ナタリー PowerPush - KNOCK OUT MONKEY

思いを吐き出せ! 暴れ猿、メジャーへ突撃

今年3月に全国流通作品「reality & liberty」を発表し、全国ツアーを経て「JOIN ALIVE」「SUMMER SONIC」「MONSTER baSH」といったフェスにも数多く出演。ヘヴィロック、メロコアなどを軸にした自由な音楽性とキャッチーなメロディ、超前向きなリリックによって全国のロックファンから支持を集めつつあるKNOCK OUT MONKEYが、ついにメジャーシーンに進出する。最初のアクションは、1stシングル「Paint it Out!!!!」のリリース。ラウドなバンドサウンド、そして“自分の思いを描き出せ!”というメッセージをたたえた歌がひとつになったこの曲は、彼らの存在をさらに大きなフィールドへと浸透させることになりそうだ。10月には大阪&東京でワンマンライブを敢行。“神戸の暴れ猿”の新たなトライと、そこで生まれる刺激的な光景を心待ちにしたいと思う。

取材・文 / 森朋之

ずっとやってきたことがやっと報われた

w-shun(Vo, G) (C)SUMMER SONIC 2013 All Right Reserved Photo by Rie Suwaki (MAXPHOTO)

──まず、前作「reality & liberty」のリリースに伴って開催された全国ツアーについて聞かせてください。今回のシングル「Paint it Out!!!!」には、5月23日に東京・Shibuya O-WESTで行われたツアーファイナルの模様を収録したDVDも付いてますね。

亜太(B) はい。4、5回観ましたよ。

w-shun(Vo, G) 映像はよくできてます(笑)。ライブは……必死でしたね。かなり根を詰めてリハもやったし、全体の流れを含め、いろいろと考えながらやったので。ライブの終盤もグズグズにならなかったので、そこはよかったなと思うけど。

──ツアー全体の手応えはどうでした? 「reality & liberty」は全国流通盤だったわけだし、確実に知名度が上がっていく中でのツアーだったと思うんですが。

w-shun 今までお客さんが1人か2人だった場所でも、けっこう待ってくれてる人がいたり。自分らとしても毎回毎回「今日はどうやろう?」って楽しみだったし、うれしいことが多いツアーでしたね。そのぶん、今までのツアーでは見つからなかった課題も山ほどあったんですけどね。

亜太 うん。

w-shun 今までは単純に「楽しかった」とか「よかった」で満足してたところもあったんですけど、その先というか、「何がよかったのか?」ということもしっかり考えるようになってきて。少しずつ周りも見えるようになってきたし、ちょっとはアーティストらしくなってきたのかな、と。

──周囲の期待も大きくなってるだろうし。

w-shun 自分たちだけでやってたときとは違いますよね、やっぱり。それがやりがいにつながってるところもあるので。

亜太 アッという間だったなって感じもあるんですよね、今回のツアーは。アマチュア時代にドサまわりしてたときって、要領も全然わからなかったし、途中で「帰りたっ」って思うこともあって。

ナオミチ(Dr)dEnkA(G) ハハハハハ!(笑)

──ツアーがあまりにもきつくて?

亜太 金銭的な問題だったり、体力的、精神的な部分もそうだし。知らないバンドさんと各地で一緒にやらせてもらって、そのたびに「はじめまして」で。そこで精神的に削られる部分もけっこうあったんですよね。今はだいぶ要領もわかってきたし、知り合いのバンドも増えて。いまw-shunが言ったように、自分たちを待ってくれてる人、バンドのTシャツを着てくれてる人も目に見えて増えてきて。「ツアーって楽しい」って改めて思えてきたし、ずっとやってきたことがやっと報われた気がしますね。

ナオミチ すごい楽しかったです。初めて自分たちのライブを観る人も多かったと思うんですけど、そこで「うわ、ダサッ」って思われるのは絶対にイヤだったし、(オーディエンスの)想像を超えていかないとダメだと思ってたので。お客さんの熱量もドンドン上がっていくし、その中で戦ってきた感覚もあって。それは今回のDVDにも表れてると思います。

自分たちに照準を合わせてくれることがホントに励みになる

──演奏のアベレージも上がってきたのかもしれないですね。どこでやっても、思い通りの音が出せるっていう。

dEnkA(G) (C)SUMMER SONIC 2013 All Right Reserved Photo by Rie Suwaki (MAXPHOTO)

dEnkA そこに関しては、全然心配してないというか。もともといろんなところでライブをやってたんですよ、ホントに。倉庫というか小屋みたいなところでやったこともあるし。

w-shun ツアー先で何か問題があっても、だいたいはなんとかできます。

ナオミチ ツアーの準備してるときも「これとこれがあったら、とりあえずライブはできるな」みたいなことを考えてますからね(笑)。

──フェスでも力を発揮してましたね。サマソニを観させてもらいましたけど、ホントに気合いの入ったステージでした。

w-shun ツアーの話と同じで、曲を覚えてくれてる人が増えてるなって。フェスって、そういうことが顕著に表れると思うんですよね。そこにたまたま居合わせた人もおるやろうけど、自分たちに照準を合わせて来てくれた人も多いわけで、そういうことってホントに励みになるので。ずっとスタジオにこもって、根暗な生活をしている時期も含めて、全部が報われる瞬間というか。……普段は暗いですから、俺。4人でいるときは明るいんだけど、1人になると、ずっと体育座りしてますから。

亜太 どんな奴や(笑)。

メジャー1stシングル「Paint it Out!!!!」/ 2013年10月2日発売 / [CD+DVD] 1800円 / Being / JBCZ-6003
CD収録曲
  1. Paint it Out!!!!
  2. CRASH
DVD収録内容
Live at 2013.05.23 Shibuya O-WEST「reality & liberty」Tour -Final-
  1. Scream & Shout
  2. Blazin'
  3. Gun shot
  4. 実りある日々
  5. Bring it back
  6. TODAY
  7. realize
  8. Neverland
  9. Primal
  10. BREAK
  11. HOPE
  12. JET
  13. Climber
KNOCK OUT MONKEY(のっくあうともんきー)

神戸で結成されたw-shun(Vo, G)、dEnkA(G)、亜太(B)、ナオミチ(Dr)からなる4人組バンド。ラウドロック、レゲエ、ヒップホップ、メタル、エモといったさまざまなジャンルの要素を取り入れたキャッチーなサウンドと、感情むき出しに咆哮するボーカルが魅力。精力的にリリースを重ね、じわじわとロックファンの注目を集める。2012年にはアンドリューW.K.の来日公演でサポートアクトを務めたほか、「SUMMER SONIC」をはじめ数々の大型フェスに出演し、その名を広く知らしめた。2013年3月にミニアルバム「reality & liberty」をリリースし、同年10月2日に1stシングル「Paint it Out!!!!」でビーイングよりメジャーデビューを果たす。