M!LK「Jewel」インタビュー|メジャーで磨き上げられた5人が放つ今までになかった光 (3/3)

M!LKはもっと大きくなるから

──では最後、仁人さんの「Jewel」の“推しポイント”を教えてください。

吉田 やっぱりこれは、感謝の気持ちも込めて。さくらしめじが書いてくれた10曲目の「コトノハ」です。「ありがとう、しめじ」っていう。以上です。

一同 いやいやいや(笑)。

吉田 同期である彼らが僕たちのために曲を書いて、初めて楽曲提供をしてくれて。その“初めて”を僕らがいただいていいのか?という恐縮な気持ちもあったけど、やっぱりすごく胸熱でした。

塩﨑 うれしいよね。

吉田 しめじ、僕らへの愛が強いんですよ。僕らもしめじに対しては特に“愛強め”ですけど……。

山中 (田中)雅功がね、M!LKのことすごい好きなんです。僕らが何かやるとすぐに「よかったよ」と感想をくれたり。よく一緒に遊ぶんですけど、「M!LKはもっと大きくなるから」とずっと言ってくれてて。

山中柔太朗

山中柔太朗

曽野 うわあ、うれしいね。ほかの人を応援できるって、すごいことだよ。

佐野 俺、雅功からまったく連絡来ないけど……。

一同 あはははは!

曽野 そこまで関係値がないんじゃない?

佐野 柔太朗より長いわ! 10年の付き合いだよ!

吉田 どこかのタイミングで察したんじゃない? 「こいつ、あんま面白くないな」って(笑)。

一同 あはははは!

吉田 でも、俺も雅功からは「もっと大きくなるよ」とは言われないから。柔太朗は同世代だから言えるんじゃないかな。

山中 そうかもしれないね。

しめじだからこそ書ける歌詞なんだろうな

──「コトノハ」を聴いたときはどう思いましたか?

吉田 曲の雰囲気はしめじらしいんだけど、歌っている内容は僕らのことでもあり……俯瞰でも主観でもあるというところが、2人にしか書けない曲だなと思いました。特に最後の「諦めることも 立ち止まることも その理由さえも 僕らにはないから」「とめどなく流れる この想いを胸に 歌い続けてる 僕らがいるから」というフレーズには、すごく2人の影が見えるんですよね。決意の曲を書いてくれてうれしかったし、しめじもしめじで自分たちの道を突き詰めているんだなって、こうしてちゃんと交わったことで改めて気付けたところもあって。「EBiDAN THE LIVE」で年に一度同じステージに立つときは、「普段踊らないダンスを踊らされて大変だな」と思うくらいなので……。

一同 あはははは!

吉田 実はすごくプロフェッショナルだった、というか。

塩﨑 アーティストだし、クリエイターだよね。

佐野 僕は歌詞を見たときに「攻めてるなあ」と思いました。たぶん、この曲と同じように僕らの歴史に触れるテーマで違う方に頼んだとしても、ここまで深い表現は出てこないと思うんですよ。自分たちで書いたとしても、「ここまで言及したらやりすぎかな」と逆に抑える部分が出てくるだろうし……しめじだからこそ書ける歌詞なんだろうな、ということは感じましたね。

吉田 いろんなメタファーを使って、絶妙に表現してくれてるよね。本当によく書いてくれたと思う。ちなみに2人、オケのギターも弾いてくれたんですよ。ボーカルレコーディングとリズム録りを同じ日にやったんですけど、ギターを弾いている姿もまたカッコよかったです。

吉田仁人

吉田仁人

──皆さんの歌入れに、さくらしめじの2人は同席していたんですか?

山中 見てくれていました。雅功は朝からずっといて、(髙田)彪我くんは別の仕事を終わらせて途中から合流して。

吉田 僕は雅功の歌い方が好きなので、この曲に関しては完全に彼にインスピレーションを受けながら歌いました。

山中 いい歌い方するよね。

この曲はたぶん、お互いの“お守り”になる

──皆さんが歌入れした曲に対して、さくらしめじの2人からのリアクションはありましたか?

