音楽ナタリー Power Push - 杏子「イカサマ美男子 feat. リンダ / Magenta Butterfly」特集 杏子×リンダ対談

「女の友情」描く2人のバンド愛

杏子のニューシングル「イカサマ美男子 feat. リンダ / Magenta Butterfly」が9月28日にリリースされた。作詞・作曲・プロデュースをいまみちともたかが担当した「イカサマ美男子 feat. リンダ」は、ゲストボーカリストに現在活動休止中のN'夙川BOYSからリンダ、演奏にOKAMOTO'Sのハマ・オカモト(B)とオカモトレイジ(Dr)が参加。杏子とリンダのツインボーカルを軸にしたスリリングなロックナンバーに仕上げられた。また本作にはネオソウルのテイストを取り入れたダンスチューン「Magenta Butterfly」やバラードナンバー「Illumina」、2013年に配信限定でリリースされた「あなたにアディクション with いまみちともたか&OKAMOTO'S」など、バラエティに富んだ楽曲が収録されている。

今回音楽ナタリーでは杏子とリンダの対談を実施。「イカサマ美男子 feat. リンダ」の制作秘話、8月に東京・下北沢GARDENで開催され、リンダも参加したイベント「いまみち杏子のお・も・て・な・し~夏のヒ・ト・サ・ラ・イ~(仮)」の手応え、お互いの音楽観、バンド観などについて語り合ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 後藤倫人

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写真の目力でオファー

──「イカサマ美男子 feat. リンダ」は杏子さん、リンダさんによるツインボーカルのナンバーですが、このコラボレーションはどんな経緯で実現したんですか?

杏子

杏子 シングルの制作にあたって、「女性とデュエットはどうかな?」という話をスタッフとしていたんです。最近女性のシンガーとがっつり歌うことって、あまりなかったから。そんなときにファッション誌の「GINZA」を見ていたら、すごく目力のある女の子が写っていて。それがリンダだったんですよね。もちろんリンダのことは知っていたし、一度お会いしたこともあったんですけど、その写真のインパクトがすごく強くて、すぐにスタッフに連絡したんです。「デュエットの相手、リンダはどう?」って。

リンダ ありがとうございます。

──ロック的な雰囲気を持った女性を探していたんですか?

杏子 そういうわけでもなかったんですけど、そのときの写真はリンダがギターと一緒に写っていて、「カッコイイな」と思って。彼女がBARBEE BOYSを好きなのも知っていたし、ぜひ一緒に歌ってみたいなって。

リンダ 話をいただいたときは、よくわからなかったですね(笑)。もともとBARBEE BOYSが大好きで、杏子さんの歌もずっと聴いていたけど、「私が一緒に歌うなんて、まさか」って。

杏子 ふふふふふ(笑)。

イマサ節全開な「イカサマ美男子 feat. リンダ」

──リンダさんがBARBEE BOYSを知ったのはいつ頃ですか?

リンダ

リンダ 高校生くらいのときですね。もう解散していたんですけど、知ったときに「めっちゃカッコいい!」と思って、どんどん調べて。男女ツインボーカルというのも私にとっては斬新だったし……。それがN'夙川BOYSの結成につながっていくんです。初ライブからBARBEE BOYSの「目を閉じておいでよ」のカバーもやっていたんです。

杏子 そうだよね。

──しかも「イカサマ美男子 feat. リンダ」の作詞作曲とプロデュースは、BARBEE BOYSの数々の名曲を手がけたいまみちともたかさんですからね。

杏子 イマサもヒトサライっていう自分のバンドの活動で忙しい時期だったんですけど、リンダが参加するって伝えたら、ピッと反応してくれて。曲のイメージもすぐに浮かんだみたいです。私からは「2人で歌って、疾走感があって」くらいだったんですけど、女子がバトルしている感じの曲になって。

リンダ “タワケ”って連呼している歌詞と「イカサマ美男子」という2つのワードにまずびっくりしました。メロディもすごくイマサ節だなって思ったし、BARBEEでやっていてもおかしくないようなカッコいい曲だなって。

杏子 言葉の選び方にしてもメロディにしても、まさしくイマサな曲! ギターの音色、弾き方もすごく特徴があるんですよ。単なるカッティングではなくて、細かいフレーズを入れたり。唯一無二のギタリストだなって思います。

リンダ そうですよね。しかもデモ音源はイマサさんが歌ってるんですよ!

左からリンダ、杏子。

杏子 最初はメロ譜と歌詞だけもらったんですけど、譜割りを確認したかったから「歌ってえ」ってお願いしたんです。

リンダ あ、そうだったんですね!

杏子 そうそう。イマサはいい声だし、彼のボーカル曲も好きだから。「門外不出だからな」って言われたけど(笑)。

リンダ めちゃカッコいいし、ボーカルも独特なんですよね。音の取り方がちょっと遅めで。

杏子 そう、ちょっとアフタービートなんだよね。私はふだん前のめりになりがちだから、レコーディングではちょっと遅めにリズムを取るようにしていて。

リンダ それってBARBEEのときからですか?

杏子 ソロのときから意識するようになったかな。アフタービートのほうが、逆にビート感が出るのよね。

杏子 ニューシングル「イカサマ美男子 feat. リンダ / Magenta Butterfly」
2016年9月28日発売 / 1500円 / アリオラジャパン / オーガスタレコード / AUCL-206
収録曲
  1. イカサマ美男子 feat. リンダ
  2. Magenta Butterfly
  3. Illumina
  4. あなたにアディクション with いまみちともたか&OKAMOTO'S
  5. イカサマ美男子 feat. リンダ(Backing Track)
  6. Magenta Butterfly(Backing Track)
杏子
左 / 杏子(キョウコ)

1983年にロックバンド・BARBEE BOYSのメンバーとして音楽活動を開始。1992年のバンド解散後も個人で活動を継続し、同年11月にはソロ名義初のオリジナルアルバム「Naked Eyes」を発表した。現在、ラジオ番組のパーソナリティ(JFN「杏子のSpice of Life」、Radio NEO「ラジカルNEOナイト」)をはじめ、映画、舞台等、幅広いジャンルで活躍中。

右 / リンダ

2007年にマーヤLOVE、シンノスケboysとともにロックバンド・N'夙川BOYSを結成。同バンド以外に再結成後のPLASTICSのボーカルを担当しているほか、モデル活動も行っている。N'夙川BOYS は2016年2月に行われた東京・恵比寿ガーデンホール公演をもって活動を休止した。現在は新たなバンド活動に向けてロックンロールの修行中。