シリーズのうちの第2話

──結果的に、3曲ともそういう歌詞になりましたね。歌詞のおかげもあってか、アレンジも優雅で想像力が掻き立てられる仕上がりですし。

ソラ　「影になる」のイントロとかも、ギターはシンプルで豊かな響きにできたかなと思います。「Wonder」はデモ段階からラブソングだったので、歌詞に影響を受けてフレーズを考えたところもありますね。「何歳くらいのカップルなのか」みたいな設定をイメージするところから始めて。

KANDAI　いろんな変化に合わせて、ドラムも今回の3曲はスピード重視ではないですね。「Wonder」もアレンジしていく中で余白を多く作ってみたり。「もう少し静かにしてくれ」という声もあったので。

kazu　ははは！（笑） ま、柔軟に臨機応変にやってくれてるってことね。

KANDAI　まずパソコンでデモを作るんですけど、そのドラムの音をもっとよくするために試行錯誤したり。僕は好きな音を追求する時間を持てたと思います。

kazu　デモ段階でかなり完成度の高いものを持っていくようにはなりましたね。以前はもっと適当なところで満足しちゃってたんですけど、より貪欲になってきたんちゃうかな。

──「影になる」の「You were memories and in my back」がドラスティックに惹き込むメロディになっていたり、「Make my story」の「I know what I have to do now」がギターリフと小気味よく連動してたり、聴き応えがありました。

航　徐々に上げていって「最高潮120％！」みたいになる曲のほうが盛り上がれると思ってたんですけど、張り切ればいいというものでもなく、うまく抑揚を付ければそれ以上の爆発力が生まれるのがわかってきた感じです。下げるところは一気に下げてみたほうが映えますよね。

kazu　音作りもフレーズも今回は削っていく方向が多かったですね。試しに100％で弾いてみて、レコーディング当日に「これだけ差し引いてみても大丈夫ですかね？」みたいなやり取りがかなりあった感じがする。

──結果、ギターソロもいい感じで映えてますし。より歌ってるようなフレーズになっていません？

ソラ　ああ、そうかもしれないです。ギターで歌うのは、自分の個性にもつながると意識していたので。ギターソロを口ずさんでほしいんですよ、僕は。

──「Wonder」はどのようなイメージで書いたんですか？

航　この曲はソラが言ったようにラブソングやけど、実はシリーズのうちの1曲なんです。この2人が出会ってから別れるまでのストーリーがもう僕の中にできていて。「Wonder」はそのストーリーを8分割したうちの、2話目にあたる曲ですね。

──じゃあ、1話目はもう音源化されてる？

航　いや、出てません。でも、3話目は「オリオン」（2ndシングル「Flower」収録）、6話目は「世界について」（1stシングル「Key -bring it on, my Destiny-」収録）として、もうリリースされています。そうやって伏線を張っていて、8曲一気に聴けば全部つながるようになる予定です。「Wonder」では、出会って間もない2人の様子をシンプルに歌詞にしていますね。

まだまだ奥に眠ってるものが存在している

──今回のシングルができたことで、Lenny code fictionはまた飛躍していけそうですね。

航　新しい引き出しは確実に増えましたよね。「自分自身がこんなもの持ってたんや」という驚きが4人共あったと思います。単純に可能性も広がったし、まだまだ奥に眠ってるものが存在している気もしていて。その成長がより鮮やかに発現するタイミングで、アルバムを作りたいです。

ソラ　新作の3曲はただのポップソングになることなく、ちゃんとバンドの味を出せたのがしてやったりという感じですね。

kazu　 Lenny code fictionとして、今までのベストが出せたもんね。俺はこれまでと違って、録り直したい後悔がない。それでいて、やっぱりもっとよくなる予感もすごくあるんですよ。だから、今後を楽しみにしててほしいなと。

KANDAI　ポップでシンプルな曲の難しさとか、その中でノリを出すにはどうすればいいかとか、まだまだ課題が見えてきたところもあるので、楽しく突き詰めていけたらと思います。あと個人的に言いたいこととしては、一番好きなアニメの主題歌をやらせてもらって大満足です！