2019年1月にYouTuberのマネジメントプロダクション・UUUMに加入し、ライブ映像やミュージックビデオのみならず、さまざまな動画を日々配信している神宿。メイク動画やASMR、ドッキリ企画などの定番モノもあれば、振り付け動画を目隠し状態で撮影し、てんやわんやの姿を見せる「アイドルが目隠しして踊ってみた」シリーズといったユーモアあふれる独自企画まで幅広く挑戦している彼女たちだが、中でもツアー各地でライブ後の打ち上げの様子をそのまま見せる「神宿の打ち上げ見せちゃうよ」シリーズが神宿ファン、通称“舁夫”（かきふ）の間で高い人気を集めている。メンバーがおいしいご当地料理を食べながらひたすら楽しくおしゃべりしているだけの動画だが、これが妙にくせになる。普段ステージでは見られない素の表情や仲睦まじい5人の姿が楽しめるのが人気の理由だろう。

音楽ナタリーでは現在開催中のツアー「神宿全国ツアー2019-2020 "GRATEFUL TO YOU"」の北海道・SUSUKINO 810公演に密着し、噂の「打ち上げ動画」との連動でインタビューを行った。神宿のYouTube公式チャンネルで同時公開となった新着動画「神宿の打ち上げ見せちゃうよ札幌編」と合わせて楽しんでほしい。

取材・文・撮影 / 臼杵成晃

神宿、冬の札幌へ

2019年9月29日、グループ結成以来初のアリーナ単独公演となる千葉・幕張メッセ国際展示場7・8ホールでのワンマンライブ「神が宿る場所～君が君らしくあればいいのさ～」を成功のうちに収めた神宿。新メンバー・塩見きらの加入から5カ月という短い期間の中で結束を深め、大舞台を成功に導いた5人は、さっそく新体制初のツアーへ。「神宿全国ツアー2019-2020 "GRATEFUL TO YOU"」と題されたワンマンツアーは11月15日、東京・morph-tokyoで幕を開け、神宿は年をまたいで全国津々浦々を回っている。

2020年2月1日、神宿はツアー15公演目を行うべく北海道・札幌へと向かった。折しも札幌市内では冬恒例の「さっぽろ雪まつり」開催直前。今冬は記録的な雪不足ということで、この日も冬の北海道としては暖かい1～2℃の気温で雪のない晴れ間が広がっていたが、会場となるSUSUKINO 810近くの大通りは雪まつりの準備でにぎわっていた。神宿の5人は衣装などの荷物を下ろしてひと息つくと会場の外へ。いくら例年より暖かいとはいえそこは札幌、5人は吹き荒ぶ北風に身を縮めながらも笑顔で撮影に応じてくれた。

その後、ライブ前特典会で舁夫との交流を楽しんだ神宿は、衣装に着替えてリハーサルを行った。ステージのサイズとフォーメーションの間隔、9月の幕張公演から導入しているイヤーモニタのバランスなど、細かいポイントを押さえながらパフォーマンスを確認していく。このツアーで初披露となった新曲「ボクハプラチナ」（2020年1月発売のアルバム「kamiyado complete best 2018-2019」に収録）は特に入念にリハーサルを重ねる5人。全員そろってのリハーサルを終えたあとも、個人個人で気になる部分の確認をしたり、目を閉じて精神を統一したり、ゆっくり体をほぐしたりと、それぞれにライブにむけての気持ちを高めていた。

18時、開場時刻になると──フロアはマスク姿の舁夫たちで満員に。1月下旬に厚生労働省から発表された新型コロナウイルス関連肺炎に関する報告を受け、事前に神宿運営からマスク着用の呼びかけが行われていた。この時期はまだライブイベントも通常通りに行われることが多かったため、この日も開催の運びとなったが、観客全員がマスクを付けている光景は極めて異様で、ステージ上のメンバーも「ある意味忘れられない1日になりました」としみじみ語っていた。ライブは大いに盛り上がり、神宿は新曲「ボクハプラチナ」を含む13曲を披露。さらにアンコールで「星空帰り道」「ほめろ！」の2曲を歌い、会場を冬の札幌とは思えない熱気で満たした。