山中 僕は雅功と最近遊んだんですけど、そのときに「聴いたけど、マジでいいわ」ということは言ってくれましたね。

吉田 僕はレコーディング終わりにしめじの2人とごはんを食べに行ったんですよ。そのときに「めっちゃよかったっすよー!」って。

山中 へえー! 仁ちゃん、なんか番長感あるね(笑)。

佐野 お前、ちゃんと奢ったか?

吉田 それはもちろん。

一同 ウエーイ!

塩﨑 そりゃそうだよ! そうじゃないと困る!

吉田 雅功は「めっちゃよかったです。みんなの声が入ってやっと完成したと思う」と言ってくれてさ。「彪我はどうだった?」って聞いたら「はいー。よかったですー!」って(笑)。

一同 あはははは!

塩﨑 彪我、そういう言い方するよなあ(笑)。

吉田 熱意を持ってやってくれていたみたいで、ホッとしたような表情を浮かべてて。それを見て、改めてありがたいなあと思いました。今回こうして交わることができて、これからまたそれぞれの道に進んでいく中で……この曲はたぶん、お互いの“お守り”になるんだろうなと思います。

塩﨑 僕らもさくらしめじに曲プレゼントしたくない?

山中 確かに、曲交換できたらいいかもね。

塩﨑 タイトルは「がんばれ太陽」とかどう?

吉田 わりと早めのコンペで落とされそうだな……。

山中 やっぱりやめておいてあげて(笑)。

吉田 でも「コトノハ」はマジで大事にしたい曲だし、いつか一緒にパフォーマンスできたらいいよね。

曽野 一緒にやりたいねー!

“M!LKの形”ができあがってきた

──現在M!LKは全国ホールツアー「M!LK CONCERT TOUR 2023『CHECKMATE』」の最中ということで、ツアーのお話も少し伺えたら(取材は4月下旬に実施)。

塩﨑 ツアータイトルに関しては自分が案を出したのですが、次のステップ……アリーナ会場に行く、という“勝ち”が見えた瞬間を言葉で表現したくて、この「CHECKMATE」というタイトルに決めました。まだ東京での最終公演が残っていますけど、現状タイトル通り「M!LKはアリーナ公演ができる」と思ってもらえるようなライブができていると思う。セットリストもけっこう攻めた内容になっているけどうまくハマっているし、メンバーみんなのパフォーマンス、ダンスもしっかり決まっていると思います。

曽野 タイトルを決めたとき、僕は「けっこう強気にいったな」って……もちろん自信はあるけど、ライブ内容的にもこれまでより前衛的な見せ方をするから、少し不安があったんです。だけど、もう今は堂々とした気持ちで。「M!LKはここからさらに加速していくぞ」という姿勢を示せていると思います。

佐野 ファイナルの東京公演で横浜アリーナでのワンマン決定を発表することをわかったうえでステージに立っているから、これまでずっとホールツアーを回ってきた僕らにとっては、アリーナ会場にステップアップする最後の“チェックメイト”を完了させなきゃいけないわけで。そういう視点で見ても、“M!LKの形”ができあがってきたなと思います。M!LKがこの5人になってから3年ほど経って……パフォーマンスに関してはもっと突き詰めなきゃいけないところはもちろんあるけれど、1つ“僕らの形”が固まった気がするんですよね。だからこそ、横アリに向けて新しい武器を探さなきゃいけないな、ということも僕は思っています。

佐野勇斗

佐野勇斗

ようやくM!LKの本調子を見せられる

──勇斗さんの言葉にもあったように、最終公演で10月の横浜アリーナワンマンの開催決定が発表されるということで(参照:M!LK初の横浜アリーナ単独公演決定、夢のドーム公演に向けた第一歩)。きっと、皆さんの普段の姿を見ているみ!るきーず(M!LKファンの呼称)にとっては、驚きはありつつも納得のステップアップなんじゃないかなと思うんです。

吉田 ええー。

佐野 本当に?

──皆さんのグループ活動への向き合い方、情熱の注ぎ方を見ていれば、「でしょうね」という感想になるんじゃないかなと。

吉田 それはうれしいですね。

──皆さん自身の中には、どういった思いがありますか?

