今の状況ともリンクした全英語詞の「Come Alive」

──全英語詞の「Come Alive」は壮大なバラードです。リトグリの歌の実力と表現力がこれでもかと発揮された1曲ですね。

かれん　英語詞は今までだとアップテンポな曲が多くて。英語詞のバラードは珍しいですし、サウンド的にもピアノがメインのシンプルなアレンジで歌っているので、メンバーそれぞれの声の個性が生きる仕上がりになったんじゃないかと思います。ただ、音数が少ないからこその難しさもあって。ネイティブの方に発音を1つひとつ丁寧に指導していただきながらがんばりました。

MAYU　私は英語詞が得意ではなくて、「英語の曲を入れよう」となったらいつも一旦落ち込むんです（笑）。曲は素敵だから歌いたいけど、「自分に歌えるのかな。うーん……」って。「Come Alive」もそうで、発音を教わりながら歌っていても自分で違いがわからないときがあるんですよね。不安だったのに「今のが正解」と先生に言われたりして、さじ加減が本当に難しいなって。日本語の曲を歌うよりもすごく頭を使うし、気も遣いました。

かれん　英語って、会話の中だと普通に発音できている言葉も音程に乗せた途端に難しくなることがあるんです。

アサヒ　私も英語はいつも苦戦してますね。さっきMAYUが言ったように、「今のが正解」と言われてもピンと来ないことがよくあります（笑）。

かれん　私は英語詞で歌うことは好きですが、完璧な発音ができるわけではないので、いつも指摘されながらがんばっています。今回もすごく細かいところまで指導を受けて大変だったんですが、その甲斐あって、いい仕上がりになったんじゃないかな。あと「Come Alive」は歌詞も今の自分たちにピッタリ。タイトルは“よみがえる”という意味なんですが、歌詞全体からも「もう一度立ち上がって前に進んでいく」といった強いパワーを感じて、今の自分たちの状況とリンクしてるなって。聴いてくれる皆さんも、まだまだ大変な日々を乗り越えようと努力されてると思うので、そんな方たちに寄り添って、一歩踏み出せる力を与えられたらなと思いながらレコーディングしました。

リトグリの明るい未来に向かって

──ラストナンバーは新曲「WONDERLAND」。このアルバムを象徴するような希望あふれる1曲だと思いました。

かれん　ワクワクする要素がたくさんあって、ライブでお客さんと一緒に歌えたら楽しそうだなって。間奏はちょっと不思議で面白い構成になっているので、そこも注目してほしいです。

アサヒ　最初に聴いたときは遊園地みたいだなと思ったんです。メロディの高低差や、口を速く動かさないといけなかったりして、難しい部分も多かったですね。

MAYU　さっき言っていただいたように、この「Journey」というアルバムにピッタリで、締めくくりとしても最高の1曲だなと思います。歌っていて、旅行に出かける前の胸が高鳴る気持ちを思い出す感覚がありました。あと歌ってみると意外と難しくて、タイミングやリズムに気を付けながら集中してレコーディングしました。

かれん　アップテンポの曲ってそこまで難しそうに聞こえないと思うんですが、速いからこそ音程の高低差があると苦戦するんです。だからこそ「WONDERLAND」は本当に皆さんに聴いてほしいと思う1曲というのもあるし、アルバムの最後にしたのは、ここからリトグリの明るい未来に向かって進んでいきたいという気持ちを込めたかったから。「心に空を」で温かい気持ちになってもらって「WONDERLAND」で楽しく終わる、全体を通してワクワクしてもらえるようなアルバムになったのかなと思います。

3人でも5人でもリトグリはリトグリ

──4月28日からは3人体制として初のライブツアー「Little Glee Monster Live Tour 2022 Journey」がスタートします。未知なる挑戦になりますね。

かれん　もともとはmanakaも含めた4人で回る予定だったんですが、manakaがお休みすることが決まって（参照：Little Glee Monsterのmanakaが突発性難聴により休養、ツアーは3人体制で開催）。1月の中野サンプラザホール公演を中止にしてファンの皆さんに申し訳ない気持ちもありましたし、今回はなんとしてでもやりたいと思ったんです。楽しみにしてくださってる皆さんの期待に応えたいという思い、そして私たちの「リトグリが大好き」という気持ちも強かったので、たくさん話し合った結果、3人でステージに立つことを決めました。

──パートの再構築も必要でしょうし、既存の曲を3人で歌うって相当大変だと思うんです。覚悟を持って決意したんですね。

MAYU　今、リハをしていますが、ほぼほぼ新曲みたいな感じです（笑）。

かれん　歌割りもコーラスも全部覚え直してるので。

MAYU　一旦リセットですね。自分が今まで歌ってなかったパートをイチから覚えているので。もちろん大変ですけど、そんな中でも3人の新たな成長や個性というものを見せたいなと思いますし、見せられるということを私たちはポジティブに考えていて。まさかこれを聴けるとは……と思ってもらえるような曲や喜んでもらえる演出も考えているので、とにかく楽しみにして来てほしいです。私たちもファンの皆さんにとっても楽しいツアーになったらいいなと思ってます。

アサヒ　5人から4人よりも、4人から3人がすごく大変だなって今まさに実感しています。リハのやり方も全然違いますし。でもだからこそ、今まで歌ってこなかった曲で「このメッセージ性いいよね」と3人で話して歌うことになった曲もあるし、今回は“3人だからこそ歌える歌”を聴いてもらえたらいいなと思っています。

かれん　前向きにがんばっているので、「3人はレアだな」くらいに思ってもらえたら。3人でも5人でもリトグリはリトグリですし、3人でも満足してもらえるようなライブを必死に考えているので。変わらず応援していただけるとありがたいです。

──実は今日、3人がどんなテンションなのかわからなくてちょっと緊張していたんです。でも、ポジティブなモードが確認できてホッとしました。

かれん　やっぱりメンバーの存在が大きいかもしれないです。1人だとすべて自分で背負わなきゃいけないけど、私たちは3人で分け合えるので。歌のパートで大変なところはお互い交換したり、支え合ったりしています。

MAYU　お互いに心のケアみたいなこともしながら（笑）。冗談を言って楽しく発散するところはしながら、毎日活動しています。別に無理しているわけでもなく、前向きにがんばりたいな、がんばるしかないなという気持ちは3人とも一致していますね。

かれん　3月末、仙台で開催された「復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト2022」に3人で初めて出演したんです。私たちも最初は不安だったのですが、生で観てくれた方や配信で視聴してくださった方から「よかったよ」という温かい声が多くて。「3人のパフォーマンスもよかった」という反響もいただけてホッとしましたし、何よりのツアーの原動力になりました。

アサヒ　ファンの皆さんの言葉にすごく支えられている部分があるので、私たちも歌で皆さんに恩返しができたらなと思います。