ナタリー PowerPush - きゃりーぱみゅぱみゅ

本人が解説!クレしん主題歌+新成人ソング+武道館ライブ

きゃりーぱみゅぱみゅのニューシングル「キミに100パーセント / ふりそでーしょん」がリリースされた。「キミに100パーセント」はテレビ朝日系「クレヨンしんちゃん」の主題歌として昨年からオンエアされており、「ふりそでーしょん」もYouTubeでビデオクリップが先行公開されているので、既に耳になじんでいる人も多いだろう。

本特集では、新曲の話題をはじめ、初の日本武道館ライブや初出場を果たした「NHK紅白歌合戦」の感想、2月から始まるワールドツアーへの意気込みなど、きゃりー本人に幅広く話を聞いた。

取材・文 / 土屋恵介

軽さを大事に歌いました

──きゃりーぱみゅぱみゅさんにとって初の両A面シングルとなる「キミに100パーセント / ふりそでーしょん」ですが、まずはポップでキュートなメロディの「キミに100パーセント」の話からいきましょう。

きゃりーぱみゅぱみゅ

今回のシングルは、2曲とも良い子の歌というか、感謝の気持ちを忘れないでねってメッセージが強いものになってるんです。前回の「ファッションモンスター」が、わがままでぶっ飛んでる感じだったので(笑)。

──「ファッションモンスター」は、ブラックな要素が入ってましたからね(笑)。

ハイ(笑)。「キミに100パーセント」は子供も喜ぶような歌詞になってるんですよ。しかも私も大好きなアニメ「クレヨンしんちゃん」の主題歌なので、メロディもキャッチーだし、かわいくてついつい歌いたくなるような感じです。

──きゃりーさんは「クレヨンしんちゃん」好きなんですか?

メチャ好きです。マンガは「しんちゃん」しか読んでないくらい好きなんですよ。全巻持ってるし、映画も全部観てるし。

──映画版では泣いたり?

ハイ! 映画版では「ヘンダーランドの大冒険」が一番好きですね。で、この曲は、「しんちゃん」のために中田(ヤスタカ)さんが書き下ろしてくれたものなんです。

──レコーディングはどんな感じでしたか。

毎回ですけど、スタジオに行って曲を聴いて、すぐレコーディングしたんです。でもメロディも覚えやすくて、すごくスムーズに歌えましたね。それこそ「しんちゃん」が好きな小さい子でも、すぐに口ずさめるなって思います。

──きゃりーさん自身の歌のスキルアップもあったんじゃないですか?

どうですかね(笑)。だったらうれしいですね。でも去年の末、ちょっとノドを痛めてたんですよ。乾燥と寒さで声帯炎にかかってしまって。今はだいぶ治ってきたんですけど。なので年末の歌番組も不安でした。なんとか紅白も乗り越えられたし。そのときはなるべく声を出さないようにしてたんです。あとアーティストの友達、YUIさんとか鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)さんにノドのケアのこと聞いて。でもマジでビックリしました。

──全然声が出なかったんですか。

声が出ないし、でもノドが痛いわけじゃないんですよ。街の病院に行ったら、カゼだから薬飲んで早く寝なさいって。でも治らなくて、大きな病院に行ったら、声帯が荒れてるって言われたんです。

──そんな苦労があったとは。困難を乗り越えてのレコーディングだったわけですが、どんなイメージを持って歌ったんですか。

軽さを大事に歌いましたね。心を込めてというより、ポップにサラリと歌ってみました。感じるがままに(笑)。

また“100パーセント”の曲できるかも?

──歌詞で特に惹かれたフレーズは?

きゃりーぱみゅぱみゅ

“明日から本気だすから ねえねえ ねむねむ ぐっすりしてからの ほうがいい”ってとこがすごくかわいいと思います。「しんちゃん」らしいし、私自身も眠かったら今日じゃなく明日からやるタイプなので(笑)。

──多分、きゃりーさんはそういうタイプじゃないかと思ってました(笑)。

ズバリです。子供の頃からそうなんですよ(笑)。「しんちゃん」と私、つながってるとこありますね(笑)。

──(笑)。あと歌詞には、素直な気持ちを人に伝える大事さも込められてますよね。

そうですね。普段照れてあまり人に伝えられないこととかを、この曲を聴いて正直に話せるようになってくれればなって。小さい子が素直な人間に育ってもらえたらいいなと思います(笑)。

──ちなみに、きゃりーさんは素直に物事を伝えられないタイプですか?

