音楽ナタリー PowerPush - KKBOX presents フレデリック

人とのつながりが生んだ心も体も踊れるロック

「終わり」を歌う理由

──新作「OWARASE NIGHT」について聞かせてください。今作は「終わりと始まり」がテーマになっているそうですね。メジャー2作目にして、なぜこういうテーマを掲げたんでしょうか?

左から三原健司(Vo, G)、三原康司(B, Vo)。

康司 メジャーデビューしてスタートを切ったばかりだからこそ、このテーマを掲げなきゃと思ったんです。「終わり」っていう言葉はネガティブな印象が先行しがちだけど、新しいことの「始まり」でもあるんですよね。アルバムを作っている時期に、プライベートですごく悲しい別れを経験して。悲しすぎて夜通し自分の部屋から外の景色を眺めていたら、夜が明けて朝日が見えたんです。そのときにすごく朝日がキレイに見えて、気持ちが前向きになったんですね。夜はいつか明けるものだし、自分も悲しい思いに終わりを告げなきゃと思ったんです。それに“終わり”の中にはこれまでの経験がたくさん詰まってて、それを背負って新しく何かを“始める”ことができるんですよね。僕らは「オドループ」を作って手応えを得たけど、そこにとらわれずにまた新しい一歩を踏み出していかなきゃいけない。これからも常にそういうことを意識しながら活動していきたいなと思って、「終わりと始まり」を全体のテーマにしたんです。

──「OWARASE NIGHT」はフレデリックの所信表明みたいなものでもあるんでしょうね。レコーディングで新たに挑戦したことはありますか?

健司 今までって聴く人それぞれに解釈してほしくて、あえて感情を入れすぎないように歌っていた部分があったんです。でも、今回は自分たちが「前に進んでいく」という決意表明のアルバムでもあるので、感情を出すようにして、これまでとは逆の歌い方をしてます。聴いてくれる人と1対1で対話していくようなイメージを持ちながら歌ったし。

──確かに感情に訴えるような歌が多いですよね。それと今作は前作に比べてアレンジが洗練され、すっきりとした印象を受けました。

Kaz.(Dr)

kaz. 聴く人に僕らのメッセージが伝わることを意識して、歌と歌詞を引き立てることを一番に考えたからかもしれませんね。それと「OWARASE NIGHT」の制作中は、とにかくメンバーで話し合いをしたんです。それで全員が納得いくまで徹底的に音作りについて議論して。全員が意志を統一してレコーディングしたことで、洗練された音を生み出したのかなと。

──となると、いちプレイヤーとして「こういうフレーズが弾きたい」といった思いは?

kaz. 今回はリスナーとつながることと、4人全員が同じ方向を向いて“いいアルバム”を作ることが目的だったのでなかったですね。だから柔軟になれたし、レコーディング当日にアレンジが変わるようなことがあっても、メンバー同士が協力しながら作業ができて。すごくいい雰囲気でした。

──今後のフレデリックの目標というのはなんでしょうか?

赤頭隆児(G)

赤頭 僕らの音楽って、最初はとっつきにくい印象もあると思うんです。歌も歌詞の世界もクセがあるし。でも、実際は耳になじみやすい音だし健司の声も一度聴いたら忘れられないと思うんです。その魅力をどんどん広めていきたいですね。

康司 さっきも言いましたが、体だけじゃなくて心も躍らせるような音楽を作り続けたいですね。クラブだったりフェスだったりで人が踊ってる風景を見るとすごく幸せになるんですよね。自分たちもそういう風景をちゃんと作れるバンドになりたいなって。あと1つは、家庭に1枚CDが置いてあるようなメジャーな存在になることですね。

健司 僕らは、お客さんを巻き込んで家族みたいなバンドになりたいと思ってるんです。親しみやすさも出したいし、お客さんともっと深くつながっていきたいですね。

KKBOXとフレデリックの相性

──さて皆さんはアルバムのリリースタイミングにあわせて、KKBOXのチャット企画「Listen with(一緒に聴く)」に出演されます。4人とも普段からKKBOXを利用されてるとお伺いしたんですが。

フレデリック

赤頭 はい。かなり活用してますね。聴きたい曲をいつでも気軽に聴けるところがいいですよね。今までだったら音源がなかったらCDを買いに行くか、借りに行かなきゃいけなかったんで。ラインナップもすごい充実してて、最近だとKEYTALKや赤い公園といった同世代バンドのインディーズ時代の音源を発見してうれしくなりました。

