片岡シン(Vo, 三線)
単行本(ハードカバー)で読書
コロナ禍の引きこもりの日々で読書の習慣が身につきました。今では番台に数冊重ねながら本を読む毎日です。お客さんからはものすごく賢い人と思われています。多分。
そんな私も本を読む体質になるまでわりとハードルがありました。「本を読む俺」に憧れはあるものの、読みきれるのか?理解できるのか?
など不安要素が先に立つのです。
それでやってみたのが単行本サイズで本を買うこと。
装丁(ジャケと呼んでます)がまず格段に良い。文庫版のツルツルしたジャケではなく本の中身に紐づいた質感から本の世界観に入り込みやすい、読書のコックピットにつく感じがあるのです。
でかいので(本を読む俺)感も増すことができ、一石二鳥です。
今日も私は「どうだい俺は本を読んでいるだろう?」と思いながら番台に佇むのです。
MC.sirafu(G, Key, Tp)
角打ち
そもそも生活において“考えること”や“悩むこと”がメインロードであるなら、
“何も考えないこと”が一本逸れた横道であったり裏通りであるのです。
人生マラソンロードの、折り返しの赤いポールをクルッ!と周った今、やはり己の給水ポイントは疲れた時に行く銭湯やサウナや、人生を風景として鑑賞できる角打ちだったりします。
ちなみに角打ちは、ノンフィクション番組、片やドキュメンタリー映画特集を組んでいるミニシアターの様相も呈しています。
“何も考えない”で行った末に、垣間見た人の人生から教えを乞う状況もあったり、一期一会のあの人のストーリーを想像できたり、そんな手土産もついてきます。
“何も考えない”で、未だに足繁く通う紛れもないカルチャースポット「角打ち」こそが、僕にとってのB面なのかもしれないね。
ちなみにThe Residentsの「Diskomo」という曲がありまして、これは彼らの「Eskimo」というレコードを回転数上げてみたら、ディスコみたいじゃん!かっこいい!よし!このままリリースしちゃえ!みたいなノリの、非常にThe ResidentsらしいB面的傑作なのですが。
で、実は、僕が先に出会って衝撃を受けたのは、「Eskimo」より先に「Diskomo」だったりします。
人生の自分の回転数は終わってみないとわからないのです。
失敗も、一周回れば正解だし。
何周遅れで見える景色もあるし。
そんな事を角打ちのカウンターでふと気づく人生折り返し地点。
これから見える景色が楽しみです。
※「角打ち」とは、酒屋の店内に設けられたスペースでお酒を楽しむこと
オラリー(Vo)
映画「Return to Oz」
わざわざ好き!と言わずとも、自分を作り上げた根底にあるもの。それは「Return to Oz」です。小さい頃、家にあったレーザーディスクで何度も何度も見ました。世界観はなかなか不気味で、少なからずトラウマになっていたと思うんですが、同時に麻薬的な魅力も感じていました。
主人公・ドロシーを取り巻くキャラクターたちは不器用で愛しく、最後には本来の姿に戻っていく様も感動します。
そして、ドロシーたちが闘う敵たちもまた素敵なんです。
特に、ホイーラーズという、手足が車輪の人間。顔も笑い声もめちゃくちゃ恐いです。トラウマ必至ですが、なぜか憎めない。デザインも実はかっこよくて、大好きなキャラクターです。
他にも、美しい美女たちの首をコレクションして気分で替えているモンビ王女、岩が喋る=ノーム王などなど。ノーム王との決戦は相当にアガりますよ。
この不気味で美しく、常に私のトラウマとして同化している「Return to Oz」。のちにThe Residentsの魅力に惹かれハマったことも、これが根底にあるのかな、と思っています。