HOME MADE 家族は自分たちだけのものではない

──そんな節目の前に、ベスト盤がリリースされました。こちらはデビュー10周年の際に出された「家宝 ～THE BEST OF HOME MADE 家族～」とは違って、ファンからのリクエストをもとに収録曲が決められました。旅立ちの前のファンに向けてのプレゼントなのかなと。

KURO　ま、お歳暮みたいなものですね（笑）。

──曲順にメッセージも込められてますよね。ファンに感謝する「サンキュー！！」に始まり、自分たちが新しい一歩を踏み出すことを示唆する「スターとライン」で終わる。ちなみに、皆さんはリクエストの結果を見られてどう感じられましたか？

KURO　ラインナップに意外性はなかったんですけど、リクエストと合わせてメッセージももらって、改めて曲って一人歩きして、その人の人生の一部になってくんだなって感じましたね。HOME MADE 家族は3人から始まりましたが、20年経つとファンと作ってきた歴史があるんですよ。もはや自分たちだけのものではないというか。なので、休止前のベスト盤をファンと一緒に作るというのは適切だと思うんです。

──ファンと作った1枚ではありますが、ベスト盤って新しいリスナーを獲得するきっかけにもなりますよね。

U-ICHI　ええ。初めましての人には、HOME MADE 家族がどんなグループなのか、これまでどんな曲を作ってきたのかわかると思います。

──ベスト盤には「つないでいこう」という新曲も収録されます。

MICRO　はい。HOME MADE 家族っていうグループ名なんで、俺らは結成時から家族っていう言葉を心の中に置いて活動してきたんです。「血はつながってなくても、音楽を通して家族になれるんだぜ」って言ってるうちに、ファンとかスタッフとか本当の家族のように思えてきて。このグループ名が自分たちの生き方を示してくれたなって。この曲は、今の自分たちが家族をテーマに曲を作ったとしたらどういうものができるのかってことから生まれました。自分たちは今、親でもある世代だし、同時に誰かの子供でもあるんですよね。そのつながりを曲にできたらと思って。自分の命は自分のものって思いがちですけど、命って親からもらうものだと思うんですよ。自分は親から、親はおじいちゃんやおばあちゃんから……そしてその命はずっとつながってる。で、もらったものって大事にしなきゃいけないじゃないですか。そうしたら、自分の命も大事にできるんじゃない？っていうのが「つないでいこう」で出した答えですね。この曲ができてすごくよかったなと思ったし、ライブで歌ったときにすごい反響があって。今の自分たちが一番いいと思って作ったものが、いい反応をもらえて、さらにそれをベスト盤に収録できるのはうれしいです。

──タイトルの「LAST FOREVER BEST ～未来へとつなぐFAMILY SELECTION～」にはどんな意味が？

MICRO　「LAST FOREVER」って英語で永遠に続くっていう意味があるんですよ。HOME MADE 家族は永遠なので、戻ってくるまでこれを聴いて待っていてねという気持ちを込めました。

──12月にはベスト盤を携えての東名阪ツアーが行われます。

U-ICHI　あらかじめ予告はしてるんですが、ツアーはベスト盤を軸にした内容になります。でも、時間をあんまり気にしないでやりたいな。楽しい空気感を作りながら、みんなで1つになれたらいいなと思ってます。

KURO　俺は「ホントにいいグループだったなあ」って余韻が続くようなツアーにしたいです。ただあんまり湿っぽくしたくないというのもあって。新たな未来への門出だと思うので、エネルギッシュに終わりたいです。なんといっても、これからそれぞれ家を出て、1人で戦いに行くので。

MICRO　気持ちとしてはKUROと同じですね。あとは、俺ら3人が一番楽しむツアーにしたいなって。「あの3人、アホみたいに楽しそうだったね」「なんで休止するの？」って思われるくらいに盛り上がりたいです。