ナタリー PowerPush - ももいろクローバーZ
「GOUNN」から探るももクロの変化
ジャンルが違う人と接するほうが成長する
──「GOUNN」は、ももクロの楽曲ではおなじみのNARASAKIさんをはじめとして、OKAMOTO'Sのハマ・オカモトさん、凛として時雨のピエール中野さん、ASA-CHANGさんが演奏で参加していたり、またカップリングでは「いつか君が」をmiwaさんが、「ももいろ太鼓どどんが節」を怒髪天が提供していて、音楽ファンの間でも大きな話題となっています。さまざまなアーティストが自分たちの音楽に関わっていることについてはどう思いますか?
玉井 怒髪天の増子さんは前から私たちに曲を作りたいっておっしゃってくださっていたので、今度の曲を怒髪天さんが作ってくださったって聞いたときは「来たー!」って感じでした(笑)。
高城 ライブで歌っててもすごい楽しいし、私のパートから始まる曲だから、「よしやるぞ!」って気合いが入る曲です。
百田 いろんな方が私たちの知らないところで私たちのことを面白がってくれてるというのはとてもありがたいなと思います。例えば「NARASAKIさんが弾いてる」っていうことがたまらないという人たちもたくさんいるわけじゃないですか。そういう人たちも聴いてくれているんだということをNARASAKIさんとやってみて感じたりして。ももクロとは世代が違ったりとか、普段あまり接することがなかったりする皆さんと一緒にやらせていただくと、びっくりすることがあったり、いろんな方に声をかけていただいたりもするのでそれはとてもうれしいです。
高城 刺激を受けるよね。やっぱりジャンルが違う人と接するほうが成長するんじゃないかなって思うし。
玉井 ロックファンの方がももクロを好きになってくださったりとか、いろんなジャンルの方が私たちに興味を持ってくれることは、すごいうれしいなって思います。私たちが“ももクロ”っていう1つのジャンルだと思ってやっていることがロックとつながっていたりとか、ほかの世界から興味を持ってくださって、私たちと一緒にやりたいって言ってくれる人がいるのがうれしい。
百田 そういうことがきっかけでいろんなイベントに出てたりもするよね。
観せなきゃいけないレベルはどんどん高くなってる
──特に今年は「OZZFEST JAPAN 2013」に出演したことが大きな話題になったり、「SUMMER SONIC 2013」や「氣志團万博2013」など、さまざまなアーティストが集まる音楽フェスの中でのももクロの存在感も大きくなってきていると思います。そのような場所でのパフォーマンスの経験が増えてきたことで、何か変化はありますか?
佐々木 オズフェスやサマソニなどのフェスに出演させていただくときに、前までは「ちょっと目を引いてもらいたい」と思ったり、わざと面白いことや突飛なことをしたりもしていたんですけど、最近はそうじゃなくて「いつものももクロを観てもらいたい」って思うようになってきて。だから特別に変わったことをするのではなくて、わざと5人の5色の色がはっきりと分かれた衣装を着たりとかして、ももクロとしてのライブを観てもらいたいなっていうことを思うようになりました。
百田 今まではどこに行ってもどアウェイだったんですよ。みんなももクロを知らないから、私たちも「お客さんはみんな知らないんだ」っていう前提で、「観せてやろうじゃないか!」みたいな気持ちでいってたんです。「やってやろうじゃんか!」みたいな。でも今は「名前だけは知ってる」とか「ももクロってこういうものだ」っていうことをだいたいわかって観てくれているのを感じるから、今までよりは難しいっていうか。アウェイだったら、ただ「観せてやるよ!」って言って、お客さんに「面白いな」って感じてほしいと思ってたんですけど、今は知ってもらっているぶん、変に転ぶと「あ、ももクロってこんなもんか」って思われちゃうかもしれない。もちろんいつでもちゃんとやらなきゃって思ってやっているんですけど、今はこれまで以上にちゃんとしなきゃって。そういう意味で考え方はちょっと変わりましたね。
玉井 あと今年のサマソニは、私たちの出番がその日のMOUNTAIN STAGEの(OPENING ACTを除く)一番手だったんです。そのときに入場規制がかかって、スタッフさんから「サマソニで一番手のアーティストに入場制限がかかることは珍しい」っていう話を聞いて。ももクロのファンの人以外でも「ここでももクロを観てみたい」って思ってくれてる人がすごいいっぱいいてくれたということがとてもうれしくて、そのぶん「期待していただいている以上のものを観せなきゃいけない」って気合いが入りました。なのでハードルというか、観せなきゃいけないレベルはどんどん高くなってるって思います。
気付いたときにツッコんで!
