音楽ナタリー Power Push - Miracle Vell Magic

Vellを輝かせる9つの魔法

TOPIC 7 変顔
端正な顔立ちながら、Vineなどではハイレベルな変顔を披露。彼女のそういった気取らない振る舞いも人気のひとつ。

──整った顔立ちなのにかなり大胆なメイクや変顔をするので、失礼ながらVellさんには「モテたい」という欲がないのかなと思っていました。

  • 変顔を披露するVell。
  • 変顔を披露するVell。
  • 変顔を披露するVell。
  • 変顔を披露するVell。

ないです、全然(笑)。あまり異性を意識していないので、「かわいいね」「キレイだね」って言われるよりも笑われたほうがうれしいんです。お笑いタレントになりたいわけではないんですけど、自分が変なことをして笑ってもらえるのがすごいうれしいから、バカなこともやっちゃう感じです。あと小さい頃から、変なことをするのがすごく好きで。

──具体的に言うと?

中学のときにはスクールバッグの真ん中に大きく「歌」って書いて、校庭の真ん中でそれを担いで「私、歌手になるから!」って叫んだり。私、ちょっとアレなんですよね……中二病っていうか(笑)。あと、卒業アルバムにお互いメッセージを書いたりするじゃないですか? そのときにも私、有名でもなんでもないのにみんなの卒業アルバムにサインを書いて回ったりとか、イタすぎますよね(笑)。そういうおバカなことはたくさんしてきました。

──話を聞きながら思ったんですけど、Vellさんこれまでに「黙っていたらモテるのに」と言われたことは……?

あはは、けっこう言われますよ(笑)。友達とかにも言われるし、動画のコメントで男性から「なんでそんなことしちゃうの?」とか「黙ってればいいのに」って書かれていたりします。私としては「モテなくて全然いいし」っていう感じなので関係ないんですけどね。“女子モテ”はすごいんですけど、“男子モテ“はまったくです。自分でそういう種をまいちゃってるから、当然のことなんですけどね(笑)。

TOPIC 8 舞台
2015年に上演した「ようこそ、ユメミルユガミノ国へ。」では脚本・演出・出演を務め、1人で33役をこなした。

──「ようこそ、ユメミルユガミノ国へ。」でVellさんが挑んだ1人33役って、純粋にすごい数ですね。

オリジナル舞台「ようこそ、ユメミルユガミノ国へ。」の様子。

「自分でミュージカルを作りたい」っていう、シンプルな気持ちで始めたんですが、人を集めるツテもなかったから「じゃあ、自分で全部演じちゃおう」と思って。まずはスタバに行って、ノートにベースとなるお話を書いていきました。そしたら、「こういうキャラが出てきてほしいな」「こういうお話の方向にいったらいいな」っとかストーリーラインが浮かんできたので、そこからプロのスタッフさんたちに入ってもらって打ち合わせをしていきました。

──打ち合わせの様子も動画でアップされていましたけど、自分の意見をバシバシと伝えるVellさんの姿が印象的でした。プロを相手に臆することはなかったですか?

「自分に不可能はない」って思っているから、プレッシャーみたいなものは感じなかったです。むしろ「早くやりたい、早くやりたい」ってワクワクするような気持ちがありました。

──作品を作る上で、“座長”としてその人たちを引っ張っていくという気持ちだったんでしょうか。

オリジナル舞台「ようこそ、ユメミルユガミノ国へ。」の様子。

そうですね。「新人のくせに」って言われちゃうかもしれないけど。でも自分の中では常にゴールがはっきりと見えているので、「そこにたどりつけるように」という思いで対等に話をさせてもらいました。声も性格も違う33のキャラを演じるのはやはり大変で……セリフもすべてのキャラクターのぶんを覚えないといけないし、それぞれのキャラ分けもしっかりしないといけないし、歌ももちろんあるし。そういった自分にとっての大きなハードルがありましたが、結果としてそれを乗り越えたなと思えるような経験でした。

TOPIC 9 メジャーリリース
11月23日にミニアルバム「Miracles Happen」をリリース。表題曲では初めて作詞に挑戦した。

──11月23日には念願のミニアルバムが発売されたわけですが、今の心境は?

歩いてきてたどり着いた場所には「意外と“段差”がないんだな」と思いました。あとは「リリースが決まった! イェーイ!」じゃなくて、それは始まりにしか過ぎないんだなって。だから、ずっと夢見てきたはずの場所に自分がいるのに、意外と「まだまだだ」っていうふうに思ったのが正直なところです。これからは一層、自分の作りたいエンタテインメントを完璧に作り上げていきたいです。それが自分にとって一番の理想だから。

Vellがイクスピアリで行っていたマンスリーライブの様子。

──そうなんですね。「Miracles Happen」ではVellさんが初めて作詞に挑戦されていますね。どの曲も前向きで、希望にあふれた思いを歌っているのが印象的でした。

自分の楽観的で、ポジティブな性格が出ているんだと思います。問題があったとしても「まあまあ、大丈夫でしょ」って思うような人なので……それがいいときもあるし、悪いときも大いにあるんですけどね(笑)。でも「そんな自分だからこそ発信できる歌があるんじゃないか?」って思ったんです。「寂しい、悲しい、切ない」っていう気持ちはあまり思うことがないからそういう曲を書いたとしても伝わらないと思うし。私だからこそ伝えられる歌は、きっと全力で人の背中を押して「ポジティブに前を向いていこうよ、あなたはあなた次第だよ!」って言うような……とにかくみんなのサプリメントになるような曲なのかなと思って。今は「自分が伝えるべきだ」と思える曲をどんどん発信していきたいです。

ミニアルバム「Miracles Happen」 / 2016年11月23日発売 / avex trax / 初回限定盤 [CD+DVD] / 3240円 / AVCD-93521/B
「Miracles Happen」初回限定盤
通常盤 [CD+DVD] / 2700円 / AVCD-93522/B
通常盤 [CD] / 2160円 / AVCD-93523
CD収録曲
  1. Miracles Happen
  2. Up To You
  3. Serendip
  4. Sincerely, your friend
  5. Chill Out N Love
  6. Together Better
  7. Serendip (winter ver.) ※初回限定盤のみ収録
初回限定盤DVD収録内容
  • 「Serendip」MV (Story Ver. / Music Only Ver.) + Jacket Making Movie
通常盤DVD収録内容
  • 「Serendip」MV (Story Ver. / Music Only Ver.)
Miracle Vell Magic(ミラクルベルマジック)

自作動画のトータル再生回数が1億回を超える、女性アーティスト・クリエイター。通称Vell。高校生時代に本格的に動画投稿を始め、2015年夏にはVell自身が脚本・キャラクター演出を務めた「ようこそ、ユメミルユガミノ国へ。」を上演した。この舞台は1人33役100分というオリジナル作品で、1000名を動員。2016年4月には配信シングル「Miracles Happen」で本格的な音楽活動を開始する。以降も脚本・歌・演技・編集など独自のセンスで自身の活動を展開しており、2016年11月に初のミニアルバム「Miracles Happen」を発表する。