ナタリー PowerPush - MAGUMI AND THE BREATHLESS / MAGUMI×寺中友将(KEYTALK)

熊本出身ボーカリスト対談

特集第2弾はMAGUMIと寺中友将(KEYTALK)による熊本出身ボーカリスト対談。今回初対面だった2人は同郷ならではのローカルトークから親睦を深め、互いのバンドの音楽の作り方や熊本の音楽シーンなどを語ってくれた。

取材 / 大山卓也 文 / 清本千尋 撮影 / 中西求

熊本出身同士のローカルトーク

左からMAGUMI、寺中友将。

MAGUMI 寺中くんは熊本のどこ中なの?

寺中 僕は東野中です。MAGUMIさんってうちの事務所の社長の中学の先輩にあたるって聞いたんですけど、ということは白川中なんですよね?

MAGUMI そうそう、白川中。東野中学校って商店街の近くにあった中学校でしょ?

寺中 そうです。学校の近くに「ピアクレス」っていう今はもうシャッター通りみたいになっちゃってる商店街がありました。僕の家もすぐ近くで。

MAGUMI もう今は熊本もショッピングモールとかができて、商店街はどこも廃れてきたよね。だから上通り、下通りみたいなアーケード街がまだ廃れてないのが奇跡ぐらいな感じでしょ。

寺中 やっぱりそうなんですか。僕らはずっとあそこで遊んでました。

MAGUMIから見たKEYTALKの音楽

MAGUMI

MAGUMI KEYTALKはこっちに来て結成したの?

寺中 そうですね。僕は大学進学で神奈川に来て。ギターの(小野)武正と大学が一緒でそこで知り合って始めました。

MAGUMI KEYTALKはビデオクリップの世界が一貫してるよね。ちょっと異空間っぽいところにいるような感じで。

寺中 ありがとうございます。インディーズ時代の僕らのPVは緑バックで1人ひとり撮影してあとでCGを合成させて作ってました。最近は実写でやるようになってきて少しずつ変わってきてるかなっていうのはありますね。

MAGUMI あとKEYTALKの音楽ってすごいポップなんだけど、アレンジに妙なメリハリがあって、変拍子とかが得意そうだなって感じるよ。

寺中 僕たち昔は変拍子とかを取り入れた全英詞の曲をやってたんですよ。こだわってる部分をわかってもらえてうれしいです。

曲の作り方と選び方

MAGUMI ところでKEYTALKって曲を作るときってどういうふうに作ってる?

寺中 基本的にうちはアレンジをほぼ固めた状態で作曲者が1曲作って、それをみんなであわせるっていう形でやってますね。

MAGUMI じゃあけっこう密にデモテープ作るの?

寺中友将

寺中 そうですね。うちはメンバー全員が曲を作るんですけど、1人ひとりがパソコンで構成からドラムアレンジまで作ってきて、もうほぼ90から95%くらいまで作り込んだものをみんなで共有してっていう感じですかね。

MAGUMI LÄ-PPISCHもアルバム3枚ぐらいはそういう感じだったかな。ちょうど俺たちがデビューした頃にMTRが一気に流通しだして安価になっていってさ。デビュー前は4チャンネルぐらいしかない一番安いやつでもリズムボックスと一緒に揃えると50万くらいかかってなかなか使えなかったんだけどね。その頃からLÄ-PPISCHも(上田)現ちゃんと(杉本)恭一の2人が張り合うように凝ったデモテープを作るようになっていったんだよね。でも途中からみんなめんどくさくなっちゃって、アコースティックで1番しか作ってこなくなって。スタジオで曲をみんなに聴かせて「アレンジしてくれよ」って(笑)。

寺中 ああ、ヤバい。最近俺らもワンコーラスしか作らなくなってきたんですよ。その流れですかね、これ(笑)。

MAGUMI いや、メリハリつけてどっちもやったほうが面白いんじゃない? バンドから生まれるものもあるじゃん。

寺中 そうですね。ちょっとこれも聞いておきたいんですけど、曲を絞るときってどういう感じで決めてますか?

MAGUMI ディレクターも同席して一緒に話し合いで決めてるよ。みんなで3日くらい合宿して20曲ぐらい合わせて、その中から選んでたりしてたかな。

寺中 なるほど。僕らも同じ感じですかね。やっぱり作曲者の人数が多いぶん曲もたくさんできて、ボツになる曲もたくさんあって。それを多数決で決めてるんですけど、ほかにどんな方法があるんだろうなっていつも思ったりしてるので。

MAGUMI 無駄に曲を作らないっていう手があるよ(笑)。

寺中 なるほど(笑)。

ニューアルバム「Demonstration」
2014年5月14日発売 / ATSUGUA RECORDS / 3240円 / ATS-52
収録曲
  1. Beautiful World
  2. Parting Dance
  3. Q Dub
  4. 死角のシルエット II
  5. Electric Discharge
  6. Demonstration
  7. 砂の家
  8. 水槽
  9. Abracadabra
  10. Back Yard
  11. トルコ行進曲
  12. Liar
  13. Good Bye Sunshine
ニューシングル「Electric Discharge」
2014年5月14日発売 / ATSUGUA RECORDS / 1080円 / ATS-51
収録曲
  1. Electric Discharge
  2. 死角のシルエット
  3. Ghost Town
MAGUMI AND THE BREATHLESS
(マグミアンドザブレスレス)

MAGUMI(Vo, Tp)、永井秀樹(G, Cho)、袴塚徳勝(B, Cho)、カサマツマサヨシ(Dr)、島本亮(Key, Sax, Cho)、直江誠治(Per)からなる6人組バンド。LÄ-PPISCHのフロントマンとして知られるMAGUMIのソロアコースティックユニットにリズム隊を加えて2009年に結成された。2011年に2枚のシングルと1stアルバム「delight」をリリース。その後3年間はライブを中心に活動してきた。そして2014年5月には2ndアルバム「Demonstration」とシングル「Electric Discharge」を2タイトル同時リリースする。

KEYTALK(キートーク)

KEYTALK

2009年7月結成。首藤義勝(Vo, B)、寺中友将(Vo, G)、小野武正(G)、八木優樹(Dr, Cho)の4人からなるロックバンド。2010年3月に1stシングル「KTEP」を発表し1000枚を即完売させる。結成当初は寺中がボーカルを務めていたが、2010年より徐々に首藤と寺中のツインボーカルスタイルに。2012年4月には初の海外ライブを台湾で行い活動範囲を拡大させていく。2013年には全国40カ所におよぶツアー「ONE SHOT WONDER TOUR 2013」を敢行し成功を収める。同年11月にビクターエンタテインメントよりシングル「コースター」でメジャーデビュー。2014年3月にはシングル「パラレル」、そして同年5月にはニューアルバム「OVERTONE」をリリースする。


2014年5月16日更新