マンネリ化してしまったら、僕らは終わってしまう
──今回のアイデアは社長でもある秋月さんからの発案だったんですか?
横山 もちろん。
──メンバーはその提案を聞いて、どう思いましたか?
西尾 面白いなと思ったよね。時代に合ってるなって。
滝口 売り上げよりも、「聴いてね」っていうことなんですよね。
横山 僕たちは今しか聴かれない音楽を作ってるつもりはないんですよ。10年経っても、ちゃんと聴いてもらえるCDを作ってるつもりでいるから。結局、数字とかデータは旬の話でしかないんですよね。旬って、1カ月、2カ月、3カ月……半年経ったら、どうでもいい話になってくるじゃないですか。半年後には新しいアーティストが出てくるわけで。その半年が過ぎたときにも僕たちの音楽を、iTunes Storeだろうが、レンタルだろうが、サブスクだろうが、どんなタイミングでも誰かに聴いていてほしいんです。聴いた人それぞれのタイミングで「あ、感覚ピエロって、いい曲書いてるじゃん」って気付いてもらうことが正解だから。俺たちはオリコン1位になりたいんじゃないし。
──これまでも感覚ピエロは、結成直後に自主レーベルを立ち上げたりと、ずっとバンド主導で面白い活動をしてますよね。その発想はどこから思い付くんですか?
秋月 疑問に感じることが多いんだと思いますね。「なんで、そういうことをするんやろう?」とか。みんながやってることだけど、俺らがそれをしても面白くないなって、ずっとモヤモヤしてると言うか。
──そのもやもやが新しいアイデアにつながっていく?
秋月 あとはいろいろな人に会うこと。まったく違う業界の人としゃべると「俺、めっちゃ狭い考え方をしてるんだなあ」って気付けるんです。マンネリ化してしまったら、僕らは終わってしまうので。いちプレイヤーとしても刺激を求めてるし、僕ら自身がワクワクできるっていうのが、一番お客さんもワクワクできることかなと思います。
「地元に来てくれなくて寂しい」って思われるようなバンドにはなりたくない
──例えば、感覚ピエロは今会社を作って活動をしてますけど、そういうバンドのやり方って今後の音楽シーンの中でロールモデルになると思いますか?
秋月 たまに違うバンドに「どうしたら、そういう面白い活動ができるんですか?」って聞かれますね。たぶん外から見たら、僕らの活動は理想形なんだろうなと思うんですよ。結果が出ていて、かつ、めっちゃ楽しそうに見えて。
横山 外から見たらね(笑)。
秋月 でも実際は楽しいだけではないです。みんなが思ってる以上に全速力で走ってるだけ。
西尾 ギリギリ行かれへんラインを狙って行ってる感じやな。
滝口 僕らは初めてのワンマンのときから、「今ワンマンをやったら、パンチあるよな」って言ってたんですよ。
秋月 結成して半年のときやったな。
滝口 そのときはまだCDの流通もしてなかったですからね。
秋月 しかも2回目のワンマンが東名阪QUATTRO。
西尾 やったなあ。
滝口 普通はせえへんよな。
秋月 僕らは、最初のワンマンをQUATTROでやろうって息巻いてたんですよ。まだ動員が30人ぐらいしかおらんときから。でも2カ月ぐらい活動して、リアルに俺らがギリギリやれそうなのはここやっていうので、大阪のShangri-Laでやったんですけど。
滝口 そういうのの繰り返しですね。
西尾 やってることは、ほんまに今も変わらないよね。
秋月 なんなら今回の47都道府県ツアーだって、終わったら解散するかもしれないし(笑)。
滝口 「もー、嫌やあ!」ってなってね(笑)。
西尾 それぐらいギリギリで走ってるんですよね。
──そう考えると、新しいアイデアをどんどん考えて実行する秋月さんと同じぐらい、それに同意して、全力で付いて行けるメンバーのバイタリティもすごいですよね。
横山 いやあ……そうですか?
西尾 リミッターを外してくれるからですよ。
秋月 「いけるから!」ってね。
西尾 って言われたら、「まあ……いけるか」って納得しちゃう。
横山 途中から、「いけるかもしれない!」ってなってくるよね。
秋月 洗脳!(笑) まあ、僕も「いける」って言わすほうに仕向けてますけどね。そうやって目標を決めたあと、この4人でどう乗り越えられるかを考えるときが、一番シビアになります。そこからの助走をちゃんとしないと、飛べるものも飛べなくなりますから。
──メンバーは秋月さんのスパルタがキツくて、辞めたいと思ったことはないですか?
横山 これは社長(秋月)とは関係ないんですけど、大阪には仲間をイジるっていう文化があるんですね。で、メンバーのイジり方がけっこうエグくて。
滝口 いまだにな(笑)。
横山 俺は北海道出身だから、それをイジメだと思ってたんですよ。だから2年ぐらい前までは、「なんで俺はボーカルなのにこんなにいじめられてるんだろう?」と思ってた。
滝口 でも周りの人からしたら、「横山それおいしいねんで」って言われる。
西尾 別にイジってないですよ。愛してるんですよ。
横山 そうやって言えば、丸くなると思ってる!(笑) まあ、そのときはいじめられてると思ってたけど、今はおいしいなと思ってます。
秋月 愛してるから。
横山 やめろ、やめろ、安い言葉!(笑)
──(笑)。今の話を聞く限りでも、方針に付いていけないわけじゃないですね。
秋月 僕もみんなができないことは言わないですからね。
滝口 ただ、今回2回目の47都道府県ツアーをやるって言われたときは、「ほんまにやるの?」って、みんな言いましたけどね(笑)。
──でも、さっき言ったような理由があったから、今は納得している?
