jealkbが11月22日にニューシングル「R-P-S」をリリースする。
結成12年のキャリアを持つ彼らは昨年、その活動を“reboot=再起動”して“Act2”と称した新たなフェーズへと突入。ほかのバンドにはない楽曲の多様性とライブでの楽しみ方を武器に、唯一無二の存在感をシーンにアピールしようと邁進している。今回リリースされた「R-P-S」はライブでのパフォーマンス先行で制作されたというアッパーなロックチューン。そのテーマは「じゃんけん」だ。
ロックとじゃんけんの融合。そんな前代未聞の楽曲はどんな思いで生み出されたのか? メンバー全員に話を聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 集合写真撮影 / 後藤倫人
僕らは新しい音楽の楽しみ方を提案してる
──jealkbは昨年11月に自主レーベルのjealizeを立ち上げ、“Act2”と称した活動をスタートさせました。そこから約1年、バンドを取り巻く状況に何か変化はありましたか?
haderu(Vo) jealkbならではのライブの楽しみ方みたいな部分を、この1年でより確立できたと思います。それによって、ライブで楽しめることに特化した楽曲をより明確に作れるようにもなったりして。今回の新曲「R-P-S」はまさにライブありきで作っていったものですからね。“Act2”に入ってから初めて僕らのライブに足を運んでくれた人たちは、「想像してたヴィジュアル系のライブとは全然違う楽しさがありました」とか「こんな形で音楽を共有するライブがあるんですね」みたいな感想を言ってくれているので、響いてほしいところにちゃんと響いているって実感はあります。
──今のjealkbのライブの楽しさや魅力はどんな部分にあると思いますか?
haderu 音楽って、どっかでカッコよくなきゃいけないみたいな固定観念があるじゃないですか。でも僕らはそれをぶっ壊した新しい音楽の楽しみ方を提案してるんで、そこが1つのオリジナリティになってるんじゃないかなとは思います。例えば、誰もライブのセットリストに入れたがらないedieeさんの作った曲があるんですけど、まったくやらないのももったいないからライブではあえて前奏だけやることにしてて(笑)。
ediee(G) それが定番になったから、今じゃそのイントロが流れるとみんなすごい喜んでくれて。
haderu 求めてられていなかったはずの曲で一番盛り上がる(笑)。イントロだけしか演奏しないなんて、ある種、曲への冒涜でもあるじゃないですか。普通のバンドじゃあり得ない。でもうちらのバンドではそれさえもアリっていう。
hideki(Agitator) ライブで演奏しないという選択をするのではなく、その曲を一番輝かせるためにはどうしたらいいかを考えられるのがjealkbっぽいところですよね。どんな曲であっても料理の仕方で絶対楽しませることはできると思うので。
歌いたくない曲はステージからハケる
──じゃ、jealkbにはボツになる曲がないんですね。
haderu 中にはどう考えてみても生かしきれない曲もありますけどね(笑)。そういうのはみんなで話し合ってボツにします。
elsa(Dr) あとは上がってきた曲に対してhaderuが「この曲歌いたくない」って言うこともあったりはしますね。
haderu そうね。edieeさんの作った「アイラブアニマル」って曲があるんですけど、僕はそもそも動物が嫌いなんで「これは歌えないな」と思って。
ediee 保育園児にウケそうな曲ではあるんですけどね。なのでその曲は今、僕が1人で歌わせてもらってます。
haderu 「アイラブアニマル」のときはediee以外のメンバーはステージからいなくなりますから。で、お客さんもその状況を見て「あ、そっか。この曲はメンバーがあんまり好きじゃないからね。そりゃハケるよね」みたいな感じでちゃんと理解してくれて(笑)。
hideki その上でお客さんも「むしろ盛り上がったれー!」みたいな(笑)。
壊れかけのコンポーザー・ediee
──ファンとのいい関係性が築けているんですね(笑)。ちなみに現在のjealkbにはedieeさん、elsaさん、sapotoさんという3人のコンポーザーがいて。曲作りに関しては“Act2”になって何か変わったところはありますか?
ediee 基本的には何も変わってないですね!
haderu それじゃ“Act2”って言ってる意味ないじゃねえかよ! edieeはコンポーザーって言っても壊れかけなんだから、1発目に答えちゃダメ(笑)。
──あははは(笑)。ではelsaさんとsapotoさんはいかがですか?
elsa 最近はまずライブで何をやりたいかを決めてから楽曲に落とし込んでいくので、方向性やイメージをより固めやすくなったところはありますよね。そういう作り方自体、単純に面白れえなって思えてるし。
sapoto(G) うん。アレンジや楽器の選定に関してもライブ映えすることをすごく意識するようになりました。あと個人的には昨年正式メンバーになったことで、ライブではより動かなきゃなと思ってるところもあって。なのでギターのフレーズなんかは動いても演奏しやすいように「このフレーズは簡単にしとこうかな」と考えるようにもなりました(笑)。
haderu あははは(笑)。まあでもsapotoが正式メンバーになったことで、今までに出せなかったメロディラインとか音色がどんどん生まれてるからね。そこもまた“Act2”の魅力なのかなとは思いますよ。
──3人のコンポーザーの個性が発揮されていくことで、バンドとしての音楽性の幅もここからさらに広がっていきそうですよね。
haderu そうですね。edieeも壊れかけてはいますけど(笑)、案外ライブの締めに彼の曲が選ばれることが多かったりもして。そういう意味では「ホームランか三振か」みたいな極端なコンポーザー、天才肌だとは思うから、そのあたりもjealkbの面白さになっているような気はします。
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「ライブ中にじゃんけんしたいんだよね」
- jealkb「R-P-S」
- 2017年11月22日発売 / jealize
-
[CD]
1000円 / YRCN-90281
- 収録曲
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- R-P-S
- silver
- 6
ライブ情報
- 「R-P-S」リリースイベント
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2017年11月22日(水)
東京都 池袋サンシャインシティ噴水広場
START 18:30~内容:ミニライブ&じゃんけん大会
参加メンバー:elsa、hideki、ediee、sapoto、dunch(※haderuは不参加)
- jealkb "TARGET" 2017
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2017年12月22日(金)
東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- jealkb(ジュアルケービー)
- 吉本興業に所属する芸人たちによって2005年に結成されたヴィジュアル系ロックバンド。現在はhaderu(田村淳 / ロンドンブーツ1号2号)、elsa(衛藤幸生 / ex. チープスープ)、dunch(桑折貴之 / ex. じゃぴょん)、ediee(大川知英 / ニブンノゴ!)、hideki(森本英樹 / ニブンノゴ!)、sapotoの6人で活動を行っており、メンバーと親交のある人たちで構成されたサブメンバーも数多く存在する。2007年10月にシングル「誓い」でメジャーデビューし、翌2008年の11月には1stアルバム「狼煙 -NOROSHI-」を発表。2016年11月にシングル「reboot」発売を機に自主レーベルjealizeを設立した。2017年7月には6枚目のアルバム「IDENTITY」をリリース。11月22日にニューシングル「R-P-S」を発表した。