「ライブ中にじゃんけんしたいんだよね」

──新曲「R-P-S」は「Rock（岩）」「Paper（紙）」「Scissors（ハサミ）」の頭文字を並べた、じゃんけんをテーマにした楽曲になっています。この発想はどんなところから生まれたんですか？

haderu　ライブ中に俺たちとじゃんけんして、負けたお客さんがどんどん座っていくって画が浮かんだんですよ。で、最後に残った1人がもし負けたら、また全員が復活して1からじゃんけん大会が再開する。そのときの盛り上がりってものすごいものがあるよなって思ったんですよね……冷静に考えれば、もう1回じゃんけんに参加できるだけなのに、敗者復活ってだけでめちゃくちゃ大喜びするっていう（笑）。そんな感情の揺れ動きをライブで表現したいなと思ったのが最初のきっかけでした。

elsa　「ライブ中にじゃんけんしたいんだよね」と聞いたときはメンバーみんなきょとんとはしましたよ。「この人、何言ってんの？」みたいな（笑）。でもその意図を説明してもらったらなるほどと思えたし、そんなことやってるバンドはほかにいないと思うので、すげえ面白いんじゃないかなって。

dunch（B）　そうだね。じゃんけんって誰もが幼少の頃から慣れ親しんでるゲームで、知らない人がいないじゃないですか。だからそのテーマがうまい具合に曲とハマったら絶対楽しいものになるだろうなと、そのアイデアにはすぐ大賛成しました。で、上がってきた曲のサビはものすごくキャッチーなものになっていたんで、これはいいものになるぞと確信して。

jealkbとしては新しいアプローチに挑戦

──作曲はelsaさん、アレンジはelsaさんとsapotoさんの共同クレジットになっています。

elsa　僕がかっちり作り込んだデモをもとに、ギターのフレーズに関してはsapotoにアイデアをもらいつつ、ほかのパートに関しても「ここはもうちょっと派手にしたいよね」みたいな感じでみんなで話し合いながらアレンジを詰めていきました。完成まではかなり早かったですね。

sapoto　演奏はけっこうパンキッシュな感じではあるんですけど、リズムは縦を合わせていく感じで。リズム主体で作ったアプローチはjealkbとしては新しいかなと思います。あと、ギターに関しては今年出たジョン・メイヤーの新譜からインスパイアされた部分も入れたりしてますね、実は。パッと聴いた感じではまったくそんなふうには聴こえないとは思うんですけど。

ediee　あー、確かにジョン・メイヤーっぽいなとは思ったんですよね。

elsa　知らないでしょ、あんた！ ジョン・メイヤーのこと！

ediee　あ、すいません。知らないです。いやでも今回のギターはシンプルなので、そんなに難しいところはなかったですね。難しいところはsapotoに弾いてもらってますし（笑）。

dunch　（笑）。テンポが速いからテンションを上げて弾かなきゃいけないのがちょっと大変でしたけど、でもとにかく楽しい曲なんでね。そこを意識してメロディアスに弾くように心がけました。

初見の人でも迷いなく楽しめるのがjealkbのライブ

──そこにhaderuさんによる歌詞が乗るわけですが。じゃんけんがテーマで、こんなにカッコいい曲になるものなのかと正直びっくりしました。

elsa　それは僕も思いました！ ほんとすごいですよね。正直とてもくだらないことを歌ってるんですけど（笑）、そうは聴こえないっていう。

haderu　「じゃんけん」ってワードを使わないようにしたのはこだわりですね。で、そこに戦争へのアンチテーゼ的な意味合いもちょっと加えてみたりして。まあ、こじつけですけど（笑）。

──何の情報もない状態で聴くと、じゃんけんの歌だとわからない人もいるかもしれないですよね。

haderu　そうそう。いろんな受け取り方をしてもらえばいいかなと。

hideki　でもライブに来れば確実にわかるっていうね。「なんだこれ、じゃんけんの歌かよ！」みたいな（笑）。

elsa　ライブでは途中でじゃんけん大会をぶち込んでいくので。「R-P-S」はそれをやるために作った曲ですから。

haderu　うん。僕、曲ができる前からまあまあデカいトロフィをAmazon.co.jpで発注してたんですよ（笑）。

──じゃんけんに勝つとトロフィがもらえるんですか？

hideki　勝った人には日付入りのメダルを授与します。トロフィは、チャンピオンの名前入りのリボンを付けて僕らが保管していきます。ライブをするごとに歴代チャンピオンのリボンが増えていくのが楽しそうだなって。いずれはチャンピオン大会みたいなことができたら面白いかなと思ってるんですけど。

──ああ、いいですね。この楽曲を通していろんな楽しい広がりが生まれそう。

haderu　曲中にやる振り付けも今回はグー、チョキ、パーの動きをフィーチャーしたわかりやすいものになってます。

hideki　みんなが一緒になって楽しめるように、小難しい振り付けにはしてないですから。初見の人でも迷いなく楽しめるってところも、jealkbのライブの醍醐味だと思いますよ。