滝口 ほんなら、やらなしゃあないかって。
横山 あとは普通に考えて、「拝啓、いつかの君へ」とか、「疑問疑答」とか、今回初めてシングルでリリースする「ハルカミライ」(テレビアニメ「ブラッククローバー」オープニングテーマ)とか「0になって」(スマホ向けゲーム「PaniPani-パラレルニクスパンドラナイト-」イメージソング)だとか、自分たちの曲を日本全国に発信できる段階になってきてるので。大きな都市だけに行けばいいわけじゃないんですよ。待っていてくれてる人が全国にいるわけだから。僕は田舎者だからわかるんです。「好きなアーティストが地元に来てくれないのは寂しい」って。だから、感覚ピエロはそういうバンドにはなりたくないんですよね。
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僕らが音楽を作る理由、ライブをやる意味が見つかってきた
- 感覚ピエロ 47都道府県ツアー2018(仮)
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- 2018年3月4日(日)愛知県 Zepp Nagoya
- 2018年3月9日(金)東京都 Zepp Tokyo
- 2018年3月10日(土)埼玉県 西川口Hearts
- 2018年3月11日(日)静岡県 Shizuoka UMBER
- 2018年3月17日(土)大分県 DRUM Be-0
- 2018年3月18日(日)宮崎県 SR BOX
- 2018年3月20日(火)鹿児島県 SR HALL
- 2018年3月21日(水・祝)熊本県 熊本B.9 V2
- 2018年3月23日(金)福岡県 DRUM LOGOS
- 2018年3月24日(土)佐賀県 SAGA GEILS
- 2018年3月25日(日)長崎県 DRUM Be-7
- 2018年3月31日(土)山梨県 KAZOO HALL
- 2018年4月1日(日)長野県 ALECX
- 2018年4月4日(水)岩手県 Club Change WAVE
- 2018年4月5日(木)青森県 青森Quarter
- 2018年4月7日(土)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2018年4月8日(日)千葉県 柏ThumbUp
- 2018年4月13日(金)広島県 CLUB QUATTRO
- 2018年4月14日(土)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
- 2018年4月18日(水)愛媛県 松山サロンキティ
- 2018年4月20日(金)高知県 X-pt.
- 2018年4月21日(土)香川県 DIME
- 2018年4月22日(日)徳島県 club GRINDHOUSE
- 2018年5月16日(水)秋田県 秋田LIVE SPOT 2000
- 2018年5月17日(木)山形県 山形ミュージック昭和Session
- 2018年5月23日(水)群馬県 高崎clubFLEEZ
- 2018年5月26日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年5月27日(日)神奈川県 横浜BAYSIS
- 2018年5月31日(木)福島県 郡山CLUB #9
- 2018年6月1日(金)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
- 2018年6月3日(日)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
- 2018年6月6日(水)石川県 vanvanV4
- 2018年6月9日(土)福井県 福井CHOP
- 2018年6月10日(日)富山県 MAIRO
- 2018年6月17日(日)北海道 Sound Lab mole
- 2018年6月23日(土)岐阜県 CLUB ROOTS
- 2018年6月24日(日)三重県 M'AXA
- 2018年6月30日(土)和歌山県 和歌山CLUB GATE
- 2018年7月1日(日)奈良県 奈良NEVER LAND
- 2018年7月6日(金)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2018年7月7日(土)京都府 KYOTO MUSE
- 2018年7月8日(日)滋賀県 滋賀U★STONE
- 2018年7月14日(土)鳥取県 米子 AZTiC laughs
- 2018年7月15日(日)島根県 松江 AZTiC canova
- 2018年7月16日(月・祝)山口県 LIVE rise SHUNAN
- 2018年7月21日(土)沖縄県 桜坂セントラル
- 2018年7月28日(土)大阪府 なんばHatch
- 感覚ピエロ「#HAL」
- 2017年11月22日発売 / JIJI INC.
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通常盤 [CD]
1296円 / JICD-00001 -
ブラッククローバー盤 [CD]
1620円 / JICD-00002
- 通常盤収録曲
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- ハルカミライ
- ミステリアスに恋をして
- 0になって
- ブラッククローバー盤収録曲
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- ハルカミライ
- ミステリアスに恋をして
- 0になって
- ハルカミライ(TVアニメver.)
- ハルカミライ(Instrumental)
- 感覚ピエロ 1stフルアルバム「色色人色」
- 2018年2月発売予定
- 感覚ピエロ(カンカクピエロ)
- 横山直弘(Vo, G)、秋月琢登(G)、滝口大樹(B)、西尾健太(Dr)により2013年7月に大阪で結成。同時期に自主レーベル・JIJI RECORDSを設立し、事務所や音楽レーベルに所属せずにセルフプロデュースで活動を展開している。2015年6月に初の全国流通盤となるミニアルバム「Break」を発売し、このリリースイベントとして47都道府県ツアーを完遂。同年発表のオリジナル曲「拝啓、いつかの君へ」が、2016年4月から放送された日本テレビ系ドラマ「ゆとりですがなにか」の主題歌に採用された。その後、2017年6月に公開された映画「22年目の告白ー私が殺人犯ですー」に主題歌「疑問疑答」を書き下ろし。テレビアニメ「ブラッククローバー」のオープニングテーマとして「ハルカミライ」を提供し、同曲を収めた初のシングル「#HAL」を2017年11月にリリースした。