私、元々結構な照れ屋で、人にきちんと言えないタイプなんですよ。気持ちは届けたいんですけど、でもあまりストレートにものを言わなくて、よく人から「そう思ってたなんてわからなかったよ」って言われるんですよ。だから、中田さんが私に「ちゃんと伝えたほうがいいんじゃない?」って、歌詞で言ってくれてるのかなって。

──中田さんからきゃりーさんへのメッセージも入ってると。

そうかもしれないです。照れ屋ってとこで言うと、実はライブもギリなんです。

──え! あんな堂々とやってるのに。

そもそも表に出てライブをするような人間ではないので、恥ずかしくて。今は楽しいけど、最初はギリでしたね。でも武道館は結構照れましたね。

──そうだったんですか。

すごい楽しかったし、やってるときはパフォーマンスに集中してたけど、MCとかヤバかったです。だって武道館のお客さんが全員私しか見てないんですよ(笑)。恥ずかしいな恥ずかしいな、次の曲歌おうって(笑)。昔は赤面症なくらいで、中学のとき、授業のスピーチの順番が回ってくるのがイヤすぎて休んだことがあります(笑)。でも「アイツ逃げた」ってなっちゃって、次の日ひとりでやることになり、逆にもっと恥ずかしくなるパターンでした(笑)。

──(笑)。照れ屋をどうやって克服したんですか。

やっぱりアルバイトですね。人生で1回、ファミレスでアルバイトしたことがあるんですけど。人の目を見て接客して、なんとか克服して、今は楽しいに変われたんです。

──それは良かったです。ではタイトルにかけて、最近100パーセントの力を出したことはなんですか?

スポッチャ(ラウンドワンの一部店舗に設置されているスポーツアトラクション)に友達と行って、そのときにバッティングをやって。120キロの球を打ったんです。

──えー! 120キロって、結構速いですよ。

ほんとなんですよ! 60キロ、90キロってだんだんやっていったら、バットに当たるようになって、120キロもやってみようって。で、なんとか当たったんです。まあ、ゴロでしたけど(笑)。でも手が激痛でした。そのときは100パーセント出し切りましたね。久しぶりにスポーツやったらすごい楽しかったな。

──あんまりスポーツ得意じゃなさそうですが(笑)。

そうなんですけど、でも得意じゃないなりに好きですね。うまくはないけど楽しくやります。あとタイトルの話をすると、「キミに100パーセント」って「100%のじぶんに」って曲と被ってるじゃないですか。中田さんが「100パーセント三本締めしなきゃ」と言ってたので、また“100パーセント”の曲できるかも。なんか100%にこだわる女みたいですけど(笑)。

ライブDVD / Blu-ray「ドキドキワクワクぱみゅぱみゅレボリューションランド2012 in キラキラ武道館」/ 2013年2月13日発売 / ワーナーミュージック・ジャパン
初回限定フォトブック仕様DVD [DVD2枚組+写真集] / 6500円 / WPBL-90211
初回限定フォトブック仕様DVD [DVD2枚組+写真集] / 6500円 / WPBL-90211
通常盤 [DVD] / 4200円 / WPBL-90213
通常盤 [Blu-ray-Disc] / 5200円 / WPXL-90017
収録曲
  1. ぱみゅぱみゅレボリューション
  2. おねだり44℃
  3. みんなのうた
  4. 100%のじぶんに
  5. スキすぎてキレそう
  6. チェリーボンボン
  7. ピンポンがなんない
  8. ちょうどいいの
  9. CANDY CANDY
  10. きゃりーのマーチ
  11. キミに100パーセント
  12. ぎりぎりセーフ
  13. おやすみ
  14. RGB
  15. ファッションモンスター
  16. PONPONPON
  17. でもでもまだまだ
  18. きゃりーANAN
  19. ちゃんちゃかちゃんちゃん
  20. つけまつける
きゃりーぱみゅぱみゅ

1993年東京生まれ。フルネームはきゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ。高校生のときにファッション雑誌のスナップコーナーにピックアップされたことをきっかけに、原宿系ファッションモデルとしてキャリアをスタートさせる。個性的なルックスとブログでの奔放な言動が話題を集める。2011年8月にはワーナーミュージック・ジャパンから中田ヤスタカ(capsule)プロデュースによるミニアルバム「もしもし原宿」でメジャーデビュー。2012年は5月に1stフルアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」をリリースした後、初の全国ツアー、初の日本武道館ワンマンライブ、「NHK紅白歌合戦」初出場と怒涛の快進撃を続ける。2013年は1月に両A面シングル「キミに100パーセント / ふりそでーしょん」をリリースし、2月からワールドツアーを開催する。