いゔどっと|「伝わらなくていい」彩り豊かなアルバムで表す独創性

幻となった「空中楼閣」

──今年3月には1stワンマンライブ「空中楼閣」が開催される予定でした。緊急事態宣言の発令などの影響を受けてライブは中止となってしまいましたが、もともとライブをやることに関しては前向きだったんですか?

そうですね。以前から、応援してくれている方々には「ワンマンライブをやる」ということは伝えていて、ようやく自分の中でもやるぞと気持ちを固めたライブだったので、前向きだし万全の準備を進めてました。

──それが「空中楼閣」だったんですね。

そうです。それまではなかなか踏ん切りが付かなくて。気持ちの整理ができたのが去年の5月とかで、そこから3月のワンマンに向けていろいろ準備をしていたんですが……。

──ライブは中止になってしまったと。

「空中楼閣」という言葉には「現実的ではないこと、空想的な物事」という意味があって、本当はライブでお客さんにそういう体験をしてほしかったんですが、ライブが中止となってしまい文字通り空想で終わってしまったんです。リスナーさんの中には「本当に空中楼閣だった」ってつぶやいている方もいてちょっと笑っちゃいました。

活動の核にあるのは音楽

──1stアルバムがリリースされて、次にやりたいことのビジョンは何か浮かんでいますか?

アルバムは完成したんですが、変わらず曲作りはし続けているんです。すでにアルバムに入らなかった新曲がいくつもできていて。それと、CDという形でなくても、自分が感じた面白いことをどんどん発信していきたいですね。もしかしたらそれはライブという形かもしれないし、配信という形かもしれないし。

──具体的な目標は何かありますか?

「大きなステージに立ちたい」みたいな気持ちはあまりなくて、ずっと続けていきたいというのが目標ですね。これは個人的に思っていることなんですが、ボーカリストとか歌い手とか、そういうカテゴライズがなくなればいいなと思っているんです。何か決めつけて物事を判断するのが好きではないのもあって、「歌い手だから〇〇」「アーティストだから〇〇」みたいな決めつけにすごく違和感を感じていて。僕はライブがやりたくなったらライブもやるし、だからと言ってネットの活動も辞めないし、何か面白そうなことがあったら新しいことを始めるかもしれない。

──いろいろやりたい欲求がありながらも、その中心には音楽があるということでしょうか?

そうですね。いろいろやりたい思いはあるんですけど、音楽をやっているときが一番楽しいんですよ。ふと時間ができたときも、「歌いたいな」とか「楽器触りたいな」と思うことが一番多い。音楽が活動の核にあることはこれから先も変わらないと思います。