レイジくんがいてくれたのは大きい

──今回のアルバム制作には、かつてズットズレテルズでYUSHIさんと音楽活動をしていたOKAMOTO'Sのオカモトレイジさんと、日本語ラップのファウンダーの1人であり、RHYMESTERやECDさんによる日本語ラップのマスターピースを手がけてきたILLICIT TSUBOIさんが関わってますが、この2人の役割について教えてもらえますか？

GOTTZ　レイジくんは音楽的にどうこうっていうのは一切ないです。そうじゃない部分を手伝ってくれる役割。「KANDYTOWNはドメスティックすぎるから、レコード会社との間に入ってやるよ」って言ってくれて。俺らからしたら、その言葉自体が「何言ってるの？」って感じなんだけど（笑）。でもレイジくんがいてくれたのは大きい。

Neetz　レコード会社とのやりとりは初めてだったからね。

GOTTZ　逆にTSUBOIさんは音楽の面だけのアドバイスです。

Neetz　TSUBOIさんのスタジオで録音しましたからね。ミキシングのこととか、いろいろレコーディングについてのアドバイスもらいました。制作の手順というか、制作方法とかは自分らのやり方でやったから。

ヒップホップを聴いてこなかった人が聴き始める入り口になれたら

──DONY JOINTさんとGOTTZさんにお聞きします。ラッパーは言葉をよく知っているので、やはり本を読むのだろうな、という先入観があります。でも、日本のラッパーの最高峰の1人、漢 a.k.a. GAMIさんは「本から言葉を拾ってきてもいいラップができるわけではない」と言っていますね。

GOTTZ　自分には読書期間みたいのがあって、「この作家が面白い」と思ったら、ずっと読んじゃう感じですね。今はまってるのは浅田次郎の「プリズンホテル」です。面白いですよ。

DONY JOINT　俺は本は苦手ですね、読まないです。映画とか日常から言葉を拾ってくる感じです。

──KANDYTOWNのリリックは英語と日本語が併置されていますよね。

GOTTZ　英語を混ぜるのは、ラップのスムースさを日本語だけでは表現しきれないみたいなところからくるかな。

Neetz　日本語だけだとカクカクしちゃってビートにはまりづらい気がします。カタカナとか英語がトラックにはまる。

GOTTZ　もちろん、（日本語だけで）ばっちりはめる人はカッコいいと思いますけど。jjjくんとか。

──このアルバムに収められている「GET LIGHT」のミュージックビデオで「Reebok CLASSIC」とコラボレートして話題になりましたが、続いて「GIFT」と題した新たなコラボムービーも公開されました。

GOTTZ　この間も撮影で、けっこうハードだったんですが、ちょっと今までにない感じのKANDYTOWNが映ってると思うんで、観てください。「Reebok CLASSIC」の動画とか、そういうのがきっかけで、今まで全然ヒップホップを聴いてこなかった人、年齢が違う人にも自分たちの音楽が届くのはうれしいですよ。

DONY JOINT　それで、そういう人たちがほかのヒップホップを聴き始める入り口に俺たちがなるのもすごくうれしいです。