ナタリー PowerPush - MAGUMI AND THE BREATHLESS / MAGUMI×寺中友将(KEYTALK)

熊本出身ボーカリスト対談

「Demonstration」を聴いて

寺中 BREATHLESSのアルバム聴かせてもらったんですけど、セッションで曲を作っていったって本当ですか?

MAGUMI うん、1曲目とかはそうだね。あれはギターがあのフレーズを勝手に弾いてたから、俺が「あ、面白いね」って言って、そのままベースにフレーズを伝えて。そういう感じで1カ所ずつつなげていった。じゃあサビなんか面白いのないかなみたいな感じで作っていったりとか。

寺中 すごいですね。あ、「トルコ行進曲」も楽しかったです。聴きながらニコニコしちゃいました。

MAGUMI

MAGUMI (笑)。「トルコ行進曲」はギターが暇があると弾いてるから、そんなにやりたいんだったらアレンジして入れようよって。ちょうど箸休めになっていいんじゃね?みたいな感じで、1曲ぐらいそういう遊びがあってもいいかなと思って。

寺中 あと歌詞に関してなんですけど、1つひとつの単語だったり歌詞を構成するパーツがカッコよくて、その単語たちのつながりで、なんか曲の雰囲気ができあがってるっていう印象があって。

MAGUMI うわあ、ありがたいねえ。若い人に言ってもらうと。ヤバいよ。今日寝れないや、もう(笑)。

寺中 (笑)。MAGUMIさんの曲を聴いて僕も独特の雰囲気を出せる言葉を並べて作りたいなっていうのはすごい思いましたね。僕、最初はものすごいメッセージ性のある歌詞を書いてたんですけど、KEYTALKに加入してそういう歌詞がちょっとあわないなっていうのを感じて試行錯誤したんです。それで今僕が作る歌詞っていうのは少し相手の想像に委ねるというか。“これ”って特定するものをあまり与え過ぎないように意識してるんですけど。

MAGUMI 俺の場合はやっぱり物語であったりとか、いろんな人がいろんな捉え方をしてくれればいいなと思って書いてるんだよね。受け渡したらもうお客さんのものだと思っているし。あとLÄ-PPISCHの場合は詞を書く人が俺を入れて3人いたから、人が書いた詞を歌うのも全然平気なんだよね。まあBREATHLESSは今のところはまだ詞を書く人がいないから俺が書いてて。別にメンバーに書くなとは言ってないんだけど(笑)。

熊本の音楽シーン

寺中 MAGUMIさんってツアーとかで九州行くときは実家に寄ったりしますか? 僕は九州のほう回るときは実家に泊まりながら行くんですけど。

MAGUMI うん。今回のツアーで九州を4カ所くらい回ろうと思ってるんだけど、福岡と熊本はメンバーのところに泊まろうと思ってる。

寺中 BREATHLESSってそんなにみんな九州なんですか?

MAGUMI リズム隊が千葉と長野だけどあとはほか全員九州で。最初にバンドに誘ってくれた奴が福岡でその周りの奴を連れてきたら自然とね(笑)。

左からMAGUMI、寺中友将。

寺中 なるほど。僕たち今度のツアーはBLUE ENCOUNTと一緒に回るんですけど、彼らは全員熊本出身なんですよね。でもあんまり熊本出身のバンドっていないじゃないですか。MAGUMIさんが熊本にいたときって“熊本シーン”みたいなものってありましたか?

MAGUMI 俺がいるときはシーンはなかったね(笑)。俺たちの時代は1、2バンドがすごいがんばって福岡に行くぐらいだったよ。昔ってライブハウスもなかったからライブをするのは専らYAMAHAの貸しホール。みんなそこを借りてやってた。さすがにRCサクセションとかは郵便貯金会館(現:メルパルクホール熊本)でやってたけど(笑)。

寺中 僕高校のときとかはDjangoによく出入りしてました。500円で入れる、高校生だけが出てるライブをやってたので。そのライブはコピーバンドが3バンドくらいと最後にちょっとオリジナルやるバンドも出てくるぐらいな感じで。

MAGUMI 熊本で有名なロックバンドってあんまり聞かないもんね。俺らとほぼ同時期にデビューした森高千里とかは有名だけどバンドじゃないし。あとは石川さゆりとか八代亜紀とかみたいな演歌の大御所はたくさんいるけど。LÄ-PPISCHの場合は俺とギターが熊本だからちょっと熊本色が強いけど、バンドは東京で結成したしね。

