歌う相手がすごく明確だった
──5曲目の「My Star ~メッセージ~」についてはいかがでしょう。
この曲は、亡き恩師を思って書いた曲です。「今日はバラードを作ろう」と決めた日に、私の恩師が亡くなってしまうという経験をして……そのときの気持ちをメロディに表現しました。
──なぜその先生は、May J.さんの恩師と言える存在なのですか?
もう、初めて会った日から衝撃的だったんですよ。私の通っていた学校には、オーディションに受からないと入れない“ボーカルジャズ”って言う特別なクラスがあって。そのクラスに入りたかった私はオーディションを受けに行って「私はシンガーなんです」ってアピールしたんです。これからデビューする、っていうタイミングだったんですね。そうしたら先生は「僕もシンガーだし、みんなシンガーだよ」って私の言葉を返した。そして、私はアピールポイントがそれしかなかったから、審査に落ちたんです。
──そうだったんですね。
当時は若かったということもあって、すごく生意気な態度をとってしまって、今思うととても恥ずかしいのですが……(笑)。でもどうしても入りたいし、あきらめられなかったから、私はそのあとに作文を書いて。「私はこのクラスに入ったらこんなふうに活躍できます」ってもう一度アピールしたんです。そうしたら先生はやっと合格にしてくれて。それからは私の悩みを聞いてくれたり、すごく親身になって夢を応援してくれたんです。
──それからはずっとMay J.さんの応援を?
してくれていましたね。先生に直接感謝を伝える機会もあったけれど、もっともっと伝えたかった。あまりにも突然の出来事だったので……この曲に伝えきれなかったメッセージを込めました。
──この曲のMay J.さんのボーカルにはすごくパワーを感じました。
歌の力を生かす曲にしたかったんです。大バラードっていうのを前提にして作っていきましたね。
──シンプルな伴奏にMay J.さんの力強い歌声が映えますね。
そうですね。この曲が一番、思いが強かったと思います。この曲の歌入れは感情がすぐにバーッと出てきたんです。歌う相手がすごく明確だったのがよかったのかなと思います。
歌い方を変えた「Break Free」
──May J.さんの作詞作曲の楽曲は中盤に続きますね。続く6曲目の「Break Free」はまた趣きがガラリと変わります。
この曲も「SIDE BY SIDE」と同じくライブを意識して、「ダンスをしながら歌えるバンドサウンドの曲を作りたい」っていうところから始めました。何かを訴えかけるようなメロディに仕上げて、歌詞には自分のアイデンティティを大切にしよう、本当の自分を受け入れて自由になろうというテーマを持ってきて。
──この曲は、レコーディングに参加した現地のアーティストとのセッション感が楽しいですね。
確かに、この曲が一番セッション感が強いかも。アレックス・アル(B)、ショーン・マーティン(Piano)、クリス・コールマン(Dr)と言う3人が参加してくれたんですけど、この3人がそろうと、サウンドチェックでいきなりセッションが始まるんですよ。もう、その段階からワクワクして。日本では打ち込みでプリプロをやったんですが、現地で彼らが演奏したら音色も雰囲気も変わりました。すごくこの曲の魅力を引き出してくれましたね。
──ボーカルも、彼らのグルーヴに触発されるものですか?
ええ。自分の歌も変えないといけなかったです。歌い方というか、ノリを。それがいい形になりましたね。
なんか、冒険したかったんですよ
──7曲目の「Shake It Off」についても聞かせてください。
この曲はイントロのファンキーなベースがすごく印象的なんですけど、こういう曲って今まで自分のレパートリーになくて。上條くんは私の楽曲をすべて把握してくれているから、今のMay J.に足りない曲がわかるんですよね。これは彼の提案をもとに作っていった楽曲です。ロングトーンが多めに盛り込んであってパワフルに歌わなければいけないから、気合いの曲でもあります。
──終盤の「For you」というフレーズのところで急に耳に飛び込んでくる、ものすごいハイトーンに驚きました。
そこはホイッスルボイスに近い歌声ですね。なんか、冒険したかったんですよ(笑)。
──ただじゃ終わらない感じがとても面白かったです。
自分のカラーをしっかり入れていきたいなと思って。
──そういったアイデアって、どうやって生まれるものなんですか?
上條くんと歌い方を詰めているとき「これじゃ普通だよね」ってなると、ふざけて私が歌ったりするんです。このパートはまさにそうですね。「今のだと届いてないけど、ちゃんとできる?」って聞かれて「本番はがんばるよ」って(笑)。プリプロでは出ていなかった音なんですが、本番はがんばりました。
──歌詞の内容は失恋した友人を励ます内容になっていますが、これは何かきっかけが?
