ナタリー PowerPush - 雅-MIYAVI-
プロデューサー亀田誠治と手加減なしの“侍”対談
美雨ちゃんの声が聴こえた
──そして刺激的なセッションが続いたあとに「祈りを」がラストを飾るわけですが。
雅-MIYAVI- 「祈り」っていうテーマは最初からあって、アルバムを作り始めた頃から歌いたい言葉もぽつぽつと浮かんで。この曲を作ってるときに頭の中で(坂本)美雨ちゃんの声が聴こえたんです。声のオーロラが空から降ってくるみたいなイメージ。本人には直接メールでオファーしました。
亀田 2人は今年の8月に「脱原発世界会議」で共演してるんですよね。そのときの音を聴かせてもらってて、僕も美雨ちゃんとはつながりがあるけど雅-MIYAVI-本人から言ってもらったほうがいいかなと思って。そしたら一発で「やるやるー」返事があった。
雅-MIYAVI- まあ、それまで男臭かったし(笑)。やっぱねえ、皆、抱きしめられたいんですよね。最終的には愛なんだっていうとあれですけど。
亀田 包容だね。
雅-MIYAVI- あとは師匠の豊満なベースが聴きどころかな(笑)。
亀田 あはははは(笑)。
雅-MIYAVI- この曲で伝えたかったのは、「赦し」であったり「気付き」であったり。夜明け前のふわーっとする柔らかいサウンドと、全てを浄化するようなイメージを最後に持ってきたかった。美雨ちゃんの声もそうだけど、亀田さんの包容力のあるベースがなかったら成立しなかったので、最後に必要なピースがハマったなって思います。
侍求む
──少々気が早いんですが、「SAMURAI SESSIONS vol.2」にも期待がかかります。
雅-MIYAVI- 具体的にいつ出すとは決まってないけど、構想は練っています。ライフワークとしてやりたいなと。だってめっちゃ楽しかったもんね!(笑) 日本にも素晴らしいアーティストがたくさんいるわけじゃないですか。海の外にはもっともっといるだろうし。海外に行くと、各地で「こういうアーティストいるよ」「一緒にやろうよ」って声をかけられるし、多分死ぬまでこのプロジェクトは続けると思う。
亀田 まず「vol.1」が出たっていうことが大きいと思うんですね。この証があるんで、「SAMURAI SESSIONS」っていう土俵で戦いたいって思うアーティストの人も出てくると思う。
雅-MIYAVI- 向こうから逆オファーがあるかもしれないし。
亀田 「侍求む」ってところですね。
雅-MIYAVI- それでね、ゆくゆくは「SAMURAI SESSIONS」のイベントもしたい。
亀田 「ミヤフェス」だね。
雅-MIYAVI- 例えば政治だったらディベート、格闘技だったらリングがちゃんとあって、ダンスはダンスバトルがあって、だけど音楽はなかなか「ぶつかり合える」場がないなと思ってて。別にフェスとかでなくてもいいんだけど、フィジカルにアーティストが音をぶつけ合う場を作りたいんですよね。「SAMURAI SESSIONS」がその火種になればいいなと思っています。
- ニューアルバム「SAMURAI SESSIONS vol.1」 / 2012年11月14日発売 / EMI Music Japan
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3200円 / TOCT-29086
- 通常盤 [CD] / 1800円 / TOCT-29087
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収録曲
- MIYAVI vs HIFANA “GANRYU”
- MIYAVI vs KREVA “STRONG”
- MIYAVI vs YUKSEK “DAY 1”
- MIYAVI vs TAKESHI HOSOMI “SILENT ANGER”
- MIYAVI vs H ZETT M “PLEASURE!”
- MIYAVI vs HIROMITSU AGATSUMA vs JIN OKI “HA NA BI”
- MIYAVI vs SEIJI KAMEDA vs MIU SAKAMOTO “祈りを”
雅-MIYAVI-(みやゔぃ)
1981年大阪府出身のソロアーティスト / ギタリスト。エレクトリックギターをピックを使わずに全て指で弾くという、独自のスラップ奏法でギタリストとして世界中から注目を集めている。これまでに北米、南米、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど約30カ国で200公演以上のライブを行い、3度のワールドツアーを成功させている。2010年10月リリースの最新アルバム「WHAT'S MY NAME?」では、ギターとドラムのみの編成でロック、ファンク、ヒップホップ、ダンスなどジャンルを超越したオリジナルなサウンドを確立。さらに2011年10月からさまざまなジャンルの”サムライアーティスト”とのコラボレーション企画「SAMURAI SESSION WORLD SERIES」を始動。2012年11月にその集大成となるアルバム「SAMURAI SESSIONS vol.1」をリリース。近年は他のアーティストやクリエイターからも高い評価を受けており、UNIQLO、東芝、日産自動車、ロッテ、大塚製薬のCMへの楽曲提供や、布袋寅泰、野宮真貴、GOOD CHARLOTTEらの作品への参加など、精力的な活動を続けている。
亀田誠治(かめだせいじ)
1964年アメリカ・ニューヨーク生まれ。1989年に音楽プロデューサーおよびベーシストとしての活動を始める。これまでに椎名林檎、平井堅、スピッツ、Do As Infinity、スガシカオ、アンジェラ・アキ、JUJU、秦基博、いきものがかり、チャットモンチー、エレファントカシマシ、WEAVER、植村花菜、ハナエ、MIYAVI VS KREVAなど数多くのアーティストのプロデュースやアレンジを手がける。また2004年夏に椎名林檎らと東京事変を結成し、数多くのヒット曲を発表。2012年閏日に惜しまれつつも解散する。2007年には「第49回日本レコード大賞」で編曲賞を受賞。2009年には自身初の主催イベント「亀の恩返し」を日本武道館にて開催した。