──最近のライブを観ていると、パフォーマンス面だけではなくトークの部分についても変化を感じることがあって。以前のももクロは佐々木さんがMC担当としてトークをまとめていましたが、最近はトークもフリースタイルというか、全員でどんどん回すようになっていますよね。「MC担当があーりん」というような役割がなくなってきていたりするのでしょうか?
百田 確かに。
玉井 確かにあーりんがMC担当だったよね。
高城 だったね。
有安 うん。
佐々木 最近そうなんですよ。私がまとめるというより、むしろいじられるほうが多くなってきてるっていうのはあると思います。
玉井 確かにそういう役割みたいなものを意識しなくなったかな。型にはまらなくなったというか。
高城 なんかもう「気付いたときにツッコんで!」みたいな(笑)。
玉井 高城さんはこないだの和歌山でのライブのときにも、事前に決めておいたトークの順番をトチっちゃったりしてるんで(笑)。「ここじゃない!」ってときにいきなり和歌山の説明をし始めたのでびっくりしたんです。「おい、ちょっと待て!」と。
高城 ちょっとトチっちゃったね(笑)。
百田 だからもう、誰がというのではなくて「気付いたときにツッコんで!」ですよ(笑)。
佐々木 でも、そうやって誰かが予定外のことを言っちゃったとしても、何も会話をしなくてもみんなが「じゃあこうしよう」って思うことはだいたい一緒だなっていう安心感みたいなものはある。だいたい一緒だよね、考えてること。
百田 うん。だからこそ、予定外が一番面白いんです。ライブでも、告知とかこれは言わないといけないっていうところ以外は話すことはほとんど何も決めないでいくんですよ。で、そのとき思ったこととか感じたことをただしゃべるだけで。
玉井 前は、このMCでこのことについて話すっていうことが決まってないと不安で仕方なかったんですけどね。
百田 最近それすら決まってない。
玉井 話すテーマすら決まってなくって。
高城 前は全部フリートークなんて、なかなかやったことなかったよね。
百田 今はそういうフリートークでファンの人がすごい笑ってくれるのがうれしい。
玉井 結局、楽屋でしゃべってることとステージでしゃべってることが変わらなくって(笑)。
百田 だって、こないだのライブでやった野球拳だって前の日にごはんを食べてるときにやってたんだから(笑)。
- ニューシングル「GOUNN」 / 2013年11月6日発売 / スターチャイルド
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1700円 / KICM-91467
- 通常盤 [CD] / 1200円 / KICM-1467
初回限定盤 CD収録曲
- GOUNN
- いつか君が
- GOUNN(off vocal ver.)
- いつか君が(off vocal ver.)
初回限定盤 DVD収録内容
- GOUNN MUSIC VIDEO
通常盤 CD収録曲
- GOUNN
- いつか君が
- ももいろ太鼓どどんが節
- GOUNN(off vocal ver.)
- いつか君が(off vocal ver.)
- ももいろ太鼓どどんが節(off vocal ver.)
ももいろクローバーZ(ももいろくろーばーぜっと)
百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、有安杏果、高城れにの5人からなるアイドルグループ。2008年に「ももいろクローバー」として結成。「週末ヒロイン」「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズのもと全国津々浦々でライブ活動を行い、2009年7月には1stシングル「ももいろパンチ」をリリース。2010年5月にはシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。 2011年4月に行われた中野サンプラザ公演を最後に、メンバーの早見あかりがグループを脱退。このライブ終了直後に「ももいろクローバーZ」へ改名し、5人編成での活動をスタートさせた。
2011年7月にはももいろクローバーZ改名後初のシングル「Z伝説 ~終わりなき革命~」「D'の純情」を発表。同年7月に発売された1stアルバム「バトル アンド ロマンス」は、全日本CDショップ店員組合が選出する「第4回CDショップ大賞」で大賞を受賞し、2012年にはグループ結成当初から目標としていた「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。2013年4月には2ndアルバム「5TH DIMENSION」をリリースし、オリコン週間ランキングで初登場1位を獲得。11月6日には10thシングル「GOUNN」をリリース。