音楽ナタリー PowerPush - Little Glee Monster
実力派JC&JK6人組ユニットがメジャーデビュー作でさらなる高みへ
Little Glee Monsterが1stシングル「放課後ハイファイブ」で待望のメジャーデビューを果たした。13~16歳の女子中高生6人から構成される彼女たちは今年3月にプレデビューCD「Little Glee Monster」をリリースして以降、テレビ番組への出演やロックフェスへの参加など精力的な活動を続けてきた。そんな注目度が高まる中に発表された今作は、年齢を感じさせない力強いボーカルと洗練された表現力がたっぷり楽しめる1枚に仕上がっている。
今年3月の特集にて人生初のインタビューを経験した彼女たち(参照:Little Glee Monster「Little Glee Monster」インタビュー)。あれから7カ月を経て彼女たちは何を学び、何を得たのか。今回のインタビューでは彼女たちの成長の過程や今後の夢が、素直な言葉で明かされている。
さらに特集後半では、リトグリが新たにスタートさせた企画「#リトグリの放課後ライブ」第1弾の様子をレポート。当日の写真とメンバーのコメントなどを通じて、現場の熱気を感じてほしい。
取材・文 / 西廣智一 撮影(P.3以外) / 笹森健一
お客さんの盛り上がりに自分たちが左右された
──今年3月にプレデビューCDをリリースして7カ月経ちましたが、それ以前と比べて何か大きく変わったところはありましたか?
manaka 3月にミニアルバムをリリースしたあと、全国ミニライブツアーをしたんですけど、各地でお客さんが多いときと少ないときの差がすごくて。ショッピングモールでライブをしても誰も足を止めてくれなかったり、そういうことも多々あって以前よりも大変さを実感するようになりました。
──お客さんの数で一喜一憂することが増えたわけですね。
manaka はい。あと、お客さんに飲まれるってことも初めて経験しました。自分たちがお客さんを楽しませなきゃダメなのに、お客さんの盛り上がりに自分たちのパフォーマンスが左右されたりとか。
──そこでパフォーマンスに差が出ないようにするために、みんなで相談はした?
芹奈 しました。
manaka 最終的にステージに立つ自分たちが精一杯楽しんだときにお客さんも楽しんでくれるんだってことに気付けて、そこからライブがすごく楽しくなったんです。
──それはいつ頃のことですか?
芹奈 5月のライブハウスツアーのときかな。そのツアーでいろんなアーティストの方と競演したことで学んだことがたくさんあったので、かなり成長できたんじゃないかと思います。
かれん 中には今まで自分たちが出会ったこともないような衝撃的なアーティストさんもいて。そういう人たちを観ることで、私たちに足りないものも見つけられました。
──その自分たちに足りないものというのは?
manaka MCでのトーク力かな。MCが下手っていうのはメンバー全員にとってもコンプレックスですごく悩んでたんですけど、ツアーでいろんなアーティストさんのMCを観て、こういうふうにリラックスしてお客さんに話しかけるといいんだと、いろいろ勉強できました。
メンバーというよりも家族みたいになってきた
──ほかにこういうことを学びたい、身に付けたいという課題はありましたか?
麻珠 私は低音を出すのがすごく苦手で。でもいろんなジャンルの歌を歌いたいんでもっと声域を広げて、高いところから低いところまで出せるようになりたいと思ってました。
かれん 私は芹奈やmanakaみたいにそこまで声量がないんで、逆に“引き算”できるようになりたいなと心がけて歌ってます。
──引き算、ですか?
