音楽ナタリー PowerPush - KNOCK OUT MONKEY
賛否両論も糧に 連続リリースで攻める夏
2014年2月に1stフルアルバム「INPUT ∝ OUTPUT」をリリース。4月から6月にかけて行った全国ツアーでも、迫力にあふれたサウンドと熱量の高いライブパフォーマンスを見せつけたKNOCK OUT MONKEYがこの夏、2カ月連続でシングルを発表する。ラテンのテイストを大胆に取り入れた「Wonderful Life」、そしてアニメ「名探偵コナン」オープニングテーマとしても話題を集めているアッパーチューン「Greed」からは、現在の彼らの勢いがまっすぐに伝わってくる。
今回ナタリーではメンバー全員にインタビュー。“夏”をテーマに制作されたという2作のシングルについて熱く語ってもらった。
取材・文 / 森朋之 ライブ撮影 / 橋本塁(SOUND SHOOTER)
今年の夏はコレっしょ!
──7月23日に2ndシングル「Wonderful Life」、8月20日に3rdシングル「Greed」が2カ月連続でリリースされます。どちらも夏モード全開のシングルですね。
w-shun(Vo, G) “夏”っていうテーマをスタッフから提案してもらって、「あとはご自由にどうぞ!」という感じだったんですよね。そのときはタイアップの話とかもなかったので、とことん面白い曲を作ってやろうと思って。あんまり考えすぎないで、自分たちのパッションを信じてやるのがいいんじゃないかな、と。
ナオミチ(Dr) まさにそういう感じでした。
w-shun 1stアルバム「INPUT ∝ OUTPUT」の制作を振り返ってみると、アレンジにしっかり時間をかけたっていう印象があったんですよね。そこはかなり根を詰めてやったし、いいものができたという手応えもあって。
dEnkA(G) うん、いい経験になりましたね。
w-shun で、「次、何をやりたいかな?」って思ったときに、いい意味で何も考えずにやってみたいな、と。実際、今回のシングル曲のアレンジはすごくシンプルに決めていったんですよ。スタジオで音を出しながら「このパートはこういう感じで!」ってスパッと決めていって。その空気感がすごくよかったんですよね。昔はずっとそういうやり方だったんですけど、そこに経験を踏まえることもできて。アルバムの制作がなかったら、今回の曲はできてなかったと思います。
──なるほど。まず「Wonderful Life」ですが、まさしくシングルらしいポップ感を持った曲ですね。
w-shun ポップ感を意識して作ったわけではないんですけどね(笑)。
ナオミチ 夏をテーマに曲を作り始めて、けっこう何曲もできたんですよね。その中で一番メロディが立っていたのが「Wonderful Life」だったっていう。w-shunが言った通りあえてポップにしようと思ってたわけではないんだけど、この曲のメロディを聴いた瞬間に「今年の夏はコレっしょ!」って。
亜太(B) 勝手にな(笑)。
w-shun そう、俺らが勝手に思ってるだけっていう(笑)。
──ラテンのテイストを取り入れたアレンジも、まさに夏真っ盛りのイメージ。
ナオミチ このリズム自体は以前からやってたし、けっこう得意だったんですよね。それをさらに踊れる感じにしたり、夏っぽさを出していこう、と。
亜太 あとは“鳴り止まない”っていうイメージですね。ベースに関しては、いかに躍動感を出すかってことを意識してました。
dEnkA ギターもややこしいフレーズは入ってなくて、かなりわかりやすく表現してます。着飾らない感じっていうか。
w-shun そうやな。ただ、この曲ってかなり難しいんですよ。
──演奏が?
w-shun そうです。ライブで2回くらいやったんですけど……。
dEnkA めっちゃ難しい(笑)。確かにこういうリズムの曲はあったんだけど、またちょっと違うテイストというか。
w-shun 直感的に作ったぶん、ライブで表現するのが難しいのかも。コーラスワークとかもけっこう大変やし。
──何も考えず本能的に作った曲だから、あとになって「あれ? こんなに難しかった?」ってなるのかも。
w-shun それが課題ですね、我々の(笑)。
どんな曲でもまずライブのイメージを想像してる
──歌詞も「ガムシャラに楽しもうぜ」という方向に振り切ってますよね。
w-shun そうっすね。「楽しもう!」っていうときに、小難しいことを言うのはやめようと思って。もともと僕はわりと考え込むほうだし、メッセージを掲げることも表現者としては大事だけど、この曲を作ってるときは「それだけがミュージシャンとして正しいことなのか?」とも思ったんですよ。「単純に楽しくなりたい!」ということを歌ってもいいんじゃないかって思ったし、要はその瞬間の心境をそのまま出せばいいんですよね。
ナオミチ うん。僕、音楽を流しながら地元(神戸)の海の近くをドライブすることがあるんですけど、この曲を車で聴いたときすごくハマったんですよね。そういう状況で単純に「いいな」と思えたことがすごくうれしくて。
w-shun ……お前、車の中はいつもL'Arc-en-Cielじゃなかった?
ナオミチ まあまあ、それはそれとして(笑)。「Wonderful Life」はいろんな人のいろんな情景に合うと思うんですよ。ドライブもそうやし、海に行ったときとか、スポーツしてるときとか。
──KNOCK OUT MONKEYの根本は“ライブで直接届ける”というスタイルだと思いますけど、この曲はもっと幅広い届き方が期待できる、と。
亜太 そうですね。
w-shun ライブハウスでずっと活動してきたっていうのは、どんな曲をやってもにじみ出ると思うんですよ。曲を作ってるときもライブのイメージを勝手に想像してるし。そこを踏まえた上で、いろんな曲、面白そうな曲をやるのがいいんじゃないかな、と。まず夏を意識して曲を作ったこと自体も初めてだし。
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収録曲
- Wonderful Life
- No Ending
ライブ情報
- KNOCK OUT MONKEY TOUR 2014 "INPUT ∝ OUTPUT"(追加公演)
- 2014年7月25日(金)大阪府 なんばHatch
- テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION
- 2014年7月26日(土)東京都 SUMMER STATION LIVE アリーナ(六本木ヒルズアリーナ)
- ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014
- 2014年8月9日(土)茨城県 国営ひたち海浜公園
- RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO
- 2014年8月15日(金)北海道 石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
- TREASURE05X 2014 SECOND SEASON GET STARTED
- 2014年8月22日(金)愛知県 DIAMOND HALL / APOLLO BASE
KNOCK OUT MONKEY(ノックアウトモンキー)
神戸で結成されたw-shun(Vo, G)、dEnkA(G)、亜太(B)、ナオミチ(Dr)からなる4人組バンド。ラウドロック、レゲエ、ヒップホップ、メタル、エモといったさまざまなジャンルの要素を取り入れたキャッチーなサウンドと、感情むき出しに咆哮するボーカルが魅力。精力的にリリースを重ね、じわじわとロックファンの注目を集める。2012年にはアンドリューW.K.の来日公演でサポートアクトを務めたほか、「SUMMER SONIC」をはじめ数々の大型フェスに出演し、その名を広く知らしめた。2013年10月に1stシングル「Paint it Out!!!!」でビーイングよりメジャーデビューし、同年12月にはZebraheadの来日ツアーにゲストアクトとして参加。2014年2月に待望のフルアルバム「INPUT ∝ OUTPUT」をリリースした。同年7月に「Wonderful Life」、8月に「Greed」とシングルを2作連続で発売。「Greed」はアニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマとしてオンエアされている。