jealkb|固定概念をぶっ壊す ロックとじゃんけんの融合

シルバー世代に対して、みんなどう思ってるんだろう?

──シングルの2曲目「silver」は、楽しく盛り上がれる「R-P-S」とは対照的にシリアスなテーマに切り込んでいます。

jealkb

haderu そうなんですよ。ちょっと政治的と言いますか、世の中の問題に切り込んだ曲ってjealkbとしては初めてで。sapotoからすごくいい曲が上がってきたので、そこにあえて異色な詞を乗せることでバンドとしての振り幅を見せられたらいいかなって狙いはありました。jealer(jealkbファンの総称)がどう受け止めるんだろうということも含め、なかなかチャレンジングな1曲だと思います。

──この先、さらに深刻になっていくであろう高齢化社会がテーマですよね。

haderu シルバー世代に対して、みんなどう思ってるんだろうってことを問いかけている感じです。これからのことを考えると、僕ら若い世代がシルバーを支えていくのは本当に大変なことだろうなと。なので僕は最初「silverを守れない」というフレーズを書いたんです。でも、その言い方はあんまりだよなってことになって、結果的にsapotoが提案してくれた「silverとハモれない」って表現になったんですけど。だいぶ世の中に物申してる感が出ちゃってるんで、歌詞だけで見ないでほしいなとは思うんですけど(笑)。

hideki 確かにね、「医療看護不足」ってワードはなかなか歌詞で使わないもんな(笑)。

elsa ほかのバンドの曲じゃ見たことねえわ(笑)。

イントロのイメージはサンシャイン池崎

──ただ、曲として聴けばそこまでポリティカルな印象を抱くことはないですし、そもそもメッセージとしてはシルバー世代を見放すことを目的とはしていないですからね。

haderu そうそう。結局「当たり前のことをみんな見過ごしすぎなんじゃない?」ってことが言いたかったんですよ。今を楽しむことはすごく大切だけど、ちょっと未来に目を向ければ当然やってくる厳しい現実が待ち受けているわけですから。それに気付いてほしかったから「チョコレートは甘い」ってフレーズを使ったりしてるんです。

──チョコレートが甘いことが当然であるように、高齢化社会がやってくることも当然なんだよと。そこから目を背けちゃダメだということですね。

haderu うん。そこに加えて、みんなの考えの甘さをチョコレートにかけたところもあります。俺らだって近いうちにジジイになるわけですから。「今からちゃんと考えたほうがいいんじゃないの?」ってことです。

──sapotoさんはどんなイメージで作曲とアレンジをしていったんですか?

sapoto(G)

sapoto 僕は1曲を作る際に、20個くらいの要素、アイデアがないと面白いものにならないと思ってるところがあって。なので、今回もそこは意識しましたね。その中からあえて1つ挙げるとするなら……イントロの「イエーイ!」って叫びの部分があるじゃないですか。あそこはサンシャイン池崎さんのイメージです。

haderu そうなの!? インタビュー中に明らかになる新事実(笑)。そう言えばあの部分、何回も録り直したもんな。

hideki haderuは知らずにサンシャイン池崎をやらされていたと。それめっちゃ面白いじゃん(笑)。

haderu 言っといてくれれば、そこに寄せた歌詞にしたのに。まさかのシルバー世代の歌になっちゃったよ(笑)。

僕らにしかできない楽しさを追及していきたい

──でもあの叫びはすごくいいですよね。曲のテーマを考えると、そこには憂いが込められているようにも聴こえてくるし。

sapoto うん、すごくカッコいいと思う。ちょっと楽器っぽい響きもあるし。

hideki(Agitator)

hideki 個人的にはhaderuがちょっと咳払いしてるところもすごく好きなんですよ。「これからちょっと言いにくいこと言います」みたいな雰囲気が出てて。

sapoto ああいう咳払いってブルースシンガーがわりとやるんですよ。それをこの曲ではどうしても入れたかったんです。なので現場で言ってやってもらったんですよね。

hideki それも曲に必要な20個のアイデアのうちの1つだったんだ。いいね。

haderu これライブでやるとき、俺のけぞんなきゃなのかな。サンシャイン池崎ふうに(笑)。

──ライブがますます楽しみになります(笑)。今作には皆さんが出演しているMUSIC ON! TV「jealkbの6分ロッキング」のテーマ曲「6」も入っていますし、すごくバランスのいいシングルになりましたね。

hideki 「いろいろと楽しいことをやる兄ちゃんたち」っていうのが今の僕らのテーマだったりするので、それがいい形で出たシングルだと思います。

elsa カッコいいバンドさんは世の中にいっぱいいるんで、僕らはそことは違った切り口で、僕らにしかできない楽しさをこれからも追及していきたいですね。

jealkb

──12月22日には東京・Zepp DiverCity TOKYOでのワンマンライブも決まっています。新たなフェーズに突入した今のjealkbの姿をたくさんの人に目撃してほしいですね。

haderu 僕らはちょっとずつワンマンの小屋を大きくしていってるんですけど、今のタイミングでZeppでライブをするのはかなりの挑戦だと思うんですよ。正直、厳しい戦いになると思う。でも、日本武道館という目標を掲げているからにはここで勝負するべきだなと。そこで今のjealkbが何を見せられるのか、それが自分たちでも楽しみでもあるので。

hideki 一応キャリア10年を超えるバンドなんでね、ここからも気合い入れていかなきゃなって思ってます!

jealkb「R-P-S」
2017年11月22日発売 / jealize
jealkb「R-P-S」

[CD]
1000円 / YRCN-90281

Amazon.co.jp

収録曲
  1. R-P-S
  2. silver
  3. 6

ライブ情報

「R-P-S」リリースイベント

2017年11月22日(水)
東京都 池袋サンシャインシティ噴水広場
START 18:30~

内容:ミニライブ&じゃんけん大会

参加メンバー:elsa、hideki、ediee、sapoto、dunch(※haderuは不参加)

jealkb "TARGET" 2017

2017年12月22日(金)
東京都 Zepp DiverCity TOKYO

jealkb(ジュアルケービー)
jealkb
吉本興業に所属する芸人たちによって2005年に結成されたヴィジュアル系ロックバンド。現在はhaderu(田村淳 / ロンドンブーツ1号2号)、elsa(衛藤幸生 / ex. チープスープ)、dunch(桑折貴之 / ex. じゃぴょん)、ediee(大川知英 / ニブンノゴ!)、hideki(森本英樹 / ニブンノゴ!)、sapotoの6人で活動を行っており、メンバーと親交のある人たちで構成されたサブメンバーも数多く存在する。2007年10月にシングル「誓い」でメジャーデビューし、翌2008年の11月には1stアルバム「狼煙 -NOROSHI-」を発表。2016年11月にシングル「reboot」発売を機に自主レーベルjealizeを設立した。2017年7月には6枚目のアルバム「IDENTITY」をリリース。11月22日にニューシングル「R-P-S」を発表した。