 そうそう。でもそれは何気なく考えたものがスタートだったんです。
──そして、そんな感動的でカッコいい登場の仕方をしておきながら、そのあとすぐに皆さんはヘンテコな踊りをし始めます(笑)。ちょっとクネクネしながら左右交互に手を前に出し続けるという。このタイミングでふざけているのがももクロらしくてカッコいいなと思って観ていました。
百田 あれはもう完全にふざけてたよね!(笑)
佐々木 そうなんです。真面目にいくかって話も最初はあったんですけど。
有安 リハでふざけてやってたら「これいいじゃん!」ってことになって(笑)。
玉井 1日目は聖火を点けるっていうパフォーマンスがあったから、段取りとか動きも決まってたんですけど、2日目は聖火がもう点いている状態だったから。
佐々木 何もやることがなかったんだよね(笑)。
高城 じゃあなんかしようってことになって。
玉井 自分たちで作っちゃった(笑)。
佐々木 でもお客さんもあのふざけた動きで、緊張してた気分がほどけたかなって思うからよかったかなって。
「ももパン」の曲と衣装が喜んでた
──今回は演出面でも皆さんの意見が取り入れられたそうですね。
百田 そうですね。
玉井 わりと初期段階から打ち合わせに参加してました。
高城 「セットリストも自分たちの意見があったら変えていいよ」って。
──前半のシングルをたどる流れは皆さんの提案ですか?
佐々木 ここは最初から決まってたよね。
百田 でもここはいじろうとも思わなかった。「セットリストをいじっていいよ」って言われても、1曲目から13曲目はもう絶対にいじるところじゃないなって思って。
玉井 満場一致でしたね。
──過去のシングル曲を国立競技場でやってみた印象は?
百田 曲が喜んでました。まさか「ももパン(ももいろパンチ)」も国立で歌ってくれるって思ってないと思うんですよ。だからいつも以上にウキウキした感じで。あとね、「ももパン」は衣装も喜んでたんです。ヤマダ電機さんでライブをやってたときと同じ衣装で国立のステージに立てたから、みんなで「衣装も喜んでるね」とか言ってたんです。
玉井 でもホント、昔いっぱい歌ってた曲が、今、国立に鳴り響いてるって考えるとすごいうれしいなと思って。ラジカセから音を出して歌ってた曲が、日本を代表するような場所に響きわたってると思うとなんか不思議な感覚でした。
──そして「泣いてもいいんだよ」までの13曲を歌い終わって、その次の曲は1日目が「DNA狂詩曲」、2日目が「Neo STARGATE」でした。どちらも力強く次に進んでいく曲で。
百田 うん。あそこで区切りを付けた感じですね。「もう振り返んねーぞ!」みたいな。
佐々木 ホントにそう思ったよね。「泣いてもいいんだよ」までの13曲とはもう全然別ものって感じでした。ちょうど時間的にも日が落ちて暗くなってきて。
玉井 まあ新曲まで歌っておいて、あそこからさらに振り返るのも難しいけどね(笑)。ネオスタやってるときは「あれ、なんか自分カッコいいかも」って初めてライブで思っちゃった(笑)。
高城 思った! すごい思った! なんか無敵だと思った。どんな奴が来ても勝てると思った。最強だなあたしって。
百田 “あたし”って!(笑)
佐々木 “うちら”ではないんだ!(笑)
高城 いや、うちら!(笑)
- ニューシングル「泣いてもいいんだよ」 / 2014年5月8日発売 / EVIL LINE RECORDS
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1749円 / KICM-91515
- 通常盤 [CD] / 1234円 / KICM-1516
初回限定盤 CD収録曲
- 泣いてもいいんだよ
- 堂々平和宣言
- 泣いてもいいんだよ(off vocal ver.)
- 堂々平和宣言(off vocal ver.)
初回限定盤 DVD収録内容
- 泣いてもいいんだよ (PV)
通常盤 CD収録曲
- 泣いてもいいんだよ
- 堂々平和宣言
- My Dear Fellow
- 泣いてもいいんだよ(off vocal ver.)
- 堂々平和宣言(off vocal ver.)
- My Dear Fellow(off vocal ver.)
ももいろクローバーZ(モモイロクローバーゼット)
百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、有安杏果、高城れにの5人からなるアイドルグループ。2008年に「ももいろクローバー」として結成。「週末ヒロイン」「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズのもと全国津々浦々でライブ活動を行い、2009年7月には1stシングル「ももいろパンチ」をリリース。2010年5月にはシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。 2011年4月に行われた中野サンプラザ公演を最後に、メンバーの早見あかりがグループを脱退。このライブ終了直後に「ももいろクローバーZ」へ改名し、5人編成での活動をスタートさせた。
2011年7月にはももいろクローバーZ改名後初のシングル「Z伝説 ~終わりなき革命~」「D'の純情」を発表。同年7月に発売された1stアルバム「バトル アンド ロマンス」は、全日本CDショップ店員組合が選出する「第4回CDショップ大賞」で大賞を受賞し、2012年にはグループ結成当初から目標としていた「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。2013年4月には2ndアルバム「5TH DIMENSION」をリリースし、オリコン週間ランキングで初登場1位を獲得。2014年3月には女性グループとして初となる東京・国立競技場での単独ライブを成功させた。2014年5月8日には中島みゆき作詞作曲による11thシングル「泣いてもいいんだよ」をリリース。