「マッスルメモリーズ」ついに始動!?

──「passage,」はサウンド作りにも密に関わっているとのことなので、具体的に聞かせてください。アクセントになっている水滴の音や、最後リバーブ（残響音）を完全になくした宮野さんの声のみで終わるところなど、そういった細かいアイデアもSTYさんと一緒に？

はい。全体のトーンとして「ミディアムテンポで自分の言葉をやわらかく語るように」という抽象的なところから、「どういうテンポで行く？」「2コーラス目はサビに行かずにそのまま間奏に行こう」「最後はどうする？」といった具体的なところまで、1カ所ずつ話し合いながら進めていきました。歌詞も「だったらもっとこうしたほうがいいんじゃない？」とかアドバイスをいただきました。

──ブラックミュージック、R&BサウンドをJ-POPのバラードに正しく変換することに心血を注いでいるような、強いこだわりを感じました。ものすごく緻密に作り込んでいますよね。

ありがとうございます。STYさんがこれでもかってぐらいフェイクを入れるので（笑）、大変でしたけど、結果的にすごく満足のいく楽曲ができました。それに、フェイクを入れてくださることで、自分にとっても新しい発見や勉強にもなっているんです。

──この曲も武道館でどう鳴るのか楽しみですね。

そうですね。ライブではどうなるのか、僕も楽しみです。

──ブログでアルバム情報が発表された際には、STYさんとのユニット「マッスルメモリーズ」がついに始動、という話もありましたけど（笑）。

あははは（笑）。あれはもともとブログの写真で登場したときに、最初は「男子時代」って名乗っていたんです（笑）。ゆくゆくは何かできたらいいなっていう淡い希望も乗せながら話していたんですけど、その希望が「passage,」で少し叶って、とてもうれしいですね。このユニットは、STYさんと僕と、もう1人がフランス人のエンジニアというのがミソなんです。見た目にはエンジニアが一番目立ってるっていう（笑）。

──「passage,」が完成したことで、マッスルメモリーズ単体での活動も期待していいんじゃないでしょうか。

ぜひ先につなげたいですね（笑）。

“アルバム”のルーツはMDに詰め込んだ自作の「ゆず盤」

──コンセプトや楽曲のバリエーションなど、今作はアルバムとしてすごくバランスの取れた“ザ・アルバム”みたいなアルバムだなという印象なんですけど、宮野さんにとっての「アルバム」のルーツってなんなんでしょう？

なんでしょう……中学生の頃はゆずさんが大好きで、ゆずさんのアルバムばっかり聴いていました。でもアルバムという形態についての思い出だと……当時はゆずさんの曲をMDに入れて持ち歩いてたので、MDだと曲がめっちゃ入るんですよね（笑）。

──ああ、確かに（笑）。74分とかだとものすごい曲数になりますね。

そうなんです。74分の倍で録音できるモードだと、ものすごい曲数が入るんですよね（笑）。大量に曲を詰め込んだ自分だけの「ゆず盤」を作るのが好きでした。

──自分なりのこだわりの曲順で、自分だけのアルバムを作ったりしましたよね。あの楽しかった自分だけのアルバム制作を、自分の曲で、自分の思うままに作れるアーティストがうらやましいなーと思うことはよくあります（笑）。

曲順はこだわって考えました。どうすればみんなに喜んでもらえるのか、どう並べたら自分の思いが一番伝わるのか、それは曲順で決まるところも大きいと思うので。

──アルバムも無事完成して、気持ちはもう武道館に向けてスイッチが入っていると思いますが、どのようなステージになるかはもう見えてきましたか？

はい。今はリハーサルが始まったところです。

──「PASSAGE」を軸にしつつも、これまでの音楽活動のすべてを盛り込んだ内容になるのではないかと予想しているのですが。

もちろん、5年間の集大成と言えるライブにしたいと思っていますし、いつものように出し惜しみすることなくやってやろうと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてください！

宮野真守ワンマンライブ
MAMORU MIYANO SPECIAL LIVE 2013 ～TRAVELING!～
supported by JOYSOUND

2013年10月4日（金）東京都 日本武道館

OPEN 17:00 / START 18:00
料金：前売 6800円 / 当日 未定
一般発売：2013年9月21日（土）