歌じゃないと、内にあるものを出せない
──「HERO」はどういった経緯で生まれたんでしょう。
この曲が、6曲の中で最初に作った曲なんです。最初に作った曲だから、一番作りたかった曲調やメッセージが形になっていて……それが暗い曲だったんですけれど。私暗い曲が大好きなんです、昔から。ベートーヴェンの「月光」を薄暗い部屋でひたすらピアノ演奏するのが好きだったり、アリシア・キーズのマイナー調の楽曲を好んで聴いていたり。普段はそういう感じなんですよ(笑)。
──May J.さんの音楽のルーツも、そういったマイナー調の楽曲にあるんですか?
そうですね。「月光」が大好きなんですけど、小さい頃からピアノをやっていたから、やはりベートーヴェンの影響はすごく大きいと思います。また、アリシアが「月光」を使った楽曲を作っているんですけど(「Piano & I」)、それを聴いて「自分もこんな曲を作ってみたい」と憧れたり。内に秘めた思いを必死にさらけ出して伝える、みたいな表現が自分の性格に合っていると言うか……私は歌じゃないと、自分の内にあるものを出せないから。
──きっと、May J.さんが持たれているパブリックイメージとはだいぶ違った姿ですね。
そうですね(笑)。で、「HERO」でどんなメッセージを伝えようかと考えたんですが、曲を作った当時、すごくテロが多かったんです。そういったことから「私たちにできることってなんだろう」って考え初めて、近くの人を大事にすることが大切だと思った。身近な場所に愛を持つことから始めることができたらって思ったから、歌詞ではそういったメッセージを伝えようと思いました。
──そして、May J.さんの作詞作曲した楽曲では最後に収録されている14曲目の「the ONE」。朗らかで明るい気持ちになれる曲ですね。
この曲は、年始にキューバに旅行したことがきっかけでできた曲です。キューバではバーに行くと必ずミュージシャンがいて、いつの間にかセッションや大合唱が始まるんです。その雰囲気がとても楽しくて「こういうふうに音楽ができたらいいな」なんて思いながら、撮ったムービーをSNSにアップして。そうしたら、昔からお世話になっているプロデューサーさんから「こんな曲どう?」って、すぐにメールが来たんです。私のアップしたムービーの雰囲気にピッタリだったから、って。この曲はすでにライブで披露しているんですが、実際に歌ってみて、そのときの反響を参考にしながら完成させた曲です。
──ライブで実際に披露してみての感触はいかがですか?
一緒に歌えるパートを作ったので、「みんなも盛り上がってね」って呼びかけると一緒に歌ってくれたり。そういった反応はやっぱりうれしいですね。
理想の音楽に近付けている
──今お話を聞いた曲のほかにも10曲が収録されていてかなり盛りだくさんの内容ですが、こうしてアルバムが完成してみて、May J.さん的にどんな作品になったと感じていますか?
自分がこれから向かっていきたい、理想としている音楽の方向に近付けているなということを思えた作品になりました。なので、ファンの方にもこのアルバムを聴いて「ああ、May J.はこういう方向へ向かっているんだな」と感じてもらえたらうれしいと言うか。
──私はこの作品の全体を通して、前向きに、自分の力で力強く進んで行きたいというMay J.さんの意志を感じたのですが。
ああ、まさに、そういうふうに感じてもらいたいなと思っています。
──May J.さん今の気分としては……。
アルバムタイトル通り“Futuristic”ですね。未来へ向かって前向きに進んでいるし、同時に自分と常に向き合って、足りないところを見つけて「どうしたらよくなるんだろう」って模索して……という感じです。これまでの11年間、絶えず進んで来れたと思うから、そんな思いもこのアルバムの収録曲には表れていると思います。作品を通じて、私の意志を感じてもらえたらうれしい。そして、皆さんも一緒に前に進んでいってほしいです。
──具体的に今後実現していきたいことはありますか?
