架空使てんる、“誰かがいる状況”に感激
──MADMEDはデビュー以来かなりライブをやっている印象ですが、月にどれくらい出演しているんですか?
ぺこ 5月は24本。
妖メ その前は22本。
虎 この間、ツアーの仙台公演がちょうど100本目だったんですよ。
妖メ 4カ月ちょっとで100本!
──すごいですね……。ソロとして活動していたてんるさんは、再びグループアイドルとして活動を始めてどうですか?
てんる MADMEDは世界観がムズかったんですよね。てんる、自分の世界がしっかりある子だから。MADMEDの世界観を壊しちゃダメだと、それに合わせるにはどうしたらいいんだろう?って悩んでたんだけど、最近は自分の個性とMADMEDの世界観を合わせたいい感じの見せ方がわかってきた気がする。だから、今のほうが自信を持ってパフォーマンスができるようになった。いい感じに合わせられたな、自分。
──全部自分1人でやってきたからこそ感じるもの、頼れる仲間ができたことは大きいですよね。
てんる うん。ソロのときは自分がいなかったら何も始まらないし、何も進まない。ソロのときに喉を壊して手術をしたんです。そういうトラウマもあって、声の調子が悪いだけでガバッと気持ちが落ちて、息が荒くなっちゃう……。でもそうなっても、声をかけてくれる子たちがいる。それだけでもう全然違う。今までは本当に誰もいなかったから。ステージに立つのもいつも1人だったし。自分が落ちたときは自分でどうにかしていたから、誰かがいる状況が素敵すぎて。
虎 「健やかなるときも~、病めるときも常に~♪」(「まじかるはっぴえんど」てんるパートの歌マネをしながら)
てんる 全部自分で背負ってたけど「頼っていいのか」と思った分、「じゃあ、歌をもっとこうしようかな」とか考えられるようになったから、余裕が持てるようになった。
──いいグループに入りましたね。
てんる (皆に向けて発音よく)Thank you!
──てんるさんは、もともと神奈川県厚木市のライブハウスThunder Snake ATSUGIを拠点にソロ活動していたんですよね。
てんる そうなんです! いきものがかりがインディーズ時代にワンマンをしてたことで有名なハコで。
一同 ええー!
てんる そこの店長さんにお世話になっていて、ソロで1年間毎月ワンマンをしてたの。そこから拠点を東京に移して。いいステージパフォーマンスができるように育ててもらったから、今のてんるがある。だからいつか恩返ししなきゃ。サンスネ(Thunder Snake)、いいハコですよね?
──めっちゃカッコいいハコです。ステージの緞帳が幕じゃなくてガレージのシャッターなんですよね。いきものがかりもそうだし、夕闇に誘いし漆黒の天使達もホームにしています。ヴィジュアル系バンド、シドのベーシスト明希(AKi)さんは“原点であり聖地”と言っていて、ソロツアーの初日は今でも必ずThunder Snakeです。
てんる きれいだし、アメカジっぽい雰囲気で、ネオンがあって、ステージが高くて、音もいい。あんないいハコは都内でも見たことない!
虎 よし、凱旋ライブしなきゃ!
一同 おー!
MADMEDを壊したくない
──邪夢さんは、MAD MEDiCiNEからMADMEDへと活動を引き継いだ唯一のメンバーということで、プレッシャーも大きかったと思います。
邪夢 前は1人で戦わなきゃ、がんばらなきゃと思ってたけど、今は逆に私がメンバーに支えられてるなってめちゃくちゃ思っていて。自分のキャパがオーバーして、しんどいときは特に支えられています。それにメンバーの成長速度がすごく速いから、それが見ていて楽しい。自分のことだけじゃなくて、メンバーの成長を日々見られることがすごくうれしいです。逆に言えば、これだけがんばってるのに、なかなか結果につながらなかったときは本当に悔しいし……。そういう思いは前より感じるようになりました。でも、だからこそもっとがんばろうと思える。このメンバーでよかったな。
──今年5月にメンバーが7人から6人になるという、グループとして乗り越えなければならない大きな困難がありました。
妖メ メンバーが欠けたときの大変さも、つらさも怖さもしんどさも、全部身に染みてわかったから、自分は周りにそう思わせないぞという強い心を持てた。ファンの悲しむ姿も見たから……。
沼 邪夢や堤さんが守ってきてくれたMADMEDを壊したくないという思いが一番強いです。
ぺこ そこはより一層強くなったね。
邪夢 ありがたいです。
──困難を乗り越えたからこそ、団結した6人の思いがステージパフォーマンスにも現れていると感じます。
沼 そう思っていただけたらうれしいです。だから私はたくさんがんばっていくしかない。それと前よりパートが増えたから! そこはありがとう。うれしいし、もっとがんばろうという気持ちになれました。私は(グループから)抜けないからね! 強気でいきますよ。
──グループとしては言葉で語るよりも、前に進むしかない。
邪夢 言いたいことはたくさんあるはずなんだけど、うまく言えないことのほうが多いというか……。
てんる 何を言ってもトゲになりそう。
ぺこ これからの6人を見てくれたら。全部ステージに出します!
虎 僕たちの本気度が音楽で伝わればいいなと思ってるんです。見ての通り、しゃべるのが下手くそなグループなんで。でも音楽として伝えていくことは得意なグループだと思うんですよね。
来てくれたら全部伝えるから
──現在、そんな6人の思いを伝えていくツアー「劇毒ケミカルトリップ」の真っ最中です。
邪夢 ものすごくやる気に満ちあふれてます。撮影可能曲もあるし、やることがたくさんありますし。新曲が出るスパンもヤバいよね。「アシストール」「アンヘドニア」「毒葬」と、もう3曲出たんで。
妖メ 3週間で3曲!
