NeetzとRyohuが作るトラックの違い
──今回のアルバムではNeetzさんが11曲、Ryohuさんが4曲トラックを制作していますが、音楽的な部分で2人のトラックはどのように違うと思いますか?
Gottz 俺からすると、Neetzの感覚がKANDYTOWNサウンドのベースになってる。そこにNeetzが最近聴いている曲や影響を受けた音のエッセンスが加わっている感じ。Ryohuのビートはキテレツ(笑)。毎回想像を絶するものが出てくるイメージですね。でも、それはNeetzが作ってきたビートにはない要素を加えようとしてるからだと思う。2人とも本当にいろんなタイプの曲が作れて、個性はあるけど、調和はしていて。同じグループにいるラッパーとしては、そういう2人がいることはすごく心強い。
Ryohu KANDYTOWNのビートに関してはあくまでNeetzのビートがメインなので、俺はアルバムのスパイスになれればいいかなってくらいに思ってます。でも「Bustle」は初めて共作みたいに作ったよね。
Neetz うん。基本は俺が作ったんだけど、Ryohuが構成を変えてくれた。KANDYTOWNの曲で俺とRyohuが一緒にビートを作るのは初めてだったから面白かったですね。
──制作時にはどんな曲を聴いていましたか?
Gottz 俺は「Revenge Of The Dreamers III」ってコンピ盤かな。これはJ・コールのレーベル・Dreamvilleのクルーの曲が中心に収録されているんだけど、めちゃくちゃいろんなラッパーやプロデューサーが参加しているんです。アトランタのスタジオに若手をいっぱい呼んで、みんなでセッションしながら曲を作っていく。そういう作り方も面白いと思ったし、単純に曲のクオリティがハンパない。さすがJ・コールって感じ。
Ryohu あれは本当にカッコよかったね。いい意味でごちゃごちゃしてるんだよね。そこがすごくカッコいい。このアルバムって俺らの制作が終わったくらいに出たんですよ。自分たちの作品もこういうごちゃっとした感じにしても面白かったかもなって思いましたね。あと俺は個人的にYBNコーデーのアルバム「The Lost Boy」も好きだった。
Neetz 俺はSpotifyとかでUSの新譜をほぼすべて聴いてるから、どれっていうのは特にないかも。ひと通り聴いて、トラックがよかったらとりあえずお気に入りに入れて、あとでプレイリストに整理する感じです。そのプレイリストからインスピレーションを受けることが多いですね。
「ADVISORY TOUR '19」はこれまでと違う見え方のショウになる
──11月3日、22日には、このアルバムを携えての東阪Zeppツアー「ADVISORY TOUR '19」も行われます。
Ryohu それぞれソロアルバムを出したことで単純にやれる曲が増えたので、これまでとは違った見え方のショウになると思う。個人的にはそのへんも楽しみなんですよね。
Neetz あと、会場の規模が1stアルバムを出したあとのツアーより全然デカくなってるしね。最初に言ったけど、俺はこのツアーに向けてアルバムの曲作りをしていたというのもあるし。
Gottz 俺はとにかく楽しみたいです。しかもここでかませば、俺自身の価値も上がる。とはいえセルフィッシュになりすぎず。「Imperial」のフックでRyohuくんが言ってたように、大事なのはチームプレイだから。
──では最後に、皆さんが普段の生活の中でヒップホップを感じる瞬間を教えてください。
Neetz 俺はスタジオにいるときだな。ツボイさんと一緒にスタジオでみんなのラップを録っているときに一番ヒップホップを感じる。つまり音楽を作ってる瞬間というか。
Ryohu 俺はただみんなと一緒にいるときかも。ライブしに行くときとか、遊んでるときも含めて、日常でみんなと一緒に歩いてるときにヒップホップを感じますね。
Gottz 俺は新品のナイキを下ろした瞬間かな(笑)。俺らはグッドボーイでも、バッドボーイでも、オタクでもない。俺らはありのまま。ライフがヒップホップで、ヒップホップがライフ。そんなやつらは、俺ら以外いないでしょ。
Ryohu 俺らは1人の人間としていつもKANDYTOWNの看板を背負ってる。常に謙虚に、正しい振る舞いをし、カッコいい音楽を作ること。ときには1人で戦うこともある。そういう生き様のリアルさっていうのは常に意識しています。俺はそれがヒップホップだと思ってる。俺らの曲を聴いてくれている人たちにもそれが伝わったらうれしいですね。
ライブ情報
- KANDYTOWN「ADVISORY TOUR '19」
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- 2019年11月3日(日・祝)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- 2019年11月22日(金)大阪府 Zepp Osaka Bayside