吉田 不安もありますけど、「楽しみ」「うれしい」のほうが強いです。何より、演出担当の太智がどれだけのことをしてくれるんだろうって。勇斗がさっき「M!LKらしさができてきた」と言っていたけど、それって太智の演出の力よるところも大きいと思うから。

塩﨑 (満足げな表情)

山中 こんな顔してますけどね!(笑)

塩﨑 僕も楽しみで楽しみで仕方ないです。イベントやフェスで大きなアリーナに立たせてもらうことは過去にもありましたけど、ワンマンで立つという経験はこれまでにないので純粋に楽しみだし……やれることが増えるじゃないですか。見せ方の幅が一気に広がる。ホールやライブハウスだとここ(ステージと客席の境目)から先に行けないからどうしても平面的に見せるしかないけど、アリーナだと花道やセンターステージを作ったり、トロッコ乗ったりして、やっとみんなの中まで行けるっていうのが……。

吉田 ようやくM!LKの本調子を見せられるというか、M!LKの魅力が伝わる会場に行けると思うんです。

山中 そうなんだよね。

塩﨑 僕ら、絶対アリーナ会場のほうが向いてるんだよ。

佐野 やったことないから言ってるだけだけどね!(笑)

塩﨑 でも、間違いなくM!LKらしい、キラキラとした世界観が表現できると思います。

アリーナ規模では終われない

佐野 ただ、僕は「アリーナ規模からドーム規模に進めるアーティストはひと握りだぞ」ということも同時に考えてる。その点に関しては怖さもあるんです。だからホントにここからだぞと。アリーナ規模に到達してからの道の選択は本当に大事だし、僕自身もマジでがんばろうと思っているから。ここから先、より一層気を引き締めなければと思いますね。だからピリピリしていくぞ?

塩﨑 そうだね、楽しみつつ。

吉田 浮足立たずにね。

佐野 今年、来年、本当に大事だと思う。ここで足元すくわれないように、着実に踏みしめていかないといけないから。

山中 アリーナ規模では終われないからね。

吉田 常に進み続けることですね。続けていくことも大事なので。

M!LK

M!LK

塩﨑 でもさ、この5人になった直後はまだ遠い夢だったよね。アリーナ。

山中 最初の最初はね。

佐野 正直「いけるかな?」と思うときもあったよ。

曽野 コロナとかもあってさ。

吉田 正直、今も実感は湧いてないよ。

佐野 たぶん、言葉に発して自分たちを奮い立たせている節があります(笑)。

山中 ホントにそれです。

曽野 「言霊って信じてる?」(「コトノハ」の一節を歌い出す)

塩﨑 さくらしめじーっ!

──皆さん、先の先までしっかりと冷静に見据えているんですね。

吉田 そうですね。とにかく、試練があること自体がうれしいですから。挑戦できる環境が何よりありがたいです。

塩﨑 ていうかさ、マジでみ!るきーずの皆さんをアリーナに連れて行けるのがうれしい。

佐野 そうなんだよ、それが本当にうれしい! 今までの恩返しができることがうれしいんです。

塩﨑 僕らが横アリのステージに立つことによって、きっと周りにも紹介しやすくなるとも思うんですよ。「私の応援してるグループ、横アリでライブするんだよ」って。

吉田 ここまでいろんなM!LKの姿を見守って、応援し続けてくれている人たちに、1つ恩返しというか。今までになかった“光”を見せられると思うので……気合い入っております!

ライブ情報

M!LK 1st ARENA “HAPPY! HAPPY! HAPPY!”

  • 2023年10月22日(日)神奈川県 横浜アリーナ

プロフィール

M!LK(ミルク)

2014年11月結成のダンスボーカルグループ。メンバーは佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人の5人。いろいろなものに混ざりやすく、さまざまな形状に変化することのできる“変幻自在”のユニットとして活動している。2015年3月に「コーヒーが飲めません」でCDデビュー。2021年11月に、ビクターエンタテインメントよりメジャーデビューシングル「Ribbon」をリリースした。2022年8月発売のメジャー2ndシングル「奇跡が空に恋を響かせた」では、オリコン週間ランキングで過去最高の1位を獲得。2023年6月にメジャー1stアルバム「Jewel」を発表し、10月には神奈川・横浜アリーナで初のアリーナ単独公演「M!LK 1st ARENA “HAPPY! HAPPY! HAPPY!”」を開催する。