音楽ナタリー PowerPush - 霧ヶ峰Style×東京スカパラダイスオーケストラ STYLE meets STYLES

エアコンとブラジルの風が吹く「月のウィンク」

東京スカパラダイスオーケストラ NARGO(Tp)× 大森はじめ(Perc)インタビュー

インテリアの想像が膨らむMV

「月のウィンク」特別版ミュージックビデオのワンシーン。

──「霧ヶ峰Style」とのコラボによる「月のウィンク」のミュージックビデオ、撮影はグリーンバックで行われたんですよね。

NARGO(Tp) そうなんです。MVのイメージは伺っていたんですけど、実際僕らはグリーンバックの前で指示通りに動いていただけなので、「どういう仕上がりになるんだろう」って思いながら撮影してました。

──特設サイトでは、ユーザーが室内に登場する壁紙や家具を選んで、オリジナルのMVを制作することができます。ユーザーによる人気の組み合わせを集めた特別版のMVも公開されましたが、ご覧になってみていかがでしたか?

NARGO とにかく人がたくさんいてびっくりしました。実際の撮影ではお会いしてないので(笑)。

大森はじめ(Perc) 女性の方も出てくるけど、僕ら一切接点なかったですよね。加藤(隆志 / G)くんが女の子に追いかけられてるヤツを「いいなあ」って思いながら観てました(笑)。

NARGO 僕が出てるところで女性がいるシーンがあるんですけど、撮影のときはいなかったですからね。いてほしかったなあ!(笑)。オリジナルのMVはいろんなシーンを組み合わせることができて面白いし、インテリアの想像も膨らみますよね。

──エアコンはボルドーレッドとパウダースノウの2色ですが、実際にお2人が部屋に置くならどちらを選びますか?

NARGO 僕はボルドーレッドですね。今まで見たことないし、いいなあって。すっごい明るい気分になりそう。

大森 僕はパウダースノウですね。僕の部屋、フィギュアがすごいたくさんあるんですけど、中でも一番多いのが太陽の塔なんです。すっごい大きいのとか、目が光るヤツとか、ロボのヤツとかもあって。だからエアコンも白にしたら太陽の塔と合いそうだなあと。

エアコンを知るところから始めよう!

──今回の楽曲「月のウィンク」は「霧ヶ峰Style」とのコラボ企画のために書き下ろしたんですよね。

NARGO そうです。しかも加藤くんがちょうどエアコンを買おうと思ってた時期だったらしくて、「いやーカッコいいエアコンが出るんですよー!」って「霧ヶ峰Style」の話をしてたときにお話が来たのでびっくりしました。

──どのようなイメージで楽曲の制作を進めていったのでしょうか?

NARGO 僕らはいろんなアーティストとコラボしていますが、エアコンとコラボするのは初めてだったので「まずはエアコンを知るところから始めよう!」って、みんなでカタログとか資料を見るところからスタートしましたね(笑)。リハーサルスタジオで「カッコいいねー!」なんて言いながら。

「月のウィンク」特別版ミュージックビデオのワンシーン。

大森 もう、びっくりしちゃったよね! まず形が今までのエアコンとは違うから「どっから風が出るんだろう?」「あ、下から出るんだ!」みたいな。

NARGO 今までのエアコンのイメージをはるかに超えたファッショナブルな印象を受けましたね。そういうものに対して、どういうふうに曲としてアプローチしていこうかなって考えていきました。

──アーティストとのコラボだとセッションできるけど、エアコンとは打ち合わせできないですもんね。

NARGO そうなんですよ(笑)。だからアレンジの段階でまずはみんなでエアコンの気持ちになったんです。

大森 みんなでイメージしたよね。「やっぱりさわやかな感じだよね!」とか。

NARGO 「わ、今のアイデア、送風入ったね!」みたいなことを言いながら進めていって(笑)。

ブラジルの風が入った「月のウィンク」

──「送風」という言葉が出ましたが、風のイメージが楽曲の中に入ってますか?

NARGO エアコンの風もそうだし、自然の風のイメージも入ってますね。制作の時期が、僕らがちょうどブラジルにライブしに行って帰ってきたときだったんです。現地の気候がすごく快適だったので、イパネマビーチとか、コパカバーナビーチとか、そういうところをプラプラ歩いて感じた気持ちいい風の雰囲気を出せたらいいなあって。あと僕らは昔からブラジルに憧れを持っていたのもあって、行ってすごく興奮しましたね。

大森 うん。現地で吸収したものがストレートに曲に表れてるよね。僕は「ジャッジャッツチャチャッ」っていうリズムの部分で、ブラジルのパンディエロっていうパーカッションを叩いてます。もともと持っていた楽器だったんですけど、そんなに演奏してなかったんですよ。今回本場のサンバチームに教えてもらったら改めて面白いなって思って「これはやんなきゃいけないな!」と。帰ってきてからずーっと練習してました。

「月のウィンク」特別版ミュージックビデオのワンシーン。

NARGO ブラジルに行ったのが日本でのツアーの中盤だったんですけど、みんなものすごいブラジルに影響を受けて帰ってきたから、日本ツアーの後半ではアレンジがブラジルナイズされてたよね(笑)。だからこの曲も相当ブラジルっぽいアレンジで。僕らもともと影響されやすいタイプだから、スカパラのサウンドが生まれてますからね。いいと思ったものはどんどん取り入れていこうっていう。

──楽曲のタイトル「月のウィンク」はどんなところから来たんですか?

NARGO これは最初に曲のモチーフを作ったときに付けた仮タイトルのまま、変えずに決まりました。2010年に奈良の平城京跡大極殿でライブをやったんですけど(スカパラ平城京遷都1300年ライブで新曲を初披露)、ライブ中にきれいな細い月が出てたんですよ。そしたら谷中(敦 / B.Sax)さんが(モノマネしながら)「今日はなんか月がウインクしてるみてえだなー」っておっきい声で言って。それがすごい面白くて(笑)。

大森 さすが詩人だなあと思いましたね。

NARGO うん。いい言葉だなあって、それがずっと頭に残っていて今回楽曲のタイトルにしたんです。平城京跡でのライブ中にもすごくいい風が吹いてましたね。

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