かれん はい。ただ全力で歌うだけじゃなくて、ときには力を抜いてみたりして。でも引き算もどこを抜けばいいのかが難しいので、そういう歌い方をこれからも学んでいきたいです。
MAYU 私は声がハスキーで、高音をそのままストレートに出すのが苦手なんです。そう考えたときに、自分が声質的に歌で目立てるのはファルセットかなと思って、そこで自分の個性を出していけたらいいなと思ってました。
かれん メンバーの中でMAYUのファルセットが一番キレイなんです。
manaka 自分よりもメンバーのほうが自分の声のことをわかってることが本当に多くて。そういうときに、メンバーというよりもだんだん家族みたいになってきたなと感じるんです。
──それだけ結束が強まってるんですね。
芹奈 はい。絆は以前よりも強くなったと思います。
manaka 結成当時は思ってることがあっても自分1人で抱え込んだりとか、相談するってことがあんまりなかったんですけど、一緒にいる時間が増えてくるにつれて、注意しにくかったことがサラッと言えるようになって。ありのまま、みたいな(笑)。
デビューが決まってから意識が高くなった
──今年の夏はいろんなイベントやフェスにも出ましたよね。大先輩と競演したり、それこそアメリカのアカペラグループ、Pentatonixともコラボしたり(参照:リトグリ明日「スッキリ!!」でパフォーマンス)、1年前と比べたら考えられなかったようなことも増えましたよね。
manaka そうですね。ゴスペラーズさんみたいに、私たちにすごく優しくしてくださる先輩方もたくさんいて。皆さん気さくな方々で、私たちみたいにまだ全然名前も知られてない新人に対しても歌について優しく教えてくださって、自分たちもそういう先輩になりたいなって思いました。
アサヒ 「一緒にがんばろう」とか言ってもらえると、すごくうれしくて。
──そういう意味じゃ、この7カ月間に得たものってかなり大きかったんですね。
全員 はい!
──そして8月にはメジャーデビューが発表されました。
manaka メジャーデビューが決まってからは、いろんなことに対して意識は高くなりましたね。例えばメンバーそれぞれが喉に注意するとか。忙しくなると喉のコンディションを崩しやすくなるので、お互いのことを気遣うようになったし、メンタルのケアとかもメンバー同士でちゃんとするようになりました。そういうときに、同じ年代の子たちがいるグループで本当によかったなって思うんです。
──にしてもつい先日、ファン感謝祭をやったばかりなのに(参照:リトグリ、ファン感謝祭で圧巻パフォーマンス)、もうメジャーデビューですね。
麻珠 9月の後半だから……あっという間でしたね!
MAYU 気持ちが付いていけてないです(笑)。
アサヒ 1カ月経ったんだ……。
manaka デビュー前からすごく忙しくさせていただいたので、こういうインタビューのときに「あ、私たちメジャーデビューするんや」って改めて実感するんです。
かれん あー、わかる。
──意外とそういうものなんですね。「あと○週間でデビューだ」とか、自分の中で意識することもなく?
かれん 日々のお仕事に集中していたら、いつの間にかデビューが近付いてたっていう感じですね。時が過ぎるのがどんどん速くなってるし。
次のページ » アサヒの新しい部分が出た「放課後ハイファイブ」
- メジャーデビューシングル「放課後ハイファイブ」2014年10月29日発売 / Sony Music Labels
- 初回生産限定モンスター盤[CD+DVD]1700円 / SRCL-8628~9
- 初回仕様限定盤 [CD]1300円 / SRCL-8630
CD収録曲
- 放課後ハイファイブ
- 空は見ている
- ダイヤモンド
- I Want You Back
- 放課後ハイファイブ -instrumental-
初回生産限定モンスター盤DVD収録内容
- 放課後ハイファイブ Music Video
Little Glee Monster(リトルグリーモンスター)
ソニー・ミュージックレコーズとワタナベエンターテインメントが主催した「最強歌少女オーディション」の合格メンバーを中心に、2013年5月より活動をスタートさせた6人組ガールズボーカルユニット。メンバーは芹奈(16歳)、アサヒ(15歳)、麻珠(16歳)、MAYU(15歳)、かれん(16歳)、manaka(13歳)と2014年10月現在全員中学生&高校生で、その卓越した歌唱力によるハーモニーやコーラスを生かした名曲カバーがライブやYouTubeで話題を集めている。2014年3月、プレデビューミニアルバム「Little Glee Monster」をLoppi&HMV限定でリリース。同年夏には「SUMMER SONIC 2014」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」などのロックフェスにゲスト出演したほか、アメリカ出身のアカペラグループPentatonixと共演して知名度を高める。10月29日、シングル「放課後ハイファイブ」で待望のメジャーデビューを果たした。