ぺこ 1週間に1曲、新曲リリースってすごいよね。ありがたいことです。
邪夢 この6人での初のツアーだからこそ、懸ける思いはデカい。「6人でも平気なんだ」じゃなくて、「この6人がいい」って、このツアーでたくさんの方にそう思ってもらえるツアーにしたい。
──ツアーの目玉はなんでしょうか?
沼 8月5日のファイナルが1円! 初参戦チケットが1円なんです! 私だったら行きますよ、絶対! 無料ではなく1円なのが「ナンバーワン!」って感じがしていいです!
虎 でも逆に8月5日まで観に来てくれないのはちょっと寂しい。それまでにライブ参戦しちゃったら、それ使えないから。
一同 確かに!
──ライブ初参戦の人に、見てほしいポイントなどはありますか?
ぺこ 来てくれたら全部伝えるから、とりあえず来てほしい!
てんる 6人ステージに立ってるから、1人ひとりの個性を見てほしいな。推しを決めるのもアイドルの楽しみ方だしね。MADMEDは個性がいっぱいあるから、1人ぐらい刺さってもおかしくないよね。6人の個性がバラバラなのはホントすごいと思う。そこに注目して見てほしいです。
──撮影可能曲に関してはどうですか? 前のツアーで初の試みとしてやられていましたが。
沼 やっぱ撮られてるから、ちょっと気を使って歌うところはありますね。意識してないと怖いなあ、みたいな。
てんる でもうれしい。その場じゃなくて、それ以外の人にも届く可能性があるんでしょう?
虎 あと勉強にもなりますね。運営さんたちが撮ってくださる定点映像は一番後ろからのアングルだから、いつも見えない部分まで見える。もうずんどこ毛穴まで丸見え!みたいな感じ。自分以外のほかのメンバーについても「ここでこんなことしてたんだ」みたいな発見があって勉強になります。
ぺこ 周りのメンバーを見て「ここ、めっちゃ成長した」とか「この部分、こんなに表情豊かなの?」みたいな。ライブ中は見えないからね。「こういうレスをしてるんだ」とか。1人ひとり成長してるのがめっちゃわかるし、逆に自分を見て「ここ、こんなキモいんだ……直そう」って思うし(笑)。
──メンバー同士、パフォーマンスについて何か言い合ったりします?
虎 僕はよくてんるに「ここどうやって歌えばいいと思う?」みたいなことを常に相談してます。助かってます。ありがとうね。
てんる えへへ。
──では最後にツアー後半戦に向けての意気込みをお願いします。
虎 やっぱりツアーファイナル、LIQUIDROOMのチケット完売を目指したいです。MAD MEDiCiNEが現体制終了したハコでもあるので、それなりの思い入れがありますから。
──邪夢さんはLIQUIDROOMへ“帰ってくる”ことになりますが、その思いはどうでしょうか。
邪夢 より進化した自分を見せられたらいいなと思います。前回はMAD MEDiCiNE 5人でものすごいステージができたんで……あの感動を超えられるかどうかはちょっと不安もありますけど……。そこに負けないようにじゃないけど、それ以上のものを届ける気持ちで挑みたいです。
着物デザイナー・石川成俊による気鋭の着物ブランド。「今の時代に生きるからこそ表現できる新しい日本の美を求めて、色を身にまとい、艶やかに、美しく、強く」を謳い、ビビットな色彩とエッジーな世界観をモチーフに、独創的で強烈な個性を放つ。香り立つ色味に大胆な柄付けといった目を見張る奇抜なデザインとは相反するような繊細さを持ち、ただの派手な着物に収まらないのが特徴。イギリス・ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館にオリジナルデザインの着物等一式が永年収蔵されている。
なお石川は「マーキュロ」「ガラチア帝都物語」といった演劇で広く知られる劇団・東京グランギニョルの出身で、現在も若い世代を中心に多くの人から愛されている「ライチ☆光クラブ」の“ニコ”としても知られる。
公演情報
MADMED7大都市単独ツアー「劇毒ケミカルトリップ」
- 名古屋編
2025年6月11日(水)愛知県 名古屋ReNY limited
OPEN 18:00 / START 19:00 - 仙台編
2025年6月21日(土)宮城県 enn 2nd
OPEN 18:30 / START 19:00 - 札幌編
2025年6月28日(土)北海道 PLANT
OPEN 14:00 / START 14:30 - 福岡編
2025年7月13日(日)福岡県 福岡ポケット
OPEN 12:30 / START 13:00 - 大阪編
2025年7月20日(日)大阪府 amHALL
OPEN 18:00 / START 19:00 - 広島編
2025年7月27日(日)広島県 SIX ONE Live STAR
OPEN 18:30 / START 19:00 - ファイナル公演
2025年8月5日(火)東京都 LIQUIDROOM
OPEN 17:00 / START 18:00
プロフィール
MADMED(マドメド)
「狂おしいほど、依存して」をコンセプトに活動する6人組アイドルグループ。2025年1月7日に活動を終了したMAD MEDiCiNEを引き継ぐ形で、同グループのメンバー・那月邪夢を中心に1月27日に始動。激しく打ち鳴らされるデジタル×ゴシックなビートとメンヘラチックな歌詞の融合、ダークファンタジーに徹した世界観はアイドルファンのみならず、ロックファンやZ世代をも巻き込み、国内外で幅広い支持を得ている。“アイドル界の魔王”の異名を持つ那月邪夢のTikTokのフォロワーが35万人を超えるなど、インフルエンサーとしての影響力も大きい。