ナタリー PowerPush - JASMINE

2ndシングル「NO MORE」リリース 注目ニューカマーが“二重人格”な素顔を語る

「NO MORE」は何も言い返せなかった自分への苛立ち

──2ndシングル「NO MORE」は「sad to say」のあとに作った曲ということですが、今回もかなりストレートな思いを綴った歌詞ですね。

小学校3年生くらいから「私は歌手になりたいんだ!」みたいなことを言い出して、その夢をずっと妄想しながらテキトーな生き方をしてたんです。JASMINEが歌手になりたいって言ってるのに、アスミが「そんなのいいよ、勝手に言ってれば?」みたいな感じで、遊び回ってるアスミが歌手になりたいJASMINEを押しのけてた。そのせいで、JASMINEは「なれるわけないだろ、バカじゃねえの?」みたいに周りから言われたし、自分の生き方や価値観に関して友達や家族、彼氏や周りの人にいろいろ言われることもあったんですけど……私は何も言い返せなかったんです。

──はい。

その言った人の顔とか言われたシーンが鮮明にずっと頭に残ってて。でもそれは相手のことを根に持ってるとか、その言葉に対しての苛立ちではなくて、言われて何も言い返せない自分への苛立ちだって気付いたんですよね。言われたことが図星で悔しいっていう。

──原因は自分自身にあると。

そう。それってどうしてかっていうと、自分で自分を大事にしてないから。この歌詞は、ずっとJASMINEをダメにしていたアスミに対して“いつか見返してやる”っていうJASMINEの怒りなんです。

──ずっと抱いてた葛藤みたいなものがあふれ出した?

はい。長いこと持ち続けてた気持ちだったんで、これは歌詞にしなきゃって。

──でもそういう場合って、普通は相手にムカついたり怒ったりするだけで終わるものですよね。じゃなくて、自分を省みて責めるっていうのは昔から?

そうですねぇ……私、なぜか深く追求しちゃうんです。怒りの感情ひとつとっても、なんで?なんで?って突き詰めちゃうんですよ。で、結局自分に戻ってくるんです。

──ブーメランみたいですね。

はい(笑)。

──でも今こうして歌詞にしたことでスッキリした部分は?

正直まだわかんないですけど、だんだん馴染んできてくれると思います。言葉にすることでモヤモヤが少しクッキリするんで。

NE-YOのファンをノセられたらスゲエぞ! と(笑)

──2曲目の「CLUBBIN"」は、リリックもトラックもかなりカッコいいと思います! モロにJASMINEさんのプライベート、って感じで。

これは17歳くらいのときに書いたんですけど、やさぐれてる感じですよね(苦笑)。クラブが楽しくて、いつもライブをやってて、毎日がハッピー♪っていう日々。なんでもない毎日が本当に楽しかったんで、そんな私生活について書いてみようと思ったんです。

──サウンドはギターを前面に押し出したロックで。

そう、ロックなトラックをやってみたかったんですよ。セリフの歌詞にしても、この曲はホント、若さゆえの怖いものナシな感じですね(笑)。

──3曲目のスウィートなミディアムナンバー「what you want?」も通して、どれが表題曲になってもいい仕上がりだと思いました。

ありがとうございます。個人的には3曲目が結構好きで、こういうユルめの音楽を歳をとるごとに深みを増して聴かせられたらって思うんです。30代くらいになって、ジャジーにサックス1本対私とかでやったり。曲調は普段からミドルが好きで、この曲は洋楽っぽい感じも意識しちゃいました。

──シングルを2枚リリースして、今後「ライブが見たい!」なんて声も多く聞こえてきそうですね。

10月25日にさいたまスーパーアリーナで、NE-YOのゲストアクトとしてデビュー後初めてライブに出演するんです(取材は9月下旬に実施)。マイナスなことを考えたら緊張しますけど、NE-YOのファンをノセられたらスゲエぞ! と(笑)。楽しんでやりたいと思います。

──単独ライブの予定は?

まだ決まってませんが、やりたいなぁとは思ってます。でも歌よりもMCが緊張しそう。カッコよくしゃべろうと思えば思うほど頭が真っ白になっちゃうんで。楽曲と素の自分のイメージがかなり違うので、ビックリされちゃうかもしれませんね(笑)。

2ndシングル『NO MORE』 / 2009年10月28日発売 / 1223円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2044

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CD収録曲
  1. No More
  2. CLUBBIN"
  3. what you want?
JASMINE(じゃすみん)

13歳でゴスペルクワイアに加入し、15歳でアメリカ遠征に参加。その後シンガーの道を志し、17歳から都内のクラブを中心に本格的な活動をスタートさせる。その圧倒的な歌声がリスナーや音楽関係者から高い評価を受け、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズとメジャー契約を締結。2009年春からは音源未発表にもかかわらずJ-WAVEでレギュラー番組を担当し、その飾らないキャラクターも話題に。楽曲はすべて本人が作詞作曲を手がけ、心を打つメロディと等身大の感情を描く鋭い歌詞が熱い注目を集めている。