康司 僕は自分の好きなジャンルのチャンネルを集中して聴いてますね。自分が知らなかったアーティストに出会えるチャンスがあるし、自分の好みに応じてオススメしてくれるのがありがたいんです。

健司 KKBOXはレコーディングで活用することがけっこう多いですね。エンジニアの人と話しているときに、「あのアーティストのこの曲のフレーズが」「あのサウンドが」っていう話になることがあって、そういうときにすぐに聴いて参考にしたり。あと対バン相手の音源を予習するのに使ってます。歌詞も一緒に出てくるし、すごく便利なんですよね。

kaz. 僕は自分がなくしたCDの音源を掘り起こしたりしてますね。自分が持ってた音源を発見すると、めっちゃテンション上がるんですよ。キャッシュ機能を使うとオフラインでも聴けるし。僕の音楽生活はKKBOXのおかげでだいぶ助かってます(笑)。

──今度の「Listen with(一緒に聴く)」ではどんなことをしましょうか?

フレデリック

健司 前回は自分たちが今好きな曲や、バンドのルーツを紹介するような形だったんですが、今回はメンバー1人ひとりのルーツを紐解いていこうかなと。だからメンバー間でも新しい発見があると思ってます。

康司 それと「Listen with」は音楽を聴きながら、ファンの人と会話できるのがいいですね。前回は曲のサビが流れたときに、みんなで一斉にチャットに歌詞を書き込んだりしてすごい一体感が楽しめた。「Listen with」って1人ひとりと深くコミュニケーションができるコンテンツだと思うんですよ。今の僕らにとって本当にぴったりな企画だと思います。

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日本をはじめ、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、タイでサービスを提供しており、1,200万人の利用者を持つアジア最大の定額制音楽配信サービス。スマートフォン、パソコン、タブレットなどで、いつでもどこでも1,000万曲以上の多彩なラインアップの楽曲を聴き放題で楽しむことができるだけでなく、離れたユーザー同士で、リアルタイムに同じ楽曲を聴きながらチャットを楽しむことができる「一緒に聴く“Listen with”」といったソーシャルコミュニケーション機能が特徴となる定額制音楽配信サービス。通常会員登録ならば1日間、Facebookアカウントでの登録ならば7日間、無料でお楽しみいただけます。

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「Listen with(一緒に聴く)」とは

友達や有名人・アーティストと一緒にリアルタイムで同じ音楽を聴きながらチャットができるソーシャル機能。アーティストが自身の曲に加え、影響を受けた曲や好きな曲を再生しながら、ファンの皆さまとチャットで会話することができるため、今まで知らなかったアーティストの新しい一面を発見することができます。また、KKBOXが提供しているアジア各国(台湾、香港、シンガポール、マレーシア、タイ、日本)のファンと同時に楽しむことができる、グローバルサービスのKKBOXならではのイベントです。

フレデリック「Listen with(一緒に聴く)」

開催日時:2015年5月13日(水)21:00~23:00

ミニアルバム「OWARASE NIGHT」 / 2015年5月6日発売 / 2160円 / A-Sketch / AZCS-1045
ミニアルバム「OWARASE NIGHT」
収録曲
  1. オワラセナイト
  2. DNAです
  3. シャンデレラ
  4. どうにもこうにも
  5. セーターを脱がさないで
  6. 愛の迷惑
  7. さよならカーテン
フレデリック

フレデリック

2009年6月結成。三原健司(Vo, G)と三原康司(B, Vo)の双子と、赤頭隆児(G)、kaz.(Dr)の4人からなる。幅広い音楽要素から生み出されるユニークなサウンドと、アッパーなライブパフォーマンスでファンを増やしている。2012年「MASH FIGHT!」にて特別賞を受賞。2014年3月に柏原譲をプロデューサーに迎えたミニアルバム「うちゅうにむちゅう」をリリース。同年9月にメジャーデビュー作となるミニアルバム「oddloop」を発表し、その後初の東名阪ワンマンライブ「踊ってない夜が気に入らNIGHTツアー」を開催した。2015年5月にメジャー2ndミニアルバム「OWARASE NIGHT」をリリース。