(スタッフを指して)彼女です。
スタッフ一同 わはははは!
──モデルがこんな近くに(笑)。
私のスタッフがモデルなんです。もうね、彼女の話を聞いていたら言いたいことがたくさんあって! すごくいい子なんです。だから私が、別れた彼に対して代わりに言ってあげたいと思っちゃったんですよ。「くだらない男は 誰かにくれてやればいい」って。
──スタッフさん、May J.さんからのメッセージ、いかがでした?
女性スタッフ しかと受け止めて、次に進みます。
すてきな人なんで絶対にもっとあなたに会う人が現れるよって。(女性スタッフを見て)ね!
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歌じゃないと、内にあるものを出せない
- May J.「Futuristic」
- 2017年10月25日発売 / rhythm zone
-
[CD+2DVD]
5400円 / RZCD-86401/B~C -
[CD+DVD]
4104円 / RZCD-86402/B -
[CD]
3240円 / RZCD-86403 -
初回生産限定盤
Futuristic -10th Anniversary BOX-
[CD+5DVD+写真集]
21600円 / RZZ1-86404/B~F※May J. Family Official Shop & mu-moショップ、ライブ会場限定商品
- CD収録曲
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- SIDE BY SIDE
- Glory Wave
- ふたりのまほう
- Faith
- My Star ~メッセージ~
- Break Free
- Shake It Off
- Smile At Me
- Have Dreams!
- HERO
- Sparkle -輝きを信じて-
- Shine (Japanese Ver.)
- Yeah! Yeah! Yeah! feat. 村上佳佑
- the ONE
- 母と娘の10,000日 ~未来の扉~ duet with 八代亜紀
- 花は咲く ~大好き♡東北Ver.~
※ボーナストラック
- 付属DVD
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MUSIC VIDEO
※CD+2DVD、CD+DVD、初回生産限定盤付属 -
May J. Tour 2017 ~ME, MYSELF & OUR MUSIC~ "Futuristic" @人見記念講堂 2017.7.30
※CD+2DVD、初回生産限定盤付属 -
May J. 10th Anniversary Grand Finale ~The Request Live~ @オーチャードホール 2016.10.9
※初回生産限定盤付属 -
May J. 10th Anniversary Tour 2016 @中野サンプラザ 2016.7.3
※初回生産限定盤付属 -
May J. 10th Anniversary "Stand Up!" ~After 10 Years From First Live @clubasia~ 2016.8.3 (BONUS DISC)
※初回生産限定盤付属
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MUSIC VIDEO
- 写真集「Futuristic PHOTOBOOK」収録内容
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全40P・ハードカバー
- Los Angeles Sessions
LAでのフォトセッション、レコーディング風景、オフショットなど最新フォト - May J. Tour 2017 ~ME, MYSELF & OUR MUSIC~ "Futuristic" at Hitomi memorial Hall 2017.7.30
2017年に行われたライヴツアー「May J. Tour 2017 ~ME, MYSELF & OUR MUSIC~ "Futuristic" @人見記念講堂 2017.7.30」ライヴ風景 - MJF PHOTOBOOK Vol.1~4 ARCHIVE
「MJF PHOTOBOOK」Vol.1~4未公開写真
- Los Angeles Sessions
billboard classics May J. Premium Concert 2017
~Me, Myself & Orchestra~
- 2017年11月5日(日)東京都 東京文化会館 大ホール
- May J.(メイジェイ)
- 日本、イラン、トルコ、ロシア、スペイン、イギリスのバックグラウンドを持ち多彩な言語を操るマルチリンガルアーティスト。幼児期よりダンス、ピアノ、オペラを学び、作詞、作曲、ピアノの弾き語りもこなす。2006年7月にミニアルバム「ALL MY GIRLS」でメジャーデビュー。2014年には大ヒットを記録したディズニー映画「アナと雪の女王」の日本版主題歌「Let It Go ~ありのままで~」を担当し、同年の「第65回紅白歌合戦」に出場した。2015年1月には自身初となる東京・日本武道館の単独公演を開催。2017年5月に八代亜紀をコラボ相手に迎えた10枚目のシングル「母と娘の10,000日 ~未来の扉~」を発表した。10月25日には約3年ぶりとなるオリジナルアルバム「Futuristic」をリリース。