熊本県人会

寺中 僕、こっちにいると熊本弁が消えちゃうんですよね。最初来て1、2年くらいは熊本弁出てたんですけど……。向こうに帰ったらまあ2、3日で戻るんですけど。

MAGUMI 昔に比べると今って方言自体がゆるくなってると思うんだよ。俺たちがたまに熊本に帰って同級生と話すと「お前の熊本弁は古いけん!」とか「お前の熊本弁は30年前の熊本弁だ。今誰もそぎゃん言葉使わんと!」って言われて(笑)。

寺中 あはは(笑)。進化してるんですね。熊本でライブやるときはMCも熊本弁になるんですか?

MAGUMI 俺ひどいよ。青森でも熊本弁。だって青森で別に東京弁でしゃべる必要ないじゃん(笑)。

寺中 (笑)。僕は熊本でライブするときは意識して使ってますね。普段は意識しないと出ないんで。特に人前だといきなりは……。

MAGUMI なんばやって? シティボーイだ。シティボーイ!

寺中 そんなことないです(笑)。

MAGUMI (笑)。いやなかなかね、いきなりは出てこんのよね。でもまあ自然に出てくる言葉が自然でええかみたいな。あ、そうだ。東京の熊本出身の先輩たちと組んでる熊本県人会っていうのがあるから今度おいでよ。

寺中 え? なんですか? それ。

MAGUMI いつも正月とかに集まってだらだら飲むだけの会。今度やるとき誘うけん。もちろんおたくの社長も誘ってな。

寺中 そうですね。ちょっと肝臓鍛えていきます(笑)。

左からMAGUMI、寺中友将。

KEYTALK「OVERTONE(初回限定盤A)」

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[CD2枚組+DVD] 2014/05/21発売 3996円 Getting Better VIZL-680

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KEYTALK「OVERTONE(通常盤)」

ニューアルバム「Demonstration」
2014年5月14日発売 / ATSUGUA RECORDS / 3240円 / ATS-52
収録曲
  1. Beautiful World
  2. Parting Dance
  3. Q Dub
  4. 死角のシルエット II
  5. Electric Discharge
  6. Demonstration
  7. 砂の家
  8. 水槽
  9. Abracadabra
  10. Back Yard
  11. トルコ行進曲
  12. Liar
  13. Good Bye Sunshine
ニューシングル「Electric Discharge」
2014年5月14日発売 / ATSUGUA RECORDS / 1080円 / ATS-51
収録曲
  1. Electric Discharge
  2. 死角のシルエット
  3. Ghost Town
MAGUMI AND THE BREATHLESS
(マグミアンドザブレスレス)

MAGUMI(Vo, Tp)、永井秀樹(G, Cho)、袴塚徳勝(B, Cho)、カサマツマサヨシ(Dr)、島本亮(Key, Sax, Cho)、直江誠治(Per)からなる6人組バンド。LÄ-PPISCHのフロントマンとして知られるMAGUMIのソロアコースティックユニットにリズム隊を加えて2009年に結成された。2011年に2枚のシングルと1stアルバム「delight」をリリース。その後3年間はライブを中心に活動してきた。そして2014年5月には2ndアルバム「Demonstration」とシングル「Electric Discharge」を2タイトル同時リリースする。

KEYTALK(キートーク)

KEYTALK

2009年7月結成。首藤義勝(Vo, B)、寺中友将(Vo, G)、小野武正(G)、八木優樹(Dr, Cho)の4人からなるロックバンド。2010年3月に1stシングル「KTEP」を発表し1000枚を即完売させる。結成当初は寺中がボーカルを務めていたが、2010年より徐々に首藤と寺中のツインボーカルスタイルに。2012年4月には初の海外ライブを台湾で行い活動範囲を拡大させていく。2013年には全国40カ所におよぶツアー「ONE SHOT WONDER TOUR 2013」を敢行し成功を収める。同年11月にビクターエンタテインメントよりシングル「コースター」でメジャーデビュー。2014年3月にはシングル「パラレル」、そして同年5月にはニューアルバム「OVERTONE」をリリースする。


2014年5月16日更新