中学生のギター女子にオファー

──今作では多彩な女性アーティストともコラボしていますね。

レーベルと事務所が同じNoaとはm-floさんの「let go」をカバーさせていただきました。僕が若い頃よく聴いてた曲で、発売からもう12年くらい経つんですけど、今聴いてもめちゃくちゃカッコいい曲なんでね。Naoとは慣れ親しんだ仲ですし、いいところも悪いところもお互い癖がわかってるから制作もしやすかったです。あとは「Don't be shy」でコラボした谷のばらちゃん。彼女、まだ中学生なんですよ。

──どおりで。少女のように甘くてかわいい声だと思ったら、実際に少女だったんですね。

そうなんです。のばらちゃんは僕の知人の姪っ子さんで、以前、彼女が自主で作ったCDをもらったことがあるんです。「なんか遊びでやってるみたいなんだけど聴いてやってよ」って言われて、帰りの車の中で聴いたら歌声にビックリして。

──透明感がすごいですよね。今の年齢だから出せる無垢な歌声なのかなと。

ホントそうなんですよ。で、「これは1回生で聴いてみたいな」と思って僕の主催したライブに出てもらったんです。もちろんデビュー前なんで誰も知らないから「はーい、僕がお薦めするのばらちゃんでーす」みたいに紹介して。その日の歌声も本当に素敵だったんで、今回ぜひ1曲やりたいなと思ってオファーしました。

──「Don't be shy」はアルバムの中でも飛び抜けてさわやかですよね。

中学生とコラボするってことで僕も何をやるべきか迷ったんですけど、のばらちゃんはギター女子なので彼女の特色も感じられるものがいいのかなと。アメリカンロックに四つ打ちが入ったちょっとトレンドっぽい音に、僕のラップを織り交ぜてみました。レコーディングではかなり緊張してたみたいなんですけど、もともとちゃんと歌える子なので始めたらあっという間に終了。まさに今しか切り取れない一瞬が収められたのかなって思います。

元SDN48大山愛未との「Dui☆Dui」は若い世代に人気

──元SDN48の大山愛未さんとコラボした「Dui☆Dui」はいかがですか？

彼女は普段からよく一緒に飲み歩く妹分のような存在でして。ライブも一緒に出たりしてるんですけど、愛未はとにかく歌の基礎がしっかりしてるんですよ。アイドル出身なのに……って言い方もあれですけど、歌唱力は抜群。それで今回一緒にやることになって、「どうせなら愛未が今までやったことないような、もろこっち側に寄った曲はどう？」って聞いたら「やりたい！」って言うんで、こういうアゲアゲなヒップホップチューンが完成しました。

──めちゃめちゃカッコいい曲ですよね。

ありがとうございます。僕、いつも曲ができたらいろんな年齢層にリサーチしに行くんですよ。「今から1時間いい？」って連絡して、アルバム1枚聴いてもらって「どれがよかった？」みたいな。今回は若い子のほとんどが「Dui☆Dui」って言いますね。僕の親戚の子供たちも「この1曲目がいい」って言ってました。

──あと気になったのが切ないミドルバラードの「Because of you feat. 84」。84さんってどういう方なんですか？

えー、彼は僕の飲み仲間で本業は絵描きです。

──それはまたビックリですね。

僕が今日着てるジャケットのペイントも彼が描いてくれたものなんですよ。ある日、飲みの席で「僕、カラオケ行きたいんですけど」って言うから行ったら歌がめちゃくちゃうまくて。僕、普段から仕事でいろんな歌い手さんの歌聴くじゃないですか？ それよりうまかったんですよね。その場に何人か歌い手さんもいたけど、もうそれ以降みんな歌わなくなるっていう。

──それはすごい。

それでぜひ一緒にやってみたいなと。本人もけっこう乗り気でやってくれましたね。

──ゲストが参加していない2曲についても教えてもらえますか？

「Colorful Travel」について言うと、僕は思春期にほぼ洋楽を聴いて育ちまして。頭であれこれ考えるより体で感じられるのが自分が思う洋楽の魅力で、海外のトップ40とかいまだにチェックして自然に体が動いたりするし、実はこういう音楽も好きなんだよねっていう一面もみんなに知ってほしくて作りました。「SAY GOOD-BYE…未来へ」は、「今は一緒にいられないけどお互い違うところでがんばってまた会おうね」っていう曲です。本当に気持ちを込めて作りました。いろいろなストーリーが1枚に入っているので、その思いをぜひ感じてもらえたらなと思います。