女性としてのパワーを見せたいアルバム

──オープニングを飾る「Hit the Road」という曲は、新しい扉が開いたこのアルバム全体を象徴的に表していますよね。「世界変わったみたい」「まぎれもないnew world」など、ズバリなワードが散りばめられていて。

曲順を決めるときに、もう何も考えずにこの曲を頭に持ってきている自分がいましたね。アルバムとしてのスタートとしてもそうだし、気持ち的にもいいスタートダッシュが切れるというか、そんなイメージの曲です。

──ポップさを感じさせるサウンドも、新たなメイサさんを感じさせてくれますし。

この曲はJeff（Miyahara）さんと組んだんですけど、Jeffさんの曲ってライブでもすごくみんなノッてくれるんですよ。だからそういうイメージを大事にしつつ作ってもらいましたね。曲で言ってることやサウンドがすごく前向きで、先が見える感じの曲になったと思います。

──かと思えば、「Breeze Out」とか「S・O・S -ワタシサガサナイデクダサイ-」のようにフラストレーションを表現した楽曲もあって。その振れ幅が面白かったです。

誰かを励ますでもなく、愛を語るわけでもなく、ただ逃避行したがってる曲ですよね（笑）。リクエストしたわけじゃないのに、クリエイターさんがそういう曲をたまたま持ってきてくれた感じなんですけど。「S・O・S」が来たときは「カミ（カオル：作詞・作曲者）さん大丈夫かな!?」って思っちゃいましたもん。クリエイターさんたちの鬱憤を代弁させてもらいましたね（笑）。

──と言いつつ、メイサさんも共感できていたりして。

うん（笑）。やっぱり逃避行したくなるときもありますよ。アハハハハ（笑）。

──そうなったときってどうするんですか？

逃げてしまいますね。自分で気持ちを切り替えるだけで大丈夫なときもあれば、ナビもセットせず車で行ったことないところに行くときもありますし、逃避行パターンはいろいろ（笑）。で、一瞬でも“逃げた”っていう感覚になれば、すぐ戻ってくることができるので。

──なるほど。上手に生きるための知恵ですね。

そうなんでしょうね。今のところはそんな感じの逃避行で大丈夫ですけど（笑）。

──そしてこの「S・O・S」では、ドラムンベースに初挑戦されていますね。

今まで自分の中にあるリズムではなかったんですけど、楽しかったですよ。内容的に割と「おさらば」的なことを言っておきながらも、メロディがキュートだったりもするので、そのバランスも面白いなって。今回のアルバムに対しては、バケツに入ったいろんな色の水をバーッと壁に投げたようなカラフルさで、女性としてのパワーを見せたいなって思ってたところもあったので、この曲もそういう役割をすごく果たしてくれてる気がします。

「LAST CODE」で新しい表情が見せられた

──また、メイサさんの天邪鬼さが出たという「LAST CODE」。めちゃくちゃカッコよかったです。でもこれ、歌うのかなり難しそうだなあと思ったんですけど。

私もこれはむちゃくちゃカッコいいなと思って、絶対やらせてほしいってお願いしたんですけど、歌うのはほんとに難しかったです。ただ、難しいからってキューっと委縮するんではなく、作曲のU-key zoneさんからの挑戦状を受け取ったような気持ちで。また新しいところに連れて行ってもらえるワクワク感を感じながら歌いました。難しさで言うと「Flash Light」もかなり難しかったですけどね。

──今井大介さんと初めてコラボした曲ですね。

歌ってる内容はいつもどおり攻めてるんですけど、サウンドがめっちゃ爽やかなんですもん！ それがなんか恥ずかしくって（笑）。どうやって歌ったらいいんだろうと思って、すごく時間がかかりましたね。大介さんに「ここはこうやって歌ったらいいんじゃないかな」みたいなアドバイスをいろいろもらいながら歌ったんですけど。

──結果、新しい表情がはっきり見えてますよね。

この曲はイントロが流れただけでまだちょっと恥ずかしくなりますけどね（笑）。でもすごく楽しかったです。新しい表情が見せられたことがうれしいですし。