単純に1人で歌うより楽しい

──今作はもちろん、これまでの作品を振り返ってもLGYankeesはフィーチャリングゲストが参加するイメージがかなり強いと思うんです。

はい。僕の曲、ほぼフィーチャリングゲストがいます。

──ズバリ、フィーチャリングの狙いは？

まず相手に関していうと、僕にないものを持っている人、重なる部分はあるけど僕じゃ表現しづらい、または表現できないものを持っている人。あと僕には起こせないムーブメントを起こせそうな人に惹かれますね。そういう人たちと音楽で絡んで化学反応を起こすっていうのが僕のフィーチャリングに対する考えです。それに、単純に1人で歌うより楽しいんですよね。だから隣で歌ってても、よく相手の歌を聴いてます。好きだなって思う人の歌を、ちょっとしたオーディエンス目線で「いいね、いいね」って思いながら。

──2008年には小田和正さんとのコラボ曲「Dear Mama feat. 小田和正」を発表していますが、小田さんからプライベートな飲み仲間まで、こんなにフィーチャリングゲストの振り幅が広い人もちょっといないのかなと。

そうですね（笑）。むちゃくちゃって言ったらむちゃくちゃですけど、僕の中には1本、「この人とはこれがしたい」っていう何かが毎回必ずあります。あとまだ会ったこともない人でもテレビを観たり音源を聴いたりして勝手に「この人とやるならこんな感じかな」ってよく妄想してます。

──今まで何組の方とコラボしたんでしょうか？

たまに聞かれるんですけど数えたことないんですよ。今度数えてみます。あと最近は海外でも活動を始めていて、韓国の音楽番組に出させてもらったり、今後は中国にもLGYankeesの音楽を届けたいなと思っています。向こうのアーティストにも興味がありますし、韓国や中国のアーティストとのコラボにも期待してもらえたらと思いますね。

お茶の間に愛されるアーティストでいたい

──少し気が早いようですが来年はメジャーデビュー10周年です。改めてどんな思いで音楽活動を続けていきますか？

僕は普段からサングラスをかけていて服も派手なので、無法者とか荒くれ者みたいなイメージを持たれがちなんですよ。でももういい大人だし、いろいろ考えることもあるし、今はただシンプルにお茶の間に愛されるアーティストでいたいなって思います。中学生が僕のCDを家の車でかけたときに「こんなの聴いちゃいけません」って言われないような（笑）。

──あはははは。

で、親にも「こんな格好してるけど意外にいいこと歌ってるじゃん」って言ってもらえるような。僕、以前リリースした「マジありがとう」って曲が甲子園の応援でブラスバンドで演奏されてる動画を観たことがあるんですよ。それがすげーうれしくて。そんな感じで、シンプルにみんなに愛される曲をたくさん作っていきたいなって思います。僕も若い頃はね、カッコつけたことしか言えない時期もありましたよ。で、そんなヤツが急に「愛してる」とか歌い始めて「いやいやいや……」って離れていく人もいましたけど、人間誰しもが持ってる、人を愛する気持ちを音楽にしてダメってことはなくて。自分がそういうことを感じてるんだから歌っちゃいけないことはないなと思って、この10年はラブソングや失恋ソングが多くなってたんです。

──そうだったんですね。

それを経て今はいろんなことにチャレンジしたり、初心に戻ってみたり、トレンドに合わせた曲を作ってみたり。悪く言えばガチャガチャですけど、自分では毎回ちゃんと納得したものを送り出しているつもりです。さっきの甲子園の話じゃないですけど、決して迎合じゃなく、自然と「これいい曲だから使おうと思ったんだよね」って思ってもらえる曲を作っていかなきゃなと。2017年はひさびさの全国ツアーも考えているので、ぜひ遊びに来てもらえたらうれしいです。