ナタリー PowerPush - LAMA
牛尾憲輔&中村弘二インタビュー
中村弘二インタビュー
01. 結成のきっかけ
──LAMAを結成したきっかけは覚えてますか?
うーん……結構前、1年以上前に「ミキちゃんと田渕さんが何か一緒にやったら面白いんじゃない?」みたいな話を人づてに聞いて。で、それが動き出すときに自分も入ってたというか。「一緒にやらない?」って誘われた経験があんまりないんだけど、自然とメンバーに入ってて(笑)。面白そうだなって思いました。
──「ミキさんとひさ子さんが何か一緒にやると面白いんじゃない」って言い出したのは誰なのか気になるところです。ナカコーさんじゃなかったんですよね。
うん、俺じゃないですよ。何かやるんだってねーっていう話は聞いてました。
──で、ふんわり集まった3人に、牛尾さんが入った理由は?
うーん、まあいろいろあると思うんですけどね。牛尾くんは、ミキちゃんのバックバンドをやってたり、僕のiLLのときにも去年の後半とかはバックバンドに入って一緒にツアーを回ったりしてたから、まあまあ知ってる仲だったってのもあるし。あとは全員がギターとかベースだから、リズム隊が欲しいなって。でもドラマーを入れるって感じもあんまりしなかったし、じゃあ牛尾くんに頼もうかと。僕もあんまり詳しくは覚えてないんだけど(笑)。
──ミキさんのバックバンドやiLLを手伝っていたという、牛尾さんの立ち位置がすごく良かったということなんでしょうか。
うん、そういうのもあるだろうけど、全員の距離感? みんなとの距離感がちょうどいいなあと思いますけどね。
──それは4人がそれぞれに対する距離感がちょうどいい?
うん。1人ひとりが持ってるエリアが違うから、それが集まったときにちょうど良くなるっていうか。みんな音楽っていうものを作るために活動してるんだけど、それぞれが活動してるエリア、範囲は微妙に違うから、そういうのがちょうど良かったのかもしれない。
──おっしゃるとおり4人は、お互いが活躍している音楽上でのフィールドが、ほんの少しずつ重なってほんの少しずつズレてますよね。さらに周りにいる親しいアーティストやエンジニアも、微妙に重なって微妙にズレてますよね。完全に円が重なる感じではないというか。
うん、そうですね。それぞれにそれぞれのつながる部分があったかな。
02. 初対面の印象
──ナカコーさんはひさ子さんとは、以前からお知り合いだったんですか?
いや会ったことはなかったです。
──昨年12月のミーティングが初対面だったんですね。さらにひさ子さんと牛尾さんはアー写撮影時に初対面だったそうですが、そのときは撮影だけを?
うん、撮影だけです。2月の下旬ぐらいに。
──ちなみにこのアー写はなぜナカコーさんだけ寝てるんですか?
デザインしてる木村さん(Central 67)が「全員ポーズをとってほしい」っていうふうに言ったから、いろいろポーズとってるうちに、この寝るパターンが。
──で、それがOKカットに採用されたと。
うん。
──ナタリーでLAMAの結成と一緒にこのアー写を掲載したときに「なんでナカコーさんだけ寝てるんだろう」って音楽ファンがざわざわしたのを思い出しまして、つい訊いてしまいました。
そうなの?(笑)いや別に大した理由はない、ポージングの問題だから。
──そのとき一緒に「なんでLAMAなんだろう?」と言う人も多かったんですが、なんでLAMAっていうバンド名になったんですか?
3人で12月に会ったときには、「動物で例えるとなんだろうね」みたいな話をしてて。犬とか猫とかじゃなくて、名前は知ってるけどよく知らないみたいな生き物だよね、ラマとかちょうどいいよねって話があって。別にそのときにLAMAをバンド名にしようとは全く考えてなかったけど、改めて考えるとラマってぴったりじゃない?と思って。
──アー写撮影のときにバンド名のオブジェができていたということは、12月から2月のどこかの段階でバンド名を決める瞬間があったんですね。
うん、その撮影の前には、メールでみんなでやり取りしてたから。会ってはいないけど。そのときに「LAMAでいいんじゃないですか」みたいなメールを全員で回してたと思う、確か。
──LAMAはメンバー同士、ネットワーク上でお互い良好なコミュニケーションが取れてるんだろうなと感じていました。そしてみなさんデジタルツールに強いんだろうな、とも。インタビューする前は、ひさ子さんにはそういうイメージがなかったんですが。
ああ。田渕さんとは「どうやって曲作ってるんですか」みたいな話をしたとき、コンピュータで作ってメンバーとやり取りしてるっていうのを聞いて。なので全員忙しいっていうのもあるし、スケジュール的な問題でスタジオのプリプロルームに全員で入って曲作るっていうのはちょっと非現実的だったから、メールとかTwitterとかでファイルのやり取りをするのが一番いいんだろうなと思いました。
03. バンド内での役割
──ナカコーさんはLAMAの中で自分の役割はなんだと思いますか?
うーん、僕はわりとスムーズに進行させる役かなと思ってるけど。別にそれは曲じゃなくてもそうで。「次これ録りましょう」とか「この日にこれやってこうやりましょう」みたいな。進行役かな、うん。
──進行役ですか。そこにプロデューサー的な意味はなく?
ああ、いや、それはそんなにないけどね。音の面では、全員が「こうしたい」って思えるポイントを全員で見つけるから。制作作業って、進行する人がいないと意外に進まないもんで。目的を見つけないといけないから。僕は元々そういう性格みたいで、作業現場に来ると「じゃ次ギターお願いします」とかって言ってる(笑)。そうやって言う人がいると作業がスムーズに進むんで。
──LAMAではナカコーさんがそれを引き受けてると。
んー、引き受けてるってわけじゃないけど……自然と。
LAMA(らま)
中村弘二(Vo, G)、フルカワミキ(Vo, B)、田渕ひさ子(G, Cho)、牛尾憲輔(Programming)の4人からなるロックバンド。2010年12月結成。2011年4月、東京・WWWでKIMONOSと対バンを実施。これがお披露目ライブとなる。この模様はライブストリーミングチャンネル・DOMMUNEにて生中継され、約8万人が視聴した。同年8月に1stシングル「Spell」をリリース。