ナタリー PowerPush - THEラブ人間

“恋愛至上主義”を謳う5人組 渋谷クアトロ初ワンマンに挑戦

普通の人が歌う普通の歌

──ライブ活動とCDを出すこと、それぞれどんな思いで取り組んでいますか?

CDを作るときに意識しているのは、「50年後もちゃんと聴ける」ってこと。別に古くなってもいいんですよ。僕はすごく普通の人だから、みんなが思ってるようなことをそのまま歌ってるだけなんです。でも、普通の人が歌う普通の歌だからこそ、50年後の普通の人にも絶対届くんじゃないかなって。

インタビュー風景

──ライブのほうはいかがですか?

ライブはもうその一瞬です、CDとは逆に。その刹那が一生残ればいい。1回会ったらもう二度と会わなくても大丈夫なぐらい、その一瞬ですべてを出してます。この先、お客さんが集まらなかったり、CDが売れなかったりしたら食っていけないけど、でも本当の核の部分では、もう二度と会わなくてもいいっていう気持ちでライブやってます。

──THEラブ人間はすごい本数のライブをこなしてますよね。

2009年と2010年は月10本から15本。個人的には、弾き語りも呼ばれたものには全部出るって決めていて、2010年は弾き語りとバンドあわせて230本やりました。

インタビュー風景

──ライブが活動の中心と言ってもいいですか?

そうですね。THEラブ人間を組むまでは、人に会いに行くとか目を見て話すっていうことからずっと逃げてきたところがあったんで。それがTHEラブ人間を組んでから、できるようになったんですよね。たぶん僕1人じゃできないから、4人がいて良かったと思います。

──何か心を開くきっかけになった出来事があるんですか?

それは、曽我部さんですね。サニーデイ・サービスは前からずっと聴いていたんですけど、大学3年ぐらいのときに曽我部恵一BANDの渋谷CLUB QUATROワンマンを観に行って。そのライブがものすごかったんです。「俺、ここにいる!」みたいなライブで、「わぁ、この人、めちゃくちゃ感情を出してるな」って。そしたらなんかニヤけちゃって。自分では本気で音楽をやってると思ってたのに、なんでこんなに感情をひた隠しにしてたんだろうって。それで気持ちを出してみようかなって思って、人とバシッと向かい合う音楽をやるようになったんです。お客さんと一体になるとかは全然興味ないんです、僕は。でも、お客さんの目を見て話すライブをソカバンがやっているのを見て、自分もそれをやろうと。曽我部さんすごいですよ。

完全に誰もついて行けないところまで行きます

──克服したい課題やチャレンジしていることは?

もっとがんばれるかなぁ、ってことかな。1日をもっと有効に使えると思うし。みんなに「忙しそうだね」とか言われるけど、もうちょっと24時間をちゃんと使えそうな気もするんですよね。次の休みがいつだかわかんなかったりするけど、まだいろいろできると思うから。克服したいことは、部屋の掃除をすることと、金を貯めること。

──お金貯めて何するんですか?

いや、結婚したい(笑)。マイホームはね、うちの兄貴がダイワハイスで働いてるんでダイワハウスにします(笑)。

──では最後に、7月の渋谷CLUB QUATROワンマンに向けての意気込みと、その後に控えているデビューアルバムについて聞かせてください。

ワンマンは、いつもどおりのTHEラブ人間のライブを、いつもよりちょっと長くやります。ワンマンだから特別に何かしたいとかは思わなくて、とりあえず「まずは、やっとここまで来ましたよ」っていうことを言いたいです。それこそお客さんや、俺達のこと見つけてくれた人たち、今までライブハウスに出してくれた人たちに。で、こっから快進撃ですね。完全に誰もついていけないところまで行きます。次のアルバムも、これから先のライブも全部、「もうお前らついてこれない」っていうものになると思います。同業者は、もう相手になんないです。お客さんたちには、信じてくれた結果をちゃんと残したい。「今年のTHEラブ人間どうですか?」ってのを、毎年初ガツオ的に出していきたいですね。「今年もうちのカツオいいっすよ」みたいな感じで、一生その人の寿命が途切れるまで流れる音楽を作りたいです。

インタビュー風景

1stシングル「砂男・東京」 / 2011年5月11日発売 / 500円(税込) / 喫茶恋愛至上主義 / PTA-0001

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CD収録曲
  1. 砂男
  2. 東京
THEラブ人間
初のワンマン開催決定!!
2011年7月15日(金)

邂逅ツアーファイナル
THEラブ人間の単独演奏会~はじめてのラブレター~
会場:渋谷CLUB QUATTRO
開場時間:18:30
開演時間:19:30
チケット代:2500円(ドリンク代別)
チケット発売日:6月11日(土)
プレイガイド:

THEラブ人間(らぶにんげん)

金田康平(Vo)、谷崎航大(Violin)、おかもとえみ(B)、服部ケンジ(Dr)、ツネ・モリサワ(Key)によるロックバンド。2009年1月、金田が中心となり結成され、同年4月に早くも自主制作音源「恋街のすたるじい」を発売する。2010年8月には、都市型フェスティバル「SUMMERSONIC」への出演権を賭けたオーディション企画「出れんの!?サマソニ!?」を勝ち抜き、「SUMMER SONIC2010」幕張公演に出演を果たす。また同年9月にツアーファイナルとして下北沢のライブハウス3会場を貸し切り「THEラブ人間決起集会『下北沢にて』」を実施し、成功に収める。全曲の作詞作曲は金田が担当。リアリティを重視した歌詞と叙情的なサウンドで注目を集める。2011年5月、1stシングル(初全国流通盤)「砂男・東京」をリリース。さらに7月15日に東京・渋谷LUBQUATTROで初のワンマンライブ「THEラブ人間の単独演奏会~はじめてのラブレター~」を開催し、8月にビクターエンタテインメントからメジャーデビューすることが決定している。