ナタリー PowerPush - MAGUMI AND THE BREATHLESS / MAGUMI×岡本伸明(the telephones)
これからも“落ち着きたくない”2人
2人のトランペッター
ノブ そういえば僕、最初に始めた楽器がトランペットなんですよ。
MAGUMI あ、そうなんだ。
ノブ 今は全然やってないんですけど小学校のときに3年間やってて。LÄ-PPISCHで奥野(真哉 / ソウル・フラワー・ユニオン)さんがサックス吹いてるのを観て、俺もう1回やってみようかなと思って今年買うつもりです。
MAGUMI おお。いいことだと思うよ。
ノブ 今だったら当時と感覚が違うから、たぶんもっと面白い感じにできるのかなと思って。ライブでいろいろやっていく中で今まで興味なかったとか弾けないって思ってた楽器が弾けるんじゃないかと思うんですよね。だから新しいことをどんどんやってみようかなと思って。
MAGUMI でも今ってプラスチックでできたトロンボーンのおもちゃとかもあるんだよ。おもちゃって言っても大きさも一緒でトロンボーンのちゃんとした音が出るの。で、プラスチックだから投げても平気。色もたくさんあってさ、見栄えもいいから超ステージ向きでしょ。トランペットの感覚忘れてると思うから意外とそっちも面白いかもしれないよ。
ノブ 今やるんだったらってことですね。なるほど。いいですね。
頭で考えるより身体が覚えてる
ノブ 僕ステージでワーってやってるときって何も考えてないんですよ。でも自分が弾くタイミングだけはちゃんと意識していて。頭の中で「あ、やべ。間に合わね!」って(笑)。
MAGUMI 大丈夫大丈夫。俺も昔は「あ、やっべえ。間に合わね!」って機敏にシャーっと行ってパーンっといろいろやってたけれども、最近はもう「やっべえ。これ間に合わない!」ってなっても、「まあいっか……」って戻らなくなってきたから(笑)。(上田)現ちゃんはひどかったよ。全然戻れないし、音とかもなんか違う音出すし。「ええかげんにせえや!」って思ってた(笑)。
ノブ あ、でも違う音を出しちゃうっていうのは今でも多々ありますね(笑)。頭の中では弾いてるんですけど、なんかこう急に出てこなくなって同じフレーズをループしたりとかしちゃって……。で、ドラムを見るとすげえ困ってて、とりあえず4カウント入れるっていう。それでやっと僕が入れるみたいな感じなんですよ(笑)。
MAGUMI いやでもね、本当に俺もそういうことあるよ。LÄ-PPISCHだけでも200曲以上あるし、MAGUMI AND THE BREATHLESSの曲とかもあったりとかして、もう曲覚えすぎてるんだよね。もう記憶力の限界超えてて、なんか1個やると1個抜けていくような感じなんだよ。だから今までさんざんやってきたようなこともふと考えちゃうと「あれ? どの指だったっけ?」とか思っちゃうわけ。考えなかったら勝手に手が動くんだけれども。
ノブ ああ、でも僕もやっぱり考えちゃうとけっこう出てこなかったりしますね。あれ不思議ですよね。たぶん何度もやってるから頭より身体のほうが覚えてるんですよね、きっと。
2人がこれからも跳び続ける理由
MAGUMI 俺さ、若い頃って普通のときとステージにいるときにまったく同じテンションで過ごしてて。もうね、あの頃は本当にひどかった。30歳になったくらいにステージの人間とそれ以外で自然と切り替えられるようになっていったね。
ノブ それすごいっすね(笑)。でも僕も30越えてから自分を何個か持っていられるっていうことがちょっと楽しくなってきて。だから逆に言ったら、どれが自分なのかわかんなくなるときもあるんですけど。でもまあ全部自分だからいいかなと思っていて。
MAGUMI そういうのがやっぱり面白いよね。曲調によって自分の見せ方を変えたりして、そうすることで音楽の幅を広げられるからね。あと無駄な動きをしてるように見せつつ、ちょっと省エネな動きで大きく見せられるようなテクニックがいっぱいあるから(笑)。
ノブ 大人だ……! でも僕はもっと行きますよ。おとなしくなったって言われたらけっこうショックだな。
MAGUMI ああ、それショックだよね。俺も「老けたんじゃない?」とか言われても別に気にしないけど、「最近地味になったんじゃない?」とか言われたらすごく嫌。
ノブ そうですよね。
MAGUMI でも大丈夫! 俺らは落ち着けないから。結局小学校から俺たち何も変わってなくて、男っていうのは死ぬまでアホだから。
ノブ でもやっぱりそのアホさがあるから生きていけるんだと思います。
MAGUMI ノブはこのまま自分の思うようにやってくれればいいよ。まあただ地味になったときには注意するけどね(笑)。
ノブ あはは(笑)。ありがとうございます! 僕は落ち着かないままでいるので安心してください(笑)。
- ニューアルバム「Demonstration」
- 2014年5月14日発売 / ATSUGUA RECORDS / 3240円 / ATS-52
- 収録曲
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- Beautiful World
- Parting Dance
- Q Dub
- 死角のシルエット II
- Electric Discharge
- Demonstration
- 砂の家
- 水槽
- Abracadabra
- Back Yard
- トルコ行進曲
- Liar
- Good Bye Sunshine
- ニューシングル「Electric Discharge」
- 2014年5月14日発売 / ATSUGUA RECORDS / 1080円 / ATS-51
- 収録曲
-
- Electric Discharge
- 死角のシルエット
- Ghost Town
MAGUMI AND THE BREATHLESS
(マグミアンドザブレスレス)
MAGUMI(Vo, Tp)、永井秀樹(G, Cho)、袴塚徳勝(B, Cho)、カサマツマサヨシ(Dr)、島本亮(Key, Sax, Cho)、直江誠治(Per)からなる6人組バンド。LÄ-PPISCHのフロントマンとして知られるMAGUMIのソロアコースティックユニットにリズム隊を加えて2009年に結成された。2011年に2枚のシングルと1stアルバム「delight」をリリース。その後3年間はライブを中心に活動してきた。そして2014年5月には2ndアルバム「Demonstration」とシングル「Electric Discharge」を2タイトル同時リリースする。
the telephones(テレフォンズ)
2005年に埼玉県浦和にて結成されたロックバンド。メンバーは石毛輝(Vo, G, Syn, Programming)、岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek)、長島涼平(B, Cho)、松本誠治(Dr)の4人。ポストパンク / ニューウェイブにも通じるダンスロックサウンドで各地のフェスを席巻し、2009年にEMIミュージック・ジャパンと契約。同年7月にアルバム「DANCE FLOOR MONSTERS」でメジャーデビューを果たした。2011年にはバンド史上最大規模となるさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブ「SUPER DISCO Hits FINAL !!! ~そして伝説へ~」を開催し大成功を収める。その後もコンスタントに新作をリリースし、2013年7月には初となる東京・日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ、9月にはPOLYSICSと合同で初のヨーロッパツアーを敢行するなどその実力は世界でも認められはじめている。そして2014年6月、最新アルバム「SUPER HIGH TENSION!!!」をリリースする。
2014年5月16日更新