ツアーを終えて「ひとつ、夜が明けたな」

──まず、3月に終了した全国35公演のツアー「HOME MADE 家族 AKATSUKI TOUR 2011-12」の感想から教えてください。

MICRO　「AKATSUKI TOUR」という名前だけあって、ツアーが終わったときには、自分たちとしても「ひとつ、夜が明けたな」と感じられるツアーでしたね。「お客さんと共に楽しむ」というテーマがブレなかったし、やって意味のあったツアーだったと思ってます。

──KUROさんはツアーからどんなことを得ましたか？

KURO　僕はもう一度フレッシュさを手に入れた気がします。デビュー9年目に突入して、新鮮な気持ちになりました。

──その新鮮さって原点回帰みたいなこと？

KURO　原点回帰ではないです。ライブをこれだけ長い期間やって、メンバーと長い時間を過ごして、マンネリするどころか爽快な気持ちになれた。マラソンで言うと、ランナーズハイ状態で完走して、最終的に「やっぱり走るの楽しい！」「やっぱりライブは楽しい！」みたいな気持ちになれたっていう。

──U-ICHIさんはどうですか？

U-ICHI　ライブをやればやるほど、よりライブ感が出るというか、遊び心が出せるツアーだったと思います。これまではカチッと見せなきゃならないっていう気持ちがわりとあったんですけど、今回は同じルーティンでも、自分の中でちょっとずつ変えてみたり、その場その場で遊べるような場面があったから。そういうのは次のライブからもどんどん取り入れていきたいなと思ってますね。

これまでと違う引き出しを評価されている

──では、新曲「気分はまるでJackpot！」についてお伺いします。この曲はツアーの後半で既に披露されていましたが、いつ頃作った曲なんですか？

U-ICHI　タイアップの話をもらったのは、アルバム「AKATSUKI」をレコーディングしてるくらいの時期だったと思います。

──じゃあ、去年の夏頃？

U-ICHI　そう。最初は数曲作ってプレゼンしてみるっていう、ラフな感じだったんですよ。ディレクターからも「じゃあ、思い切って『バカボン』のサンプリングとかして作ってみれば？」っていうアイデアがあったりして、わりと自由な発想で作ってたんです。そしたら、先方から僕らの「FREEDOM」みたいな曲がいいです、っていうリクエストがあって。ただ、「FREEDOM」と同じ感じのものを作るのはイヤだったし、スカっぽい感じが入るものはあんまりやったことがないなと思って、そういうエッセンスを取り入れて作ったんです。

──サウンド作りで大事にしたところは？

U-ICHI　出だしはみんなで手を叩けるような感じにしようと。そういう入り方ってダンスミュージックっぽいですけど、でも、全体的にはロックっぽいノリにしようって、結構いろんなテイストをごちゃ混ぜにしたんです。

──今回はロックなギターの音が印象的でした。ギターリフが踊るように全編で鳴ってるし、他にも「バカボン」の声ネタとか、いろんな音が細かく入ってて、ホント騒々しい曲ですね（笑）。

U-ICHI　そうですね。その辺はパチンコホールを意識してたから。

KURO　あのギターの歪み感は「FREEDOM」と類似してますね。っていうか、今、水面下で動いてるプロジェクトもそうなんだけど、最近、「FREEDOM」っぽいものをっていう発注が多いんですよ。

──「FREEDOM」って、それまでのレパートリーとは方向性が違うロックテイストの曲だったじゃないですか。そういうものを求める声が多くなってきたことに関してはどう考えてるんですか？

KURO　僕もそこは思うところがあって。縦ノリ感とかを求められているんですかね？　ほかの人からは、今の僕らにそういうのがフィットしてるように見えるのかな？

U-ICHI　でも、そうやってこれまでと違う引き出しを評価されるのはうれしいことですね。考えてみると、「FREEDOM」みたいな、あそこまでアガれる曲は今までの僕らになかったのかも。というか、ダンスミュージックを意識して作ったものでは実はアガりきれてなかったっていうことなのかもしれないですね。でも、「FREEDOM」をライブでやると「こういう感じもアリだな」って思えるし、今回のようなリクエストがあって、そういう方面の引き出しをまた新たに出せたのは良かったかもしれないです。