神宿インタビュー|新曲「Trouble」MV撮影現場に潜入、ぴあアリーナMM公演に向けて5人が語る本音

神宿が9月26日、神奈川・ぴあアリーナMMで結成7周年を記念したワンマンライブ「神宿 7th Anniversary Live:WE ARE KAMIYADO」を行う。

2014年9月のステージデビュー以来、アイドルシーンをひた走ってきた神宿。近年はいわゆる典型的なアイドル像を飛び越えるような音楽性とビジュアルで、より自由に、よりフレキシブルにアップデートを重ねている。8月にリリースされた最新アルバム「THE LIFE OF GIRLS」はメンバーの一ノ瀬みか、羽島めい、塩見きらが作詞作曲した「Trouble」をはじめ、メンバーが楽曲制作にも深く関わった意欲作。2020年10月発売の前作「THE LIFE OF IDOL」の全曲を再度収録し、新曲を加える形で“アイドル”であり“女性”である神宿メンバーの今を表現するという一風変わった構成となっている。

アリーナ単独公演を目前に控える神宿の生の声を聞くべく、音楽ナタリーは新曲「Trouble」のミュージックビデオ制作現場に潜入。夕方から早朝まで長丁場ながら楽しく撮影に挑む彼女たちの様子を伺いつつ、撮影の合間に1人ずつ、神宿の現状と7周年ライブに向けた思いを聞いた。

取材・文・撮影 / 臼杵成晃

新曲「Trouble」MV撮影現場フォトレポート

小山ひなインタビュー

「楽しかったね」「よかったね」「また来たいね」と思ってもらえるようなライブに

──神宿は4月に現体制2周年を記念した生配信ライブを行い、その中で神奈川・ぴあアリーナMMでのワンマンライブの開催を発表しました(参照:神宿「先陣切って走っていきます」無料配信ライブを経て現体制3年目へ)。その後も間を置かずツアーやイベントなど精力的に活動を続けていますが、アリーナライブへの実感は湧いてきましたか?

ぴあアリーナMM公演を発表したのは4月29日のライブでしたけど、実は1年くらい前にはもう開催することは決まっていたんですよ。だから私たち自身はずっとアリーナに向けて準備を進めてきたんですけど……だんだんと「あれっ? もうあと3カ月しかないじゃん!」とか、じわじわと現実味を帯びてきて。今は「もう1カ月しかない!」と焦っていますけど(笑)、結成7周年というお祝いの場でもあるから、舁夫(神宿ファンの呼称)のみんなに「楽しかったね」「よかったね」「また来たいね」と思ってもらえるようなライブにできたらいいかなって今は思っています。

小山ひな

小山ひな

──ぴあアリーナMMには行ってみましたか?

前に会場の内見をさせてもらったんですけど、普段ライブハウスをたくさん回ってる私たちにとっては、規模感がいつもと全然違っていて。一番後ろの席からステージを見て、「……ここで本当に私たちはやるのか」と(笑)。幕張も大きかったですけど(2019年9月の結成5周年公演「神が宿る場所~君が君らしくあればいいのさ~」。参照:神宿、さらに大きな夢へとつなぐ5周年の幕張ワンマン)、ぴあアリーナは雰囲気がまたちょっと違うんです。

──デビューから7年で相当な数のライブをこなしてもなお、ライブは緊張するものですか?

全っ然しますよ! 毎回毎回。小さなライブハウスであっても。「ひなは全然緊張してないよね」ってよく言われるんですけど、ちゃんと緊張してるんです(笑)。足ガタガタですよ。それを見せないスキルは7年で身に付いたかもしれない(笑)。

強い意思を持って新しいスタイルに挑戦していきたい

──神宿が音楽性やビジュアル面で典型的なアイドルの様式を飛び越えた進化を見せる中で、小山さんは以前のイメージを変えずに残していますよね。小山さん個人は変化することについてどう考えていますか?

私だけ髪色変わってないですしね(笑)。私の場合は、いつでもかわいくいようと思ったらこれが一番ラクだというのと、「黒髪ボブ=小山ひな」はまだ定着していないから、定着するまではそのままで、メイクもあまり変えずにいたくて。

──以前はむしろ小山さんが一番変化に意欲的だったのかなと思ってましたけど。密かにピアスの穴を大量に開けていたり。

私は隠れてやってたんですよ。不良だったんで(笑)。流行りも変わっていくし、時代もどんどん流れていく中で、変わらないと置いていかれると思うから、グループが変わっていくのはいいことだと思うんです。女の子の先頭に立っていきたいという気持ちはずっとあるので、「何をやってるの?」と言われても、私たちは強い意思を持って新しいスタイルに挑戦していきたいと思っているし、これでいいのかなと思っています。

小山ひな

小山ひな

──時代が大きく変わっていく中で、神宿は面白い変化をしているなと思うんです。かと言って「脱アイドル」ではなく、あくまでアイドルとしての変化を追求していて。結成当時はむしろ「The アイドル」の典型といえる存在だった神宿が今こうなっているのが面白いなと。

確かに。私は「The アイドル」もよかったと思うんですよ。でも今そのままでいても、たぶん楽しくないですよね。

──ほかのメンバーを見ていて「すごく変わったな」と思うところはありますか?

みんなそれぞれ変わってきてますけど、(羽島)めいちゃんは特に変わりましたよね。バッサリ髪を切って、中性的な見た目になって……すごく自信がついてきたような気がする。あんなきれいな顔立ちで、何がそんな不安なんだろう?っていうくらい、自信がない子だったんですよ。でも、髪を切ったあたりからすごく堂々としてきて。私はそれがすごくうれしいです。メンバーの変化を見ていくのは楽しいですね。私はあまり変わらないから。

「カワイイ」だけは失わずに

──最近のライブでの小山さんのソロコーナーは、椅子に座ってアコースティックな雰囲気で歌うことが多かったので、ソロ曲はそういう大人びたムードになるのかなと思っていたのですが、ニューアルバム「THE LIFE OF GIRLS」に収録された小山さんのソロ曲「を愛に」は全然違いましたね。

「この中でボカロ系の曲が歌えるのはひなくらいだよね」って言われて、じゃあ歌ってみようかなって。私はかわいい衣装を着てかわいく歌えればなんでもいい人なんですよ(笑)。音楽的なこだわりは特にないけど、歌詞はこだわって書きました。

──かわいいものが好き、という感覚はずっと変わらないんですね。

変わらないですね。もういい歳になってきましたけど、そこは残念ながら変わらないので、「カワイイ」だけは失わずに生きていきたいと思っています。もうちょっと変わると思ってたんですけどね(笑)。