そうだなあ……引き続きライブをたくさんやりたいです。「Futuristic」が完成したあとのライブは、これまでのライブとはものすごく変わってくると思う。音楽性もそうだし、自分にできることが増えたから。なので、そのときどきでライブの世界観をガラッと変えたりするのもいいかもしれない。いろんな表現に挑戦していきたいですね。
- May J.「Futuristic」
- 2017年10月25日発売 / rhythm zone
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[CD+2DVD]
5400円 / RZCD-86401/B~C -
[CD+DVD]
4104円 / RZCD-86402/B -
[CD]
3240円 / RZCD-86403 -
初回生産限定盤
Futuristic -10th Anniversary BOX-
[CD+5DVD+写真集]
21600円 / RZZ1-86404/B~F※May J. Family Official Shop & mu-moショップ、ライブ会場限定商品
- CD収録曲
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- SIDE BY SIDE
- Glory Wave
- ふたりのまほう
- Faith
- My Star ~メッセージ~
- Break Free
- Shake It Off
- Smile At Me
- Have Dreams!
- HERO
- Sparkle -輝きを信じて-
- Shine (Japanese Ver.)
- Yeah! Yeah! Yeah! feat. 村上佳佑
- the ONE
- 母と娘の10,000日 ~未来の扉~ duet with 八代亜紀
- 花は咲く ~大好き♡東北Ver.~
※ボーナストラック
- 付属DVD
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MUSIC VIDEO
※CD+2DVD、CD+DVD、初回生産限定盤付属 -
May J. Tour 2017 ~ME, MYSELF & OUR MUSIC~ "Futuristic" @人見記念講堂 2017.7.30
※CD+2DVD、初回生産限定盤付属 -
May J. 10th Anniversary Grand Finale ~The Request Live~ @オーチャードホール 2016.10.9
※初回生産限定盤付属 -
May J. 10th Anniversary Tour 2016 @中野サンプラザ 2016.7.3
※初回生産限定盤付属 -
May J. 10th Anniversary "Stand Up!" ~After 10 Years From First Live @clubasia~ 2016.8.3 (BONUS DISC)
※初回生産限定盤付属
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MUSIC VIDEO
- 写真集「Futuristic PHOTOBOOK」収録内容
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全40P・ハードカバー
- Los Angeles Sessions
LAでのフォトセッション、レコーディング風景、オフショットなど最新フォト - May J. Tour 2017 ~ME, MYSELF & OUR MUSIC~ "Futuristic" at Hitomi memorial Hall 2017.7.30
2017年に行われたライヴツアー「May J. Tour 2017 ~ME, MYSELF & OUR MUSIC~ "Futuristic" @人見記念講堂 2017.7.30」ライヴ風景 - MJF PHOTOBOOK Vol.1~4 ARCHIVE
「MJF PHOTOBOOK」Vol.1~4未公開写真
- Los Angeles Sessions
billboard classics May J. Premium Concert 2017
~Me, Myself & Orchestra~
- 2017年11月5日(日)東京都 東京文化会館 大ホール
- May J.(メイジェイ)
- 日本、イラン、トルコ、ロシア、スペイン、イギリスのバックグラウンドを持ち多彩な言語を操るマルチリンガルアーティスト。幼児期よりダンス、ピアノ、オペラを学び、作詞、作曲、ピアノの弾き語りもこなす。2006年7月にミニアルバム「ALL MY GIRLS」でメジャーデビュー。2014年には大ヒットを記録したディズニー映画「アナと雪の女王」の日本版主題歌「Let It Go ~ありのままで~」を担当し、同年の「第65回紅白歌合戦」に出場した。2015年1月には自身初となる東京・日本武道館の単独公演を開催。2017年5月に八代亜紀をコラボ相手に迎えた10枚目のシングル「母と娘の10,000日 ~未来の扉~」を発表した。10月25日には約3年ぶりとなるオリジナルアルバム「